私しと僕と探索
うっうっうっー(ノ゜ο゜)ノ
一人なのに多数に考えが有る!なかなか、書くのが面倒だぜ!
でも頑張るお!
うっうっうっー(ノ゜ο゜)ノ
生まれた時から奇妙な二人の同居人を心の中に持つ私。
生まれた時から高貴なる魂を持ちながらも、決して表に立つこと無い宿命を背負った私。
生まれた時から他者とはかけ離れた資質を持ち、万物を理解出来る思考能力を持った僕。
母上様以外の誰もが、僕の言葉を嘲笑い退けた。
母上様以外の誰もが私の矜持を踏みにじり嘲った。
母上様以外の誰もが私の言葉を否定して、可哀想な瞳で私を見ていたお。
そんな私達を救ってくれたひとりの天使。
僕の話を笑い飛ばさずに聞き入れ、私の傲慢で捻くれてしまった心を優しく溶かし、私の頭を撫でながら私に笑顔を向けてくれた。
その日から、私達は彼の為に生きることを決めた。
僕の全身全霊を賭けて彼を全ての枷から解き放ち。
私の魂の矜持を持って、彼の前に立ちふさがる全ての存在を抹消し。
私の全てを持って彼だけを愛すお。
――世界の理を知る輝銀。世界の理を奏でる銀盤。世界の理を繰る銀の少女。
私の名前は「アルゼンテ」
嘗てログセリオンに置いて、「銀盤の女王」または「輝銀の錬金術師」と呼ばれしモノ―――。
華奢な首筋にそっと手を触れ呪文を紡ぐ。
『解呪』
先ほどの様に隠す必要も既にない、堂々と触れ…。合法的に彼の首筋に触れ、その絹の様なしっとりと吸い付くような感触と、光を受けて艷やかな光を返す白磁の様なうなじに思わず意識が刈取られそうになる。
「…ぜ、なぜ、魔法が…」
蚊の羽音のようなそんな微かな声が聞こえなければ、永遠に彼のうなじをサワサワしていたかもしれない。
私が思わず手を離してしまうほどには、その言葉は衝撃的だった。
なぜあのブスが驚いているか。アルデ…、検討は付いているのでしょう?
…そうだね。きっと知っていたのだと思うよ。召喚される存在がどのような場所から来るか、何が使えて何が使えないのか。
そして、その召喚魔法に組み込まれていたのだろう…。あの蔦のような文様を持った趣味の悪い魔法のことも…ね。
つまり、先ほどのアレは服従の魔法のような物と言いたのですわね
ご名答、アレはその類の魔法で十中八九間違いないだろうね。多分、あの叫び散らしている豚の言葉一つ一つが最後の鍵になっているのだろうね。
そうでもないと…
あんな低能そうな豚が、わざわざ意味有り気に長話なんてしない。…ですわね。
うん、多分に私情は混じっている気がするけど。「魔王・勇者・救い・命令」この辺りの言葉がきっとキーワードに成っているのだろうね。
あら…、それならば。あの醜い豚が低脳でよかったですわね。
召喚された瞬間に、
「よく来た勇者よ、魔王からこの世界を救って来れ。これは命令だ!」
とでも言われてしまえば終わりみたいですものね。
そうだね。そう考えれば、あの低能には感謝だね。
アルデとアルゼが豚を笑っている中、広場では静かに怒気を滲ませたふうまが綺麗なボーイソプラノを響かせ豚を糾弾し始めた。
彼の言葉を聞けば、彼が事態に気がついた事も理解出来る。
ならば、この広間に私たちが居る理由は既に無かった。
体の芯に響くような心地の良い彼の声に少しだけ袖を引かれる思いで、私は回れ右をして歩き出す。
――この国の命運は尽きた。
そう確信しながら、私は誰にも気づかれることなく謁見の間を後にした。
私達を呼び出したことに対する断罪は彼が行うだろう…。
ならば私は、私の出来ることを。私にしか出来ない事をしなければいけない。
召喚の魔法が有るならば送還の魔法もきっと有るだろう。
実を言えば、無くても構わない。帰るための方法は既に検討が付いているから―――。
城の中を目当ての物を探して歩く。
帰るあてはあるものの、どちらにしろ暫くはこの世界で生活しなければ行けないだろう。それにはやはり先立つものが必要だった。
ゲーム内の通貨はあることは有るが、多分使えないだろう…。いや、使えないというべきか、使うためにひと手間かかるというべきか…。
どちらにしろ、この世界の金を持っておくに越したことはない。
そう考え、城の中を歩き回っているのだが…。
なぜか人に全然合わない。兵士、侍女、宦官。城には沢山の働く人間がいるはずなのに、先程から人っ子一人見当たらない。
そんな本来有り得ないはずの雰囲気を醸し出す城内を歩き回ること数十分。
ようやく目当ての物を見つけた。
私は探していたものは、一見周りと同化している綺麗な壁だった。しかし、魔法の才能がある人が見ればそこに微かな違和感を感じられたことだろう。
私達の首にかけられていた服従の魔法よりも巧妙に隠された魔法、周りと同化している白い壁にはびっしりと何十にも蔦の文様が重ね描けられていた。
この文様、あの服従の魔法みたいに禍々しさは感じられないね。むしろ、何かから守っているみたいな雰囲気がする。
そうかしら…。私には、相変わらず禍々しいモノに感じられるのですけれど。
それはきっと無闇に近寄らない様に、警戒心を抱かせるような物がかかっているんだよ。毒を持って毒を制するって奴さ。
微妙に間違っているような気もしますけど、…なんとなく分かりましたわ。それでアルゼ、この壁開けて仕舞いますの?
うん。宝石や金といった感じの物では無いかもしれないけど…。面白そうだから開けてみよう。
好奇心猫を殺すと言いますわよ…。まあ、あえて反対は致しませんが。
壁の前でしばし黙考した後、私は手を伸ばし禍々しい蔦の文様にそっと触れた。
何本も絡み合った蔦は複雑な術式と化しており、先ほどの様にただ『解呪』をかければ済むという訳にはいかない。
よく見て理解し、その上で剥がしとる。
「魔法よ魔法…。僕が一糸纏わぬ裸にしてあげよう、くふふ」
『解析』
そのおっさんと、どこぞの魔女の言葉を混ぜたような珍妙なセリフはやめてもらえませんこと!
豚聖王国ミートファリアが氷撃の華の下に終を迎えていた頃、何も内壁をサワサワしながら高笑いしている奇妙な少女が目撃されたとかされてないとか…。
当時の王城には、ある目的の為にほとんど人がいなかった為。それが、事実であるかどうかはわかっていない。
しかし、王城に住む者達に語る継がれているフェリア城七不思議には、確かに「夜な夜な壁をサワサワしながらくふふと笑う奇妙な少女」の伝説が残っているのだった。
ちなみに
フェリア城七不思議①
「氷の華を持って微笑む美しい死神」ww
彼女に出会ってしまうと、例外なく氷柩に閉じ込められてしまう…。だそうです。
それでは次回予告( ^∀^)ノ
(ΦωΦ)「フフフ…よく来たな!この時をどれほど待ちわびたか!」
アルゼンテに襲いかかる怪しい影!封印されし扉の向こうでは何が待っているのか!
その正体は…。
アルゼンテvs?????をお送りいたしますww。