宝探し
海の家二日目は僕と未来さんから、他のメイドさんへと引き継がれた。
ただ、店長が忙しそうに働いてる姿も想像できる。
未来さんと僕はまた砂浜で会話した。
一日で色々なことがあったよね、と。
「そっか。......海くんはやっぱり必要だね」
「やめてよ。こそばゆいな。未来さん、僕は居場所に恵まれただけだよ」
未来さんは立ち上がる。
「海くんは私と! ぜっーーたい、ずっと! 一緒だもんね!」
未来さんは砂浜に叫んだ。そして僕に振り返ろうとした時、「あれ?」何かに気がついた。
砂浜には漂流物があって、その中に一つの瓶が意味ありげに流れ落ちていた。
「これは、ゴミ?」
未来さんが呟いた。その割には、小綺麗だけど。
というか未来さん。ゴミ拾いのボランティアしてただけあって、海のゴミ、結構気にするな。
「未来さん。割れ物は危ないよ」
「海くん。中に何か入ってるみたい」
未来さんが手を転がすと、それと同時に光の反射も転がって移動する。
硝子越しに透けて一枚の紙が見えた。
中身を慎重に取り出す。
「これは、絵画?」
風景画。その絵の中の地面にバツ印が書かれている。......この風景、どこかで、それも最近見た気がする。
「あれ? もう一枚ある......」
未来さんがまた慎重に取り出した。
それには、日本語の文字が書いてある。
『宝の地図』
確かにそう、記されている。
「未来さん、これって!」
「探そう! 海くん」
そんな風に、海の家の後半戦がスタートした。
宝の地図があったのは海の家近くの海浜公園だろう。遊具の配置、植木の配置、諸々込みで間違いない。ただ......、「海くん。どうかした?」僕の削がれた意識が現実に戻る。だが僕はふと疑問を口にした。
「なんだろう。この違和感。遠くから流されてきた筈なのに、地図にはどうしてこの近くのことが書かれているんだろう」
「多分、潮の流れのせいだね。海の家は入り江だから、おそらく潮が循環している」
確かに海の家は未来駅や、開発された街に囲まれている。入り江で潮の流れが循環するのは盲点だったな。
というか。
「未来さんは頭いいんだね」
「え! ......ウーン」
未来さんは難しそうに考えた。
「あ。そうだ!」
未来さんは何かに閃いたらしい。
「ご主人様! メイドとかいくんご主人様。足りない物を補い合って、宝探しに参りましょう!」
これは何の『儀式』だ。
「海くんの萌えパワーと私の萌えパワー。二人のパワーを足しただけじゃないですよ。さらに大幅アップです!」
とはいえ、乗らないと損、だよな。
「萌え萌え!」「萌え萌え!」二人で魔法を口ずさむ。
「萌えパワーで解決、ですね」
「ふふふ」と僕たちは笑い合った。




