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ケータイ  作者: そらのうみ
1/10

学校

初投稿です。よろしくお願いします。

電子音が町に響き渡る。

ここは東京のとあるX交差点。

でかでかとした電子看板が特徴の交差点だ。

いつもどおりの穏やかな日だった・・・。


高梨俊介(たかなししゅんすけ)はいつもどおりの道で高校へと向かっていた。

突然、でかでかとした電子看板がブチッと音を立ててきえた。

もちろん道行く人の足は止まり看板を見ている。俊介も彼らと同じものを見ていた。すると電子看板は急にひかり、その画面に不思議な人物を映し出した。

「?」

その人物は全身を黒い布で覆っていて、顔にはドラ○もんのお面をしている。

「やあやあ!地球人諸君!はじめましてというのかな?・・・僕らは今からこの地球で、あるものを使った大量虐殺をしようと思うんだ。まあ、いわゆるテロってやつかな・・・おお・・みんな信じてないね~ではショーをご覧いただこうじゃないか。」

そう言ってお面の人物は何かのスイッチを取りだした。そのボタンを・・・押した。

すると電子看板の横の建物で清掃活動をしていた男性が屋上から転落した。

交差点は悲鳴と叫び声でつつまれる。

「ね?人が死んだでしょう?これが僕らの力さ。僕らにはむかおうとするなよ?さっきと同じような力で一気に何人も殺せるからね。」

電子看板の住人はそこで姿を消した。X交差点は異様な空気に包まれた。


1 学校 

俊介の学校はその話でもちきりだった。ちょうど登校時刻であったこともあり、多くの生徒があの光景を目の当たりにしていた。

「あれ、なんだったんだ??」

「意味わからないよな」

「も~私怖い・・・」

などクラスのみんながざわざわ騒いでいる。俊介は落ち着いたように自分の席についた。

「俊介!」

俊介の名前を呼び話しかける者がいた。

「璃空」

彼の名は海藤璃空(かいどうりく)だ。違うクラスだが俊介の親友である。2人は小学生からの仲良しだ。

「なあなあ、みんなさわいでる朝の出来事ってなんだ?」

璃空は朝練で早くにあの道を通るので出来事を知らなくても仕方がない。そう思って俊介はあの出来事を話した。

「そ・・・そんなことが・・・」

話を聞いた璃空は絶句した。

「ねーねー。海藤と高梨さ、もう予鈴なってるよ」

同じクラスの南雲椎名(なぐもしいな)が2人に声をかけた。それと同時に担任が教室のドアを開けた。

「やべ!俺戻るわ!」

そう言うと璃空は自分の席へ帰って行った。璃空を見送った俊介も授業の準備を始めた。


昼休み

ピーンポーンパーンポーン

今から呼び出すものは会議室へ来なさい。

2-B 高梨、南雲

・・・・・・・

以上の生徒は至急会議室へ来なさい

ピーンポーンパーンポーン


俊介はなぜだかわからない呼び出しを受け、重い腰をあげ、会議室へ向かった。

会議室には椎名と璃空、そして1人の女の子が座っている向かいに白衣(?)を着たいかにも研究者ですと言った三人組が座っていた。

「高梨!遅いぞ」

「すんません」

そこにいた先生に怒られ、俊介は返事を返した。俊介はあいていた璃空の隣に座った。

「急に呼び出して悪かったな」

さっきの先生が全員に呼び掛ける。

「学校が把握している情報では君たちは確かまだガラパゴスケータイを愛用しているとか・・・?」

「だったら何ですか?悪いですか?」

璃空が言った。

「いや、悪いとは言わないが・・・今日ここへ呼んだ理由はそこにあるんだ」

「「「「?」」」」

「くわしくはこの人たちに聞いてくれ」

そう言って先生は教室を後にした。先生が出ていくと研究者のうち一人が4人に名刺を渡した。そこには国外テロ対策研究担当 飛松 幸雄 と書かれていた。

「そこにも書いてあるように、国外テロ対策研究担当の飛松です。」

そう言うと男は頭を下げた。

「今日の朝のX交差点のスクリーン事件を目撃したものはこの中にもいると思うのだが、ああいう組織を撲滅するにはどうすればいのかを考えるのが我々の仕事なんだ。」

