半日の終わり、非日常の加速
誤字脱字、意味不明な表現ありますがご了承ください。
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ク「毎回毎回、これだけしか前書きが無いのも寂しいし、何より私が見てて気に食わないから今回からこの私、五月雨 クリルが前書きのコーナーを乗っ取っちゃいました~。」
仙「・・・クリル何が気に食わないんだ?」
ク「ッ!?ここは私のテリトリーさね!仙人はすっこんでろ!」
仙「突如やって来て、いきなり縄張り宣言!?」
ク「そもそも一カ月で一回の投稿の予定のはずなのに何で掲載日がバラバラさね!?作者やる気あるさね?」
仙「あ~。俺の話はスルーしちゃうのね・・・。まぁ一カ月で一回の投稿はあくまで目標であって、必ずしもそうなるって事はないんだよ。」
ク「うわ~、当選した直後にマニフェスト破る、どっかの議員さんみたいな言い訳さね・・・。」
仙「こらこら。まぁ予定より掲載が早まったのは、学生さんな作者がテスト勉強やら、検定勉強を見越して、これくらいの期間があれば、勉強しながらでも投稿できるかなと思った期限を軽くクリアしたってことだよ。」
ク「つまりあれさね?作者はまったく勉強もせずに小説を書き続けたが故に早く掲載できたって事さね?」
仙「まぁそういうことかな・・・。」
ク「・・・やる気あるさね?」
仙「ある意味・・・あるんじゃね?」
ク「誤字脱字や意味不明な表現があるのが納得できるさね。」
仙「まぁ、早いに越した事は無いと俺は思うぞ?」
ク「それもそうさね。」
仙「まあそんな感じで、知識不足な作者ですが本文をお楽しみ下さい。」
ク「貴方、今回出番あったさね?」
「つまり君には死んでもらうって事よ、クリル君。」
仙人をクリル君と呼んだ少女は勢いよく袋をはがし、その身長並みの大きさの銃、バレットM82を突きつけた。
「っへ?ミニマム?」
まだ頭の整理がうまくできていない状態で少女はバレットM82を仙人に向けて撃った。
弾丸は仙人の顔面すれすれを通り過ぎていき、轟音とともに横にあった自販機に大きな風穴をあけた。
「のわっ!?」
仙人はその勢いで盛大に後ろへ吹き飛ばされる。その時背中と頭を打ち付け、激痛が走る。
激痛で顔をしかめる仙人を見て少女は楽しげに笑う。そして少女は銃を撫でながら自慢げに説明を始める。
「バレットM82、全長1447.8mm、重量12.9kg・・・まあマズルブレーキは邪魔だから取っ払ったし、もうちょっと軽いかな。まあ反動なんて私にはあって無いようなものだし、煙で前見えなくならずに済むしまさに一石二鳥・・・・って!ちょっと何逃げてんのよ!」
(説明?んなもん知ったことじゃない!そんなの聞いてたら確実に俺はお陀仏だ!)
仙人はジュースを持ったまま全速力で逃げだした。仙人は遮蔽物を使って弾丸をくらわないように違法駐車中の車を盾にする。
「へ~、私の話を聞く気は全くないのね・・・あっそ・・・。」
少女は苛立ちながら片手で狙いを定める。
「ヤバイヤバイヤバイィィ!」
身の危険を感じた仙人はとっさに盾にしていた車から今度は、道幅の狭い路地裏へ飛び込む。
仙人が道の細い路地裏へ駆け出すのと同時に、車が爆発、そして炎上した。
間一髪、爆発から逃れた仙人はそのまま路地裏へ逃げ込んだ。
「あれぇ~?まだくたばってなかったんだ~。やるねぇ~。それともただのマグレかな、クリル君。」
少女はリロードを行いながら、仙人の逃げた路地裏の方へ追いかけていく。散乱していたはずの空薬莢はいつの間にか消えていた。
笹が風に揺れてサワサワと靡く人気のまったく無い竹林。光が隙間から照りつけ、幻想的な雰囲気がある。そこに銀髪で仮面のような眼帯をした少女。五月雨 クリルがいた。彼女の前には、二つの御墓がある。
「・・・まさかもう一度此処へ来れるとはね・・・何があるか分からないもんさね。」
