第4話
『“スノーホワイト”連続殺人事件』
それは、オカルト板ではそれなりに名の知れた、実在した大量殺人事件の通称である。
時代は、戦前にまで遡る。
その洋館には、当時、裕福な華族の一家が住んでいた。
一家の家族構成は、当主とその妻、そして、その間に生まれた一人娘。娘は類い稀な美貌の持ち主であり、特に魅力的だった肌の白さから、洋館の使用人たちからは『白雪姫』と呼ばれ慕われていた。
だが、彼女は、若くして病で亡くなった。
そして。
一人娘を亡くした母親の悲しみは深く、いつしかその悲しみは、“狂気”へと変わっていった。
母親は、呪術や黒魔術の類に傾倒しーー“生贄”を捧げることで、娘を生き返らせようとしたのである。
生贄はーー殺人事件の犠牲者は七人。洋館の使用人たちであった。
料理人は、全身を刺されて。
庭師は、生き埋めにされて。
執事は、池に沈められて。
当主の近侍は、頭を滅多打ちにされて。
乳母は、火をつけられて。
乳母の息子は、毒を飲まされて。
女中の少女は、寝ている最中に首の骨を折られて。
それぞれが、酷く残酷な方法で殺された。
しかし、そのようなことをしても、娘が生き返るはずもなく。
絶望した母親は自ら命を断ち、ここに、恐ろしい事件は幕を下ろしたのだった……。
◆
(スレではしばらくの間、スノーホワイト連続殺人事件の概要が語られた)
391:小説にあった怖い名無し
あー、そういえばあったなそんな事件
392:小説にあった怖い名無し
どうりで建物の写真に見覚えがあったわけだ。そこそこ有名だよな、この話
393:小説にあった怖い名無し
あれ?でも事件が起きた洋館は、戦後に取り壊されたんじゃなかったっけ?
394:小説にあった怖い名無し
>>393 そうだよ。だからこれで、1達が今いる場所は現実世界ではないことが確実になった
395:小説にあった怖い名無し
それにしても、どうしてイッチ(と、イッチより前に洋館で殺された人々)は異世界の洋館に迷い込んだんだ? 現実の洋館で起きた殺人事件は、もう終わったことなんだろう?
396:小説にあった怖い名無し
屋敷が、新たな生贄を求めてる…とか
397:小説にあった怖い名無し
>>397 なにそれ怖い
398:小説にあった怖い名無し
>>397 こわい
399:小説にあった怖い名無し
でも、可能性としてはあり得なくもない話だよなぁ…
400:1
400ゲット。
>>261さん、情報を集めてきてくれてありがとう。
>>391-392
そんな、恐ろしい事件が実在したんだな……。
>>393-394
うん、だから、現実の世界に帰る方法を探すよ。
それこそ、幼馴染だけでも、絶対にこの異世界から逃がさなきゃいけない。元を辿れば、俺が巻き込んでしまったんだから。
>>397
なにそれこわい。
でも、今のところ、その可能性が一番高いんじゃないかと思う。
401:幼馴染
>>400
>>それこそ、幼馴染だけでも、絶対にこの異世界から逃がさなきゃいけない。元を辿れば、俺が巻き込んでしまったんだから。
1は、1が私を巻き込んだとか言ってるけど、私は私の意思でここに来た。
だから私は、最後まで私の意思で、二人揃って、現実に帰ってみせる。ここに宣言させてもらうわよ。
あと、1をこの化け物屋敷に引きずり込んだ諸悪の根源は私が叩きのめす。
402:小説にあった怖い名無し
>>401 泣いた
403:小説にあった怖い名無し
幼馴染の想いに全オレが泣いた
404:小説にあった怖い名無し
これは何が何でも、イッチと幼馴染二人での脱出を成功させないとな!
俺達も、できる限りの協力はするぞ!
405:小説にあった怖い名無し
そうですね
このスレ全員で知恵を出し合って、洋館から出るための手がかりを集めましょう
406:小説にあった怖い名無し
よし、みんな、1たちのために一肌脱ごうぜ!!
407:10
(バッ
408:小説にあった怖い名無し
>>407 本当に脱ぐなwwwww
409:小説にあった怖い名無し
>>407
ほんっとうに歪みねえなwww
410:小説にあった怖い名無し
それはそうと
とりあえず、状況をまとめたぜ
〈確定できたこと〉
・>>1達は、現実世界には存在しない屋敷の中に囚われている
・屋敷は、『“スノーホワイト”連続殺人事件』の舞台となった建物
・屋敷の中には、>>1達の命を狙って襲いかかってくる化け物達がいる
・化け物達に通常の物理攻撃は効かないが、お菓子(塩味)やファブ●ーズを用いた攻撃は効く
・しかし上記の攻撃を行っても、時間が経つと化け物達は復活する
〈推測できること〉
・恐らくは、>>1のように屋敷に引き寄せられ、殺された人々は他にも存在する
・かつての殺人事件で犯人が“生贄”を求めたように、屋敷(を今支配している元凶?)が、新たな生贄を求めている?
下空けといてくれ
411:小説にあった怖い名無し
さんきゅ
〈屋敷にあった部屋〉
・大量の絞死体が吊るされていた部屋
・床から生えた剣山に、大量の死体が突き刺さっていた部屋
・これらの部屋の死体は古いものから比較的新しいものまで様々である&死体の正体は、恐らくは、>>1よりも前に屋敷に引き寄せられて殺された人々
=屋敷は長期間に渡って生贄の人間を集め続けていた?
〈『“スノーホワイト”連続殺人事件』の概要〉
・一人娘であるお嬢様(白雪姫)を亡くした奥様が、娘を生き返らせるための生贄として殺人事件を起こした
・生贄=事件の犠牲者は、メイド、執事、コック、庭師、主人の付き人、乳母とその子ども、という七人の使用人達。彼等はそれぞれ異なる方法で殺された
・奥様が自殺したことで事件は終結した
412:小説にあった怖い名無し
>>410-411 乙!
413:小説にあった怖い名無し
まとめ乙!
414:1
まとめてくれてありがとう!
あと、今更だけど、俺が首吊りの部屋で拾った紙切れも手がかりにならないかな。何となくポケットの中に入れといたのを、いま思い出したのだけど。
415:小説にあった怖い名無し
紙切れ??
416:小説にあった怖い名無し
そんなものいつ拾ったんだよ?
417:小説にあった怖い名無し
これじゃね?
92:1
そうだ。
首吊ってる人たち下ろしてあげよう。死んだ後も吊るされたままとか可哀想だ。
95:1
だめだ、天井が高くてとても届く気がしない。
下から揺らしてもロープが切れない。
揺らしてたら紙切れが一枚落ちて来たけど、人が落ちてこなきゃ意味ないもんなぁ。
418:1
>>417
そうこれ。
そこで拾った紙切れに、こんなことが書いてあったんだ。
「この呪術は、とある童話に基づいて進められている」
「呪術を進めるためには、童話のストーリーの各要素と、童話の登場人物を演じる者が必要だ」
「一人の登場人物を、複数の人間が演じても構わない」
「全ての登場人物が舞台の上で演じきり、ストーリーが結末を迎えた時、術者の悲願は果たされるだろう」
次回からほんの少しだけ、謎解き要素が入るかもしれません。