第三話
三話目です。
俺の名前はエーギル。このスラム街で育った少年だ。なんやかんやあってエリスターナの弟子になった。
この女、五才の癖に魔術?魔法?だかがすげぇ上手いんだ。しかも、なんかよく分からない箱から食料ざばざは出してくるし、いったい何者なんだろうな。
そんな女に弟子入りして3ヶ月、すげえしごかれた。毎日へとへとになるまで訓練だの瞑想だのさせられて。そんなにへとへとだっていつのに体は一晩寝たら回復しちまう。でもってエリスターナに「若いっていいね~」と笑顔で言われながらまたしごかれる。そんな毎日だった。まあそのお陰で魔導術とかゆうのの扱いにも慣れたけどな。
ある日、町のお役人が来た。何でも、このスラムを壊して、そこにカジノをつくるそうだ。
ふざけんなと思った。てめえらの政策が悪くて俺達はこんな生活を強いられてるっつーのに、なんで貴族のためなんかに俺達の居場所まで奪われなきゃいけないのか。
、、、でも、諦めるしなかった。お役人に楯突いても、憲兵どもに虐殺されるだけだからだ。
俺は落ち込んでいた。というか絶望だな、あれは。この先の未来、俺達がどう生きるのかが想像もつかなかったんだ。
でも、そんな時にエリスターナ、俺達はエリスって呼んでるが、あいつから一言言われた。
「戦えば良いんじゃない?抗えば良いんじゃない?あんたたち何の為に魔導術を鍛えて来たの?」
晴天の霹靂だった。そっか、そうだ。抗えば良いんだ。歯向かえば良いんだよ。あんな糞どもぶっ飛ばして、俺達の楽園を作れば良いんだ!
うん、あの頃の俺にあったら、なんてことしてくれるんだと怒鳴りつけたい。殴りつけたい。マジでなんてことしてくれたんだ。
結果として俺達は勝った。完全なる大勝利だった。
そりゃそうだ。あんな宝石やらなんやらに金掛けて、自分の兵士は貧弱なままだった領主に、糞みたいなエリスにしごかれまくった俺達が、負けるわけがなかったんだよ。
そう、俺達は勝っちまった。つまり、お国様に目を付けられた訳だ。このままだと、派遣された騎士団に町ごと燃やされて殺される。分かりきった結末だった。
そうならない為には、騎士団が準備するための期間、(エリス曰く約半年、理由はここが領主が腐れるような辺境だから)その間に撃退できるように鍛えておかなければならない。
弟子が増えたと喜んでいたのはエリスだけ。大人たちはなんてことしてくれるんだと俺達に怒鳴りながらも協力してくれた。
大人たちも、あの領主どもは気に入らなかったらしい。
俺達は、更なる修行も重ね、決戦の日を待った。
星が欲しい、、、すいません黙ります。