文化祭2
よろしくお願いします。
ドカーン!
急に地面が揺れるほどの振動と大きな音を感じる。
「な、何事!?」
「なんだ!急に!!」
その音と振動に校舎中はパニックになっていた。
「大変だ!理数学科の教室塔から火が上がってる!」
誰かの声が廊下に響く。
「理数学科だって!?」
「皇帝ペンギンの仕業か!!」
俊介は図書室を勢いよく飛び出していった。
「おい!待てよ俊介!!」
「高梨!」
椎名と離空も俊介に続いた。
離数学科の教室塔からはもうもうと煙が上がっていた。
「出火元は?」
「なにやら、E組の科学お化け屋敷の操作ミスかなんかで爆発にいたったみたいで・・・」
近くの先生同士の会話が耳に入る。E組は実栗のクラスである。教室塔から生徒と教師が次々に出てくる。その中に実栗の姿はない。
しばらくして救急車や消防車が入ってきた。
火はだんだんとおさまっていくように見えた。逃げ遅れた人の救助に向かった何人かの消防隊員が教室塔の入り口から人を2人抱えて帰ってきた。
「実栗!!」
椎名が声を上げて一人の消防隊員に近づいた。俊介たちもそれに続いた。
「志摩!」
消防隊員の手の中には深く目を閉じた実栗の姿があった。
「実栗・・・」
「危ないから下がってください!」
消防隊員の声に3人は下がる。実栗の次に抱えられている生徒を見やる。
「桜宮・・・」
「春樹!しっかりして!!」
しんとした場に相原つぐみの声が聞こえる。
文化祭は皇帝ペンギンの手によって侵された。
「実栗、意識不明の重体だって・・・」
先生の説明によると、実栗はいち早く危険に気づきそれを避けようと動いたときに爆発に巻き込まれたようだ。出火原因は当日、お化け提灯に使用するはずだった火が引火して起きたものだった。それを操作ミスしてしまったのは理数学科の桜宮春樹だという。
「春樹はそんなことミスしたりするような奴じゃない!」
「そうだよ!春樹君がそんなこと!」
春樹の彼女であるつぐみや美和が声を上げて言うが、
「は?そんなの、わかんねぇだろ」
「気持ち悪いんだよ」
「あいつのせいで文化祭中止になったんだからな」
生徒の反応は冷たいものだった。
「ねぇ、高梨・・・」
「椎名の言いたいことは分かる。でも俺らが言ったところで何も・・・。」
「・・・」
確かに桜宮が皇帝ペンギンに操られて操作ミスに至ったと考えるのが自然だと思う。だが、証拠は何もない。それに。
「志摩は・・・」
「・・・」
3人の中に思い空気が流れる。
2人と別れ、一人になった俊介は実栗のいる病院へ向かった。
「失礼します」
ドアを開けて、実栗の姿を見る。たくさんの機会に繋がれ、深く目を閉じたままだった。
「志摩・・」
返答はない。
「くそやろう・・・皇帝ペンギンの奴ら・・・」
ふつふつと俊介の中に怒りがわいてくる。
「絶対に俺が!」
ピロリン!
急に音が鳴り俊介はびくっとなる。机の上にあるパソコンからのようだった。
「びっくりした。・・・これ、志摩の?」
机のパソコンを開くとスリープモードになっているだけだった。
「なんじゃこれ!?」
パソコンの画面にはおびただしい数の文字が浮かんでいる。その前にポップアップ表示で通知が浮かぶ。どうやらツイッターのようだ。
「皇帝ペンギンのツイッターだ。」
「なんだと・・・」
ツイート内容はこうだった。
皇帝ペンギン対策組織の人間に次ぐ。我々の行動はもうすでにわかってきていることであろう。そこで直接対決を申し込もう。場所は次のツイートに記す。この暗号が解けたならばその場所に来ればいい。
その次のツイートにはこう記されていた。
シラクデアウトコトウレコシウシククデ アウレコ
ヒント、コウラクエンデ オレトアクシウ ヒント2、、、、、、
「はぁ!?」