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第3話 国の失態/第二王女の憂鬱

 リアン達から報告を受けたギルドは、すぐさま王国へと報告を行っていた。


 ハイル達がいるこの国──ショタリシアス王国。

 この国には様々な種族が暮らしている。


 人間、エルフ、獣人、などなど。

 多種多様な種族が分け隔てなく暮らしていた。


 多種多様な種族が分け隔てなく仲良く暮らしているのは、このショタリシアス王国だけだった。


 “十歳くらい” のハイルを拾ったクロハも、エルフであり、故郷である村を出てから “色々とあり” 、この国にたどり着いた。

 今では幸せに毎日を暮らしている。


 ハイルの仲間には、他にも人間以外の者がいるのだが、その話は追々。


「なんてこった……!?」


 ここはショタリシアス王国の城にある会議室。

 そこで、白い髭を生やし豪華絢爛なマントを羽織った男性──国王であるデリア・ショタリシアスが怒りを浮かばせながら拳を握りしめていた。


「まさか、ハイル殿がいなくなってしまうとは……!」

「しかもハイル殿を襲ったのは、S級のモンスターだと……!」

「S級のモンスターなど、これまで確認されてこなかったんだぞ? それがどうして急に……!」


 会議室では、デリア以外に複数の男性が机を囲み話をしていた。


「皆様、落ち着いてくだされ。まずは状況の整理、そして今後の対策、それらを順を追って処理していかなければ」

「そうだな……。リュークの言う通りだ。まずはなぜハイル殿がいなくなってしまったのか、そして本当にS級モンスターが現れたのか、それらを話し合い、状況を整理した後、対策を練ろう。皆もそれでよいな?」

『はい!』


 そうして、国王とその他の者達は長時間に渡る会議をスタートさせた。


 長い会議の末、S級モンスターは実在すると意見がまとまった。

 これまでの事例ではなく、今後起こり得る事案を見据えようと決め、今回の報告を突っぱねるのではなく、受け入れる事にした。


「S級モンスターに関しては、調査隊を結成し、長期に渡る調査、捜索を行う。これに異論はないな」


 国王であるデリアが決定した事を口に出し、皆に最終確認を行う。

 それに反対する者は誰もおらず、首を縦に振って首肯した。


 そして次、この会議一番の重要課題であるハイルについて。


「ハイル殿に至っては、私の失態だ……」

「いえ、国王陛下。あなた一人の失態ではない。我々国の失態です」


 デリアの隣に立つ、モノクルを右目にかけた白長髪の男性──リュークが、デリアを諭すように優しく言う。


「リューク……ありがとうよ」


 デリアは相当疲弊しているのか、リュークの言葉に力なく感謝の意を述べるしかできなかった。

 そんなデリアに変わって、リュークが話を続ける。


「ハイル様は、S級モンスターに襲われ消息を絶ってしまわれた。よって、S級モンスターを調査すれば、おのずとハイル様にたどり着けるはずです」


 リュークのその言葉に、この場にいる男性達が頷く。


「ですが、S級モンスターがそう簡単に見つかるとは思っておりません。なので、S級モンスターとは別に、ハイル様を探す捜索隊を結成させます。S級モンスターの調査隊、ハイル様を探す捜索隊。それぞれに分けて行動をしてもらいます。異論はありますか?」


 男性達は首を横に振る。

 誰も異論も否定もないようだ。


「では、各々目ぼしい人材に声をかけてください。そして、明後日のお昼に城前に集まるように。お願いしますね」

『おぉ!』

「陛下、話は全てまとまりましたが、何かありますか?」

「うむ……ハイル殿にはこれまで、数多くの迷惑と苦労をかけてきた。何があっても必ず助けなければならない。ハイル殿の捜索を邪魔したり、ハイル殿に危害を加えようとする者には一切の容赦をするな。全てはハイル殿優先、ハイル殿主軸で行動するように。いいな!」