クリルは墓石を手で舐めるように撫でる。しかし突然その手がピクリとも動かなくなる。
「・・・一体何の用さね・・・否、もう聞く必要はないか・・・」
クリルは振り向かないまま、静かに、そしてはき捨てるように言ったあと、溜息をつきながら魔方陣を出現させ、小太刀を二本取り出す。
しばらくすると竹林の奥から2m越えの、顔中に傷がある大男が現れた。クリルはそれを見て顔をしかめる。
「っ!?ジーク・・・。」
「久しぶりだな、五月雨 クリル・・・鉄の処女と畏れられた貴様がまさか組織を裏切った挙句、『元』魔王と行動を共にするとはな・・・。一体どういうつもりだ?」
クリルは小太刀を握ったまま髪をくるくるいじりだす。
「別に、貴方らの計画の馬鹿馬鹿しさに嫌気がさしただけさね。妖力を持っている人間をすべて殺して魔族を弱体化させる?それは一体何年、年十年、年百年すれば妖力を持った『人間』は滅ぼせるさね?そしてそんな事をして一体どれくらいの人を殺す気さね?そしてそれで本当に魔族は滅ぼせるね?・・・もう少しまともな考えは思いつかなかったの!?ジーク!」
クリルは牙をむき出しにして、ジークと呼んだ男を睨みつける。
男はこれに全く動じず、静かにクリルを見据えたまま
「・・・では貴様は他に考えがあるとでも?」
「そんな狂気の極みみたいな考えに比べりゃ何千、何万とあるさね。」
「ふむ・・・では貴様が『元』魔王と行動を共にすることは果たして正常と呼べるのか?」
「まったくもって異常さね。これもまた狂気の極み・・・でも・・・」
クリルは一呼吸置き、小太刀を十字に構える。
「・・・でも貴方らみたいに考え方の芯からずれた覚えはないさね。私の目的はあくまで今の魔族を滅ぼす事さね。人間を滅ぼすのではなくてね。」
それを聞いて男は笑った。
「それが貴様の目的か、妖怪に身を堕としておいて、何を御大層に。自分はまだ正義の味方でいる気か?」
それを聞いて今度はクリルが口を歪ませて、嗤う。邪悪な笑みとともに、魔方陣がクリルを包む。
「はぃ?セイギノミカタ?何それ?いつ私がそんな御大層な事を言ったさね?私はただ貴方らみたいな自分勝手な理由で方針転換して、魔族と一緒に人間襲うような屑共が気に食わないだけさね。」
「貴様一人でどうにかできると思うか。」
「貴方、自分が最初に言ったこと忘れてる?いつから一人になったさね?」
クリルは口の端を吊り上げたまま更に嗤う。
「・・・」
「お話は終わり、上から言われて処分しに来たんでしょ?どれだけでも相手してやるさね。」
クリルの周りに出現していた魔方陣はさらに広がる。
男は腰に右手をかけコルトM1911 ガバメントを取り出し、構える。そして左手でサバイバルナイフを握る
「相変わらずちゃっちい武器さね。」
「・・・っふ。」
男は静かに笑みを浮かべるとクリルに向かって45ACP弾を放った。
遡ること少し前・・・
「ん?今なんか爆発音みたいなの聞こえてこなかった?」
「確かに聞こえましたけど。」
「どっかで花火でもやってんのか?」
「それはないでしょう、佐藤・・・。」
仙人にジュースを買いに行かせてもトランプを続行する3人。
3人は、仙人がバカでかい銃を軽々振りまわし、周りの物を容赦なくぶっ壊しながらキャンディ舐めている少女に追われている事を知らない。
「お~いおいおいおい。何やら佐藤が言った事、満更冗談でもないぞ。どこぞの誰かさんが盛大に花火を打ち上げやがった。」
禁煙用パイポを加えた学級委員長、佐久間 藍は窓越しから遠くで炎上している車を指さす。
「あらら・・・随分派手にやってますね~。」
変態紳士な五十嵐 靖人は席に座ったまま、体だけを窓へ向けそれを確認する。
「・・・・ん?何あれ!?なんか変なのいる!てかこっち飛んできたぁぁぁぁ!」
遠くで炎上している車をぼんやり眺めていた学級委員長はこちらに向かって一直線に飛んでくる物体を見て叫ぶ。
