決戦の時
クライマックス・・・?です。
よろしくお願いします。
7決戦の時
深夜2時――――。
静まり返ったX交差点。そこに皇帝ペンギン対策組織の面々が集結した。しばらくすると電光掲示板にドラえもんのお面の人物が映し出された。
「やあ、皇帝ペンギン対策組織の諸君。よくここが分かったね。・・・あの女を処分したのに随分と手際がいいじゃないか。感心したよ。・・・さあ。君たちは僕らに勝てるのかな?」
そう言って皇帝ペンギンのリーダーはあのスイッチを押した。すると今までいなかった人たちが出てきたのだ。黒い布を被った皇帝ペンギンに紛れて数人の人間の姿もある。
「久子!!」
急に小林が叫びだした。
「えっ!?ねぇちゃん!?」
「お母さん!!」
離空と椎名も特定の人物を見ながら叫ぶ。俊介もその人間の中から見覚えのある顔を見つけた。
「朱梨!!」
なんとスマホユーザーである対策組織のメンバーの家族が操られ、出てきていたのだ。
「久子!やめろ!やめてくれ!」
小林に向けてナイフを振り払う妻、久子。小林は泣きながら訴えたが久子には届かなかった。
「朱梨!やめてくれ。」
俊介には妹、朱梨がナイフを持って静かに歩み寄る。その時普段朱梨が俊介に見せる何気ない笑顔が浮かんだ。
「もう、やめてくれ!朱梨!!目を覚ませよ!」
「久子!!」
「ねぇちゃん!!!」
「お母さん!!やめて!」
みんなの声が聞こえる。
「久子!!・・・・すまん。」
小林は静かにそういってスタンガンを取り出した。それを久子にあてた。久子は一度スタンガンを食らい倒れ込むが意識のないまま動き出した。
「なんでだよ!!!なんで動くんだ!!」
小林の言葉に俊介は実栗の一言を思い出す。『あの全員のケータイにつけた不思議な機能、操り状態にある人の混乱を解くこともできるみたいなの。』
「みんな!ケータイだ!!あの・・・あの光線を使うんだ!!」
俊介は朱梨に向かってその光線を放った。朱梨はその場に倒れ込んだ。
「朱梨!!」
俊介は朱梨に駆け寄る。
「お・・・にいちゃ・・ん?」
「よかった!朱梨・・」
「な、なんなんだこの力は・・・」
電光掲示板に映し出された人物は慌てた声で言った。
「お前たちが殺した飛松さんが残していった力だよ!!」
「そんな・・・・」
「お前たちは・・・もう終わりなんだよ!!!」
「く・・・くぅ・・・ふふ・・わはははははは!!残念だったな。もう手遅れだ。」
「なんだと」
「お前たちが大切にしている少女。彼女をオレの糧として受け取らせてもらう。」
ドラえもんのお面の奴がそう言うとブチッと音を立てて画面は消えた。
「大切にしている少女・・・・?実栗!?」
「まさか・・・」
「実栗が危ない!!!」
「俊介!!」
椎名と離空の焦った声に俊介も焦りを覚えた。
「行くぞ!」
「おう!」
皇帝ペンギン対策組織の面々は病院に急いだ。実栗の部屋につくと相変わらず様々な機械に繋がれた実栗が目を深く閉じ眠っている。
「志摩・・・・」
俊介がそう言うと実栗が目を開けてこういった。
「残念。僕だよ。」
「お前・・・」
実栗は意識のない目の色をしたまま自分の意識とは別にしゃべらされているようだった。
「志摩・・・いや、実栗!!目ぇ覚ませよ!!」
「むだだね。この人間の意識はもうない。この少女は頭がいい。こうなるのは予想外だが、こういう女の体さえ手に入れば地球なんてたやすいものだ!!わはははは!!」
「実栗・・・お願い。戻ってよ。」
「志摩、お前俺たちと一緒に頑張るって・・・約束したじゃんかよ。」
「実栗。頼むから目を覚ましてくれ。おれ、まだ・・・まだお前との約束まもれてねぇんだよ。俺にお前を守らせてくれよ!!実栗!!帰ってきてくれ!!」
「・・・・うっ・・・そんな・・・ばかな・・・」
急に実栗が苦しみだす。
「今だ!!」
俊介の言葉で全員がケータイを実栗に向ける。
「打てええええ!!」
「うわああああああああ」
そう声を上げて実栗は倒れた。
「「実栗!!」」