「単刀直入に言おう。あのスクリーン事件のテロ組織、“皇帝ペンギン”を逮捕するのに協力してほしい。」

「「「「!?」」」」

「ちょっ・・・急になんですか!?」

飛松の言葉に怒りを覚えた椎名が言った。

「さらに言おう。やつら皇帝ペンギンは・・人間じゃない・・」

ニ ン ゲ ン ジ ャ ナ イ  

その言葉を飲み込むのに全員時間がかかった。

「ちょ・・え?」

「人間じゃないって・・宇宙人ってこと??」

「意味わかんねー」

「・・・」

全員が困惑しているようだった。

「信じるか信じないかは君たちの好きにしてくれたらいいが、やつらが地球人を大量虐殺しようとしていることに変わりはない」

みんなかえす言葉が見当たらずただ黙っていた。

「やつらは・・・スマートフォンを使い、簡単に大量虐殺できるようにしたのだ。」

「スマホを?」

「ああ。数年前から発売されたスマートフォンにある仕掛けを施していた。その機能は人間が一度もったら離れられないそうなるように依存機能と、ある周波数の音波を流すことのできる機能だ。」

「音波?」

「ああ。・・・その音波が実に厄介で、今日の朝の転落事件、あの時もその音波を使用してあの男性に飛び降りるように命令したんだ。」

「怖い・・・」

俊介は今朝のこと思い出した。なんかのスイッチみたいなものを押したらあの人が転落したんだ。この飛松の言うことは正しいかもしれない。

「質問いいですか?」

今まで口を開いていなかった女の子が口を開いた。よく見るとかわいらしい顔つきをしている。

「なんだね?・・・えっと・・・」

「志摩実栗です」

志摩実栗(しまみくり)と名乗った女の子はこう続けた。

「あの事件がスマートフォンのせいだということ、彼らが宇宙人だということ、音波のこと、よくわかりました。確かにそう考えるとすべてのつじつまがあいます。」

「ほう」

「でも・・・飛松さんたち国外テロ対策研究の担当者の方々はどうやってこの答えを導き出したのですか?」

確かにまだあの事件が起こってからそう時間はたっていない。そんな短時間でこの事実を導き出したとは思いがたい。

「・・・・」

「これは私の予想でしかありませんが、もっと前からその事実は分かっていたことなんじゃないのですか?」

「な!?」

「志摩だっけ?・・なんでそんなことがいえるんだよ!?」

「だからこれはあくまで私の予想だって」

飛松は長い溜息をはき、重い口を開いた。

「やっぱ君の目は欺けないか・・・」

飛松の言葉に志摩はニコっとほほえんだ。

「志摩さんの言うとおりさ。この事実は企業がスマートフォンを売り出して数ヵ月後に浮上していたことだ」

「「「!!」」」

「じゃ・・・じゃあなんで発売を中止させなかったんですか!?」

「できなったんだ・・・そのときにはもう・・・手遅れだった・・」

「手遅れって・・・」

「もう人間はその時にすでにスマートフォンを手放せなくなっていた。そして製造者が“皇帝ペンギン”のやつらに操られていて製造を止めさせなかった」

「そんな・・・」

「私たちは政府によって動いている組織だが、そんなわたしたちが掛け合ってもむりだった・・・それにどんどん新しいものが販売されていくだから・・・」

「分かりました。もういいです。」

俊介は責められる飛松を見てしゃべらすのを止めた。

「俊介?」

璃空が俊介を見た。俊介は立ってこう言った。

「確かに飛松さんたちも悪いかもしれないけど、何より悪いのは皇帝ペンギンだ。・・・俺は国外テロ対策研究担当組織に協力する!!やつらをぶちのめす!!」

「その話乗った!」

そう言って璃空は立ち上がった。

「私も」

そう言って志摩も立った。

「そういや君のことは全然知らないや・・・俺は高梨俊介。2-Bだ」

「2-E、志摩実栗です。」

そう言って志摩は笑顔をうかべた。

「俺は2-B、海藤璃空!よろしくな」

「Eってことは・・別校舎か・・知らないわけだな」

俊介たちの学校は科でクラスが別なのだ。A、Bが文学科、Cが国際科、D、Eが理数科となっている。そしてそれぞれの科は校舎が違うので科が違う生徒と会うことはほとんどない。

