絵画泥棒は2度笑う
時価10億円幻の絵画の女性オーナーと、映画監督、大道具係の3人は密談をしていた
先ずオーナーが幻の絵画に盗難保険を掛ける
保険会社の鑑定士が鑑定書を提出する
次にベテランの大道具係が絵画の贋作を作成する
幸い幻の絵画を見た者は少ない
本物は闇マーケットで売却してしまう
そして、監督が女性オーナー自宅で[絵画泥棒]というタイトルで映画撮影する
念の為に贋作は吹抜けの高い位置に飾り、バレないようにする
撮影は無事終わるが、贋作を地下の保管庫に運ぶ途中に突然照明が消える
暫くして照明が点灯し、絵画は無事だった
保険会社の鑑定士が呼ばれると、贋作である事が判明して、近いうちに盗難保険が支払われる事となる
映画の中では、ナイスが女性オーナー役で絵画泥棒に後ろから撃たれて、くるりと半周回り仰向けに倒れてしまう
目を見開き、はかないデスマスク
「ハーイ、カット」
「ナイスちゃんナーイス演技 世界一美しい死体だよ」
ナイスは内心驚いた
堅物で有名な監督の気分が高揚しているのを初めて見たからだ
ナイスは出番が終わったので、控室に向かう途中に停電した
実は数日前に10億円の絵画を映画撮影に使う事に不安になった保険会社から、映画出演している探偵としてナイスは雇われていた
ナイスは事前に盗聴盗撮出来るミツバチ型ドローン百匹を各所に配置していた
絵画は無事と、ドローンの盗聴器から聞こえて来る
ドローンのカメラからも不審者は見当たらない
それなのに保険会社の鑑定士が贋作と断定と、盗聴器から聞こえてきた
最初から贋作だった可能性が高くなった
保険会社経由で、警察に女性オーナーの資金の動きと、闇マーケットを洗って貰った
そう言えば、先週撮影が終わって夜遅く帰る時に、道具部屋の奥の方で大道具係が絵を描いているのを見かけた
そこで、絵の具を一つ袋に入れて、休日に公園をランニングしている時に知り合いの若い刑事に渡した
(どうやら、あたしに気があるようで、この前スポーツドリンクをくれたのでベンチで少し話をして、彼は若嶋津という名前で、職業が刑事だと知った)
やがて贋作に付いていた指紋が絵の具の指紋と一致して、大道具係が逮捕され彼の供述から、監督と女性オーナーも逮捕された
保険会社から金一封貰い受ける
(あたしは、何度でも生き返る フェニックスの如く)




