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9話「ミランダとランド男爵家のその後」三人称・ざまぁ回


ミランダの父ランド男爵はフィルタ侯爵家とシュティーア公爵家との取引を停止され泡を食っていた。


その上ミランダがアリシアを傷つけた証拠を突きつけられ、多額の慰謝料を請求された。


フィルタ侯爵家から請求された慰謝料は多額で、ランド男爵家の財産を処分しても支払える額ではなかった。


男爵は屋敷にあった金と宝石を袋に詰め、馬に乗って逃げた。


主人が夜逃げするのを見た使用人はこの家はもうだめだと悟り、金になりそうな花瓶や絵や食器などを持って屋敷を出た。


家に帰ったミランダは屋敷に入ろうとしたが、屋敷の門は固く閉ざされていた。


屋敷の前には人相の悪い男が数人いて、ミランダを待ち構えていた。


男の一人がミランダを拘束し、手を後ろで締め上げた。


「なんのつもりよ! 私は男爵令嬢よ! 離しなさいよ!」


喚き散らすミランダに一人の男が書類を突きつける。書類の内容を読みミランダは絶句した。


「嘘よ……パパが私を売るなんて……」


それはミランダの父であるランド男爵が、ミランダを娼館に売り飛ばした書類であった。


ランド男爵はフィルタ侯爵家を怒らせ、フィルタ侯爵家が運営する商会から縁を切られる原因を作ったミランダを恨んでいた。


「学園に行って金持ちの息子を(たぶら)かしてこい、婚約者がいても構わん!」とミランダを(そそのか)したのはランド男爵なのに。自分の意に従った娘を憎み、娼館に売り払ったのだ。


ミランダは男の手から逃れようと暴れたが、男に殴られ縄で縛られ馬車に放り込まれた。


娼館行きの馬車の中で「公爵家のレイモンド様を(たぶら)かして結婚して贅沢をするはずだったのに……なんで? 

どうしてこうなったの?」ミランダは独り言を呟き、涙を流した。


「ふふふ……そうかこれは夢よね、早く助けに来てレイモンド様……ハハハハハ」


ミランダは夢の世界に逃げることで自分を守ろうとした。


娼館に売られても意味不明なことを呟くミランダを周囲の者は気味悪がった。


それでも若いうちは元貴族ということもあり、それなりに客がついた。


しかし年を重ね容姿が衰えると客が取れなくなり、年増の女を持て余した雇い主に全裸のままごみ捨て場に捨てられた。


夜逃げしたランド男爵は、森を抜ける途中で山賊に遭遇。身ぐるみを剥がされ隣国に奴隷として売り飛ばされた。


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