『はい!』


 デリアの言葉に、男性達は野太い声で返事をした。

 その返事の中には、確固たる覚悟が感じられた。


「それでは、本日は解散いたします。明後日の昼、またお会いしましょう。よりよい人材を派遣していただけること、切に願っております」


 そうして、会議は終了し、男性達は城を後にしていった。


 会議室に残ったデリアとリューク。

 リュークは椅子に座り、デリアに声をかける。


「陛下、大丈夫ですか?」

「リューク……もう誰もいないのだ。いつも通りにしてくれ」

「分かりました。デリア、最近眠れているか?」


 リュークは、敬語をやめタメ口で話し始めた。


 この二人は、幼い頃からの友人だった。

 若い頃には冒険者をしており、ダンジョンを駆け巡ったりもしていた。

 なので、二人の時にはこうして砕けた接し方をしている。


「元々国の雑務で眠れてなかった所に、ハイル殿の事が舞い込んできたんだ……眠れる訳ないだろう……」

「そうだな……ハイル様の事は俺もビックリだ」


 リュークは人前では「私」だが、デリアの前でだけは「俺」になる。


「まさか、あのハイル様がいなくなってしまうなんて……」

「あぁ……ハイル殿の力はこの国にとって大きな希望になるからな。だから “英雄に任命” したんだ。私は」

「そうだな。英雄クラスの力を持つハイル様だ。きっと無事だ。彼を信じよう。そして、捜索隊が必ず見つけ出してくれると、信じよう」

「あぁ。そうだな」


 ☆ ♡ ☆


「どう……?」

「駄目……。お部屋から出てきてくれないし、返事すらない。お食事も取ってくださらいわ……」

「そう……昨日から飲まず食わずでしょ……? 心配よ……」


 とある部屋のドアの前で、二人のメイド達が話をしていた。


 その部屋の中。

 大きなベッドが中央に置かれており、青を貴重とした引き出しや机、椅子など色んな家具が綺麗にレイアウトされていた。


 そんなベッドの中に、一人の少女がいた。


「はぁ……」


 少女は、布団を口元にまでかぶり、絶望しきった表情を浮かべていた。


「ハイル様……くっ……!」


 少女はハイルの名前を呼んだ後、大粒の涙を流した。


 少女の名は『シリシア・ショタリシアス』。

 この国『ショタリシアス王国』の第二王女だ。


 青色の髪の中に銀色が混ざっており、太陽などに照らされるとキラキラ光り、神々しさを醸し出す。

 髪型はショートで、耳たぶに毛先がかかるくらいの短さだ。


「はぁ……こんな事になるなら、昨日、お父様の所に向かわなければよかった……」


 シリシアがハイルの事を知り、こうなってしまった原因。それは、昨日(さくじつ)に遡る。


───────────────────────────


(今度行われるパーティーについて、お父様に色々と確認を取らなければ)


「んふふ♪ 楽しみですね〜♪ ハイル様が所属するパーティーも出席すると聞きました。そこで今度こそハイル様にアピールしなければ♪」


 シリシアは、浮かれた足取りで国王──デリアの部屋へと向かった。


「あれ? ドアが開いている? お客様ですかね?」


 シリシアは、半開きとなったデリアの部屋へとゆっくりと近づいていく。

 それが、絶望を知るキッカケになるとは知らずに。


(あれは……お父様とリュークさん? 何を話しているのでしょう……)


 シリシアは、影に隠れ、部屋の中で行われている会話に耳を傾ける。


『その報告は真なのか!?』

『はい……! 【ブリューヘルギルド】のギルマスからの報告なので、まず間違いはないかと……』

『ギルマスへ報告を行った者がいるはずだ! その者達は信頼できるのか!?』

『報告してきた者達は、ハイル様が所属しているパーティーの者達です』

『なっ……!?』


(ハイル様のお話をしてる……? ハイル様に何かあったのでしょうか……?)


『ハイル様のお仲間が仰っているのです……信用できるかと思われます……と言うより、お仲間がこのような嘘をつく必要はないかと……』

『くっ……! だとしたら、本当だと言うのか……ハイル殿が……ハイル殿が……』


(ごく……!)


 聞き耳を立てるシリシアは、唾を飲み込んだ。

 デリアが、何を言うのか分からず緊張しているのだ。

 そして、デリアはシリシアにとって、一番知りたくない、聞きたくない言葉を放った。


『死んだと言うのは……!』


「はっ!?」


───────────────────────────


「あの後、どのようにしてこの部屋に戻ってきたのか、全く覚えていません……目が覚めた時にはベッドで横になっていて、枕は濡れていました……目も腫れていたので、泣いていたと言うのは理解しました……」


 シリシアは、ベッドの上で座り俯いている。


「夜になっていて、メイドの方達が食事などで呼びに来てくださいましたが、食事を取る気も、何かをする気も起きず、私は無視をしてしまいました……」


 シリシアは、わざと無視をしていた訳ではなかった。

 声を出してしまうと、すぐに涙が溢れてしまうので我慢する為に声を発せずにいたのだ。


 ベッドから動く気にもなれず、昨日からほとんど動いていない。


「ハイル様が死んだ……そんな事、ありえません……あの強い……最強なハイル様が死ぬなど……うっ……!」


 信じないように、自分に言い聞かせるように発したその言葉が、まるでハイルの死を確定してるかのような気がして、シリシアは涙が溢れ出てきてしまった。


「うぅ……! うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……!」


 シリシアは両手で顔を覆い、声を上げながら号泣する。


 部屋のドアの前には、先程の二人のメイドを始め、シリシア専属の執事やリューク、そして父であるデリアもいた。


 皆はシリシアの気持ちを知っていた。

 よって、シリシアの泣き叫ぶ声を聞き、心を痛め、顔を俯かせた。


 今はそっとしておくのが最善だと話し合い、この場にいる者達は部屋の前から離れることにした。

 食事をいつ取ってもいいように、常に準備をして部屋の前に置くのは欠かさずに。

 第二王女であるシリシアは、ハイルに好意を寄せています。

 王女であるシリシアと、冒険者であるハイルがどのようにして出会ったのか、何がキッカケでシリシアはハイルを好きになったのか。


 それらについては、今後のお話でしっかりと書いていきたいと思っておりますので楽しみにしていてください♪


 次話からはついに、爆乳美少女とハイルのお話になります!

 ハイルが目を覚ました所から始まりますので、内容を少し忘れてしまったと言う方は、第一話を読み返していただけますと幸いです!

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