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召喚と豚

どんどんいくお~(ノ゜ο゜)ノ オオォォォ-

ふうまたんの異世界氷結記!

「……お前に世界の半分をやろう!」


…それが玉座にふんぞり返って僕らを見下ろしていた王様っぽい人の、最後の言葉でした―――。


…はい、どうしました?展開がわからない?

何を言っているのですか。僕らが召喚された後の展開なんて至極単純ですよ。




「ふははははは!よくぞ我が前に現れた勇者よ!」


僕らを召喚したらしい綺麗な女性の後ろで、玉座に偉そうに座っている人が戯言を吐いています。


よくぞ我が前に現れたな?…お前が呼んだんだろ!

高笑い!?どこの悪役だ!

勇者だと!?僕は魔法使いだ!!!!


「お前たちが現れたなら安心だ!世界は救われたぞ!」


いきなりな事に少々放心している僕らを置いてきぼりに、玉座に座っている…。というか、よしかかっている人らしき物がつばを飛ばしている。


安心だと!こいつは今僕に殺されるという可能性を考えてないのか!?馬鹿なのか!

世界が救われた?

巫山戯るな!子供を二人召喚したくらいで何いい気になってやがる!


「我々の世界に魔王が現れて幾創世!この時、この瞬間をどれほど待ちわびたことか!


…さあ、異世界より召喚されし勇者よ。ゆけ!進め!そなたの眼前に立ちふさがる全ての敵を!全ての魔物を!全ての魔族を!そして魔王を!ついでに隣の国を!


叩き潰すのだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


ヒートアップするセリフとともに、よろよろと玉座から立ち上がった人型の豚は…。ブヒブヒと人語らしきものを喋りながら。

自らのセリフに酔った様に頬を真っ赤にしてまくし立てている。


何かもう…。いろいろ突っ込むのも面倒になってきたんだけど。とりあえず豚様らしき人…。

周りの兵士さんたちもドン引きしていることに気がつこうぜ…。


お前のセリフ聞いてんの…。お前の隣に座ってる豚族二匹だけだから…。

とりあえず…話が通じそうな目の前の美人さんに聞いてみようと思うんだ…。だって、魔王が現れて王様が豚だろ?

きっとこれはあれだよな!


「ねえ、お姉ーさん」


「ふえ…?は、はい。なんでしょうか?」


話しかけられるとは思って居なかったのか、目の前で暗い顔して祈るような格好を続けていたお姉ーさんが驚いたように返事をしてきた。


彼女の後ろでは、相変わらず豚がブヒブヒなにか言っているが…。僕は豚語はちょっと…。


「聞いてもいいかな?」


「…はい?」


「この世界に魔王がいるって話だけどさ…?ここの王族って魔王に呪いでもかけられたの?」


「へ?いえ、王様、女王様、王女様。皆健康そのものですが…」


彼女の言葉を聞いて今度は僕が驚いた声を上げてしまった。何やらお姉ーさんの後ろでブヒブヒ言っていたミートの怒りが頂点に達し、叫び散らそうと人呼吸おいた空白の時間。


「え…本当に?王族ぽいのがブヒブヒ言ってるから…。悪い魔王に豚になる呪いでもかけられのたかと思った…」


一瞬だけ微妙な間とともに静まり返った空間に、僕の声は静かに響き渡ってしまった。


「「「…………」」」


口をポカンと開けたまま静まり返る謁見の間。徐々に顔が赤くなっていく豚。そして、今まで僕の後ろにボウっとたってた少女が僕の首元に手を当ててなにか呪文を唱えた。


解呪ディスペル


時々というか…。常に謎な行動をする幼馴染の少女。

彼女の小さな呟きとともに、体が軽くなったような感覚が僕の体を包み…、目の前のお姉ーさんが驚いたように目を見開く。


「…ぜ、なぜ、魔法が…」


お姉ーさんの言葉は、それよりでかい鳴き声でかき消される。


『命令だ!召喚されし奴隷ども!さっさと城から出て魔王と周辺諸国を滅ぼしてこい!!』


普通の言葉ではない。王の威厳や威圧感があるわけではないが、逆らってはいけないような…。そんな、魔力を感じる言葉。

もしかして、先ほどまでの僕。気を聞かせてくれた幼馴染が解呪をかけてくれなければ無意識に従ってしまっていたかもしれない。


まあ、おかげで理解した。


この豚はクズ。俺達は召喚された。その時に、奴隷契約の魔法でもかけられていいたのかもしれない。そして、この豚は馬鹿。

もしかしたら、僕らがどんな世界から召喚されたのか知っていたのかもしれない。魔法の使えない…、僕らに服従の魔法をかけてしまえば解呪するすべもなく、戦うだけの木偶になる都合の良い存在を召喚したつもりだったのだろう…。


そんなおバカさんには、僕なりにカッコを付けて幕を引いてあげよう―――。




「残念だったね…。お前たちは勇者という召喚システムに慣れすぎたみたいだ…」


父親に似たボーイソプラノが染み込むように謁見の間に広がって行く。


「確かに僕らは魔法を使えない…。服従の呪文さえかけてしまえば、こんな堂々と王の前で…、失礼いい間違えた。豚の前で召喚しても問題は起きなかっただろう」


いつの間にか、目の前にいたはずのお姉ーさんは、僕らに向けて剣を構えた兵士たちの後ろに庇われる様に隠れていた。


「でもね…。昨日まで魔法が使えなくても今日が使えないと限らない。現実で魔法が使えなくても思いの中で魔法が使えないとは限らない。魔法が使えない世界の住人を呼んだとしても…。


―――全ての人間が魔法を使えないとは限らない!」


お姉ーさんに罪があるかどうかはわからないけど…。まあ、怒りをぶつける対象ならば目の間に好都合なのが三匹ほどブヒブヒ言っている。


「それにね…。僕らが勇者とも限らないだろ…?」


「な、何を言っておる!我々は勇者の召喚を行ったのだ!召喚されたのは勿論勇者であるし…。そして、我々の命令にも絶対服従なのだ!


さあ、行けと言っておるだろう!小娘・・!我らのために命を燃やすのだぁぁ!」



その瞬間…―――。世界が凍る音が聞こえた…。


凍れ!凍れ!凍れ!(ノ゜ο゜)ノ 

さて、最初の犠牲者は哀れなポークでございます!


次話は、キレるふうまたんとしどろもどろな哀れなポーク。を放送するお!

乞うご期待!


※ジャンルが文学になっていたのでファンタジー?に変更

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