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ハローハローワーカー  作者: おおやま
14/16

選択 3

 しばらくして個人端末にメールが来ていた。


 『ささやかながらガーデンパーティーを開きたいと思います。親しい人しかお呼びしていません。ぜひお越しください コラリー』


 ちっちゃなあたしは行かなかった。


 それがあたしの選択。




イタリアンレストラン


 それは二年ほど前のお話、あたしがまだこの世界にいなかった頃のお話。

 そのお店は北地区では名の知れたイタリアンのお店。

 仲むつまじい夫婦がお店を切り盛りしていました。

 シェフが大切に育てた採れたての新鮮なハーブをふんだんに使った料理は評判がよく、とても繁盛していたそうです。

 とくにバジルとトマトのパスタは最高だと聞きました。


 ある日、シェフだった夫が言いました。


 こうやって日々暮らしていく、あたりまえのように暮らしていく、だけどその生活の下では人々は悲しい思いをしている。


 妻にはわかりません。


 どうして幸せだといけないの? どうしてそんなこと言うの?


 夫は言いました。


 自分のできることがしたい、幻じゃなくて、自分の手で掴めるものを手に入れたい。


 夫は妻を置いて戦場に行きました。


 妻はそれでも幸せに生きようと努力しました。


 夫の思い出、ハーブの花壇に目もくれず、ずっとずっと働きます。

 おいしいお菓子を焼いてお店はまた繁盛しました。

 ある休息日、ふと、少し庭を散歩してみました。



 夫の大切に育てていたハーブはぜんぶ、枯れていました。


 

 妻はお店をやめてしまいました。


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