「・・南雲、お前はどうする?」

俊介が下を向いて黙っている椎名のほうを向いて言った。

「・・・無理だよ・・・そんなの」

「・・・なんでだよ!?」

「私は海藤や高梨みたいに強くないし、それに皇帝ペンギンは簡単に人を殺せる・・・もしかしたら殺されるかもしないんだよ!?そんな怖いこと私には無理だよ。」

椎名はそう言うと手で顔を覆い泣きだしてしまった。

「それがどうしたんだよ、俺たちがやらないで誰がするんだよ!!あいつらの好きにさせておくとみんな死ぬんだ。だったらちょっと反撃する人類がいてもいいんじゃないのか?」

「高梨の言ってることは正しいよ。でもなんで私なの!?成績も良くないし、運動だってできないのに・・・」

「南雲さんなぜあなたが呼ばれたのか、理由はひとつしかないじゃない。」

実栗が椎名の言葉に答えた。

「あなたがスマホユーザーじゃないから・・・でしょう?」

「・・・なんで・・・」

「もし、スマホユーザーをこのメンバーに入れたら、皇帝ペンギンの人たちがスマホを使って操ってしまうかもしれない・・・その恐れを避けるにはガラパゴスケータイを愛用している私たちを使うしか手はない。」

実栗の言葉は正しい3人はそう思った。

「でも、私強くない・・・そんな人たちと戦える勇気ないよ」

「南雲、俺や俊介だって強くない。もちろん志摩さんだって強くないよ。それでも誰かが戦わなきゃこの現状は変わらない。分かるだろう?」

「南雲、無理強いはしない。どうしても嫌ならかまわないから・・・お前の答えを聞かせてくれ。」

南雲は再びうつむいて考えた。

「私・・・・強くないから・・足手まといになるかもだけど・・・今日あの光景を見た人として彼らを許すわけにはいかないから・・・私も3人と一緒に戦う」

椎名は顔をしっかりあげ、立ち上がって言った。3人は顔を見合わせて喜んだ。

「よし、じゃあ全員で皇帝ペンギンのやつらをぶちのめすぞ!」

「おー」

俊介の言葉に3人は反応した。

「とは言ってもさ、本当に皇帝ペンギンを倒すべってないんじゃ?」

「・・・・・」

璃空のごもっともな言葉に全員がだまった。

「それなら私たちに任せてほしい。」

そう言って今まで黙っていた飛松は立ち上がって言った。

「なにか手があるんですか!?」

「ないと言っては嘘になるからな。皇帝ペンギンのやつらが本格的に動き出すまでには、完成させておくよ。」

飛松たちはそう言って会議室を後にした。4人になった俊介たちは飛松に言われたことを思い出していた。

絶対に他言しない事、国家機密だということ、他にもガラケー所有者も声をかけるだから君たち4人だけが動くというわけじゃない。


キーンコーンカーンコーン

昼休み終了のチャイムが鳴り響いた。

「あ、南雲次の授業なにだっけ?」

「数学だったはず」

「そっちは数学?俺たちは現代文だよ」

「志摩は?」

「ん?次の授業は・・・あ!」

「「「!?」」」

実栗の急な大声に3人は驚いた。

「次、実験だ」

さすが理数学部だな。俊介は思った。

「さすが理数だな。白衣とか着てるんだろ?」

「まあ・・・ね」

璃空の問いに実栗はあいまいな返事をした。4人は会議室を後にしてそれぞれの教室に向かった。

その次の授業の数学は全然頭に入ってこなかった。先ほどの飛松さんのはなしが頭の中をずっと流れていた。皇帝ペンギンは何を考えているんだろう。地球をつぶしたいだけなら一発でドカーンとする技術はきっとあると思うし。(スマホにそんなものを施せるとしたらたやすいことだと思う)

「次の問題を、高梨。」

「はえ!?」

全然話を聞いていなかった高梨は問題に答えられなかった。

「おまえなー話ぐらい聞いとけよー」

「すいません」

そのあとも俊介は上の空で授業を聞いた。


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