「変なの?・・・・って!?」
「どぉぉぉぉぉぉぉりゃぁぁぁぁあああああああああああああああああ!?っぶっふぉぉぉおおおおお!!!!」
「「!?」」
驚く三人の視線の先には窓にベッチョリと張り付いた魔王ウランの姿が・・・ウランは背中にリュックを担いでおり、中に空薬莢を満載にさせていた。藍はあまりの突然の出来事に禁煙用パイポをポトリと口から床に落とす。
「今朝喫茶店にいたあのフクロウ!」
「クリルさんが肩に担いでいたフクロウですよ!」
「んな事よりどうするのこれ?放っとく?」
「さすがにそれはできないでしょう・・・。」
藍はウランが張り付いている窓の隣の窓を開け、ウランを鷲掴みにし、教室に投げ込む。
ウランは教室に投げ込まれ、数回バウンドすると机に衝突し止まる。
「おおぅ・・・まさか窓ガラスに激突するとは、我ながら不覚。」
(喋ってるし・・・。)
藍は当然の疑問を抱くが、口に出さないことにする。もともと鬼灯の周りには変わった人たちが多い、今更喋るフクロウがいたところでおかしくないと、自分に言い聞かせたのだ。
「ん~?お前は仙人と一緒にいた・・・ピザ?。」
「それは俺が今朝食ってたものだろう!佐藤だ!さ・と・う!」
(砂糖・・・)
ウランは全然方向違いな解釈をして、キョロキョロと周りを見回す。
「おい砂糖、仙人のバックを知らないか?正確にはバックに入っているはずの小太刀。」
「あぁ、あれか。」
佐藤は今朝、学校に侵入するために使った小太刀を仙人のバックから取り出し、ウランに渡す。
「そもそもなんで刀なんか仙人に渡したんだ?銃刀法違反だろ?」
「まあいろいろとあんだよ、いろいろと。」
ウランは小太刀を受け取ると、ニヤリと笑いさっき来た窓から飛んでいった。
藍はウランが窓ガラス衝突の際に落としていった空薬莢を拾い上げ、それを眺める。
「鳥って光り物集めるって聞いたけど、こんなものも集めるんだね。もしかしてあの刀も?」
「「・・・」」
藍の冗談で言っているのか本気で言っているのか分からない発言に二人はただ黙るしかなかった。
「チイィィィィィィィ」
「っな!?」
人気がまったく無いことを良い事に、周囲の竹を粉砕し、銃弾や小太刀の雨を降らせる人間と元人間。
クリルは肩と腹部から血をタラタラと流しながら、グルルルと獣のような唸り声をあげる。
一方、男はまったく無傷なのだがその表情は驚愕で満ちており、顔が青ざめている。
「まさか、弾丸を斬るにとどまらず銜えてしまうとはな・・・とうとう本物の化け物だな。」
クリルはペッと弾丸を吐き出すと、魔方陣から大量の小太刀を出現させてそれを男に投げつける。
小太刀は一直線に男に向かっていく。弾丸にも劣らないのではと思う程の速度だ。
しかし男は小太刀をすべて撃ち落とす。スライドはその際に上がりきった。
「投げた小太刀をすべて撃ち落とすとは・・・貴方も立派な化け物さね。」
クリルは目尻をピクピク震わせながら、更に小太刀を投げつける。
男はそれを横へ回転しながらかわし、そのさいにリロードを行いクリルに向けて銃弾を放つ。
クリルはその銃弾を斬り伏せ、すぐさま匍匐する。
弾丸はクリルの頭上を通過していった。
クリルはすぐさま立ち上がり、相手がリロードする前に一気に駆けだした・・・だが。
「っ!?うぐぅっ!?あぁぁぁぁぁぁ!!」
クリルは悲鳴を上げながら前のめりに倒れこんだ。
クリルが太股の方に目をやると、そこにはサバイバルナイフが突き刺さっていた。
「飛び道具は銃だけに限らんぞ。それは貴様が一番よく知っているはず。」
男は銃のリロードを行いながらゆっくりと近づいてくる。その際男は特注のドラムマガジンを装着する。
クリルはふらふらと片脚を押さえながら立ち上がり、小太刀で男の首元に突きを放つ。
「遅いっ!」
男は小太刀を腕を振るい、ガバメントを当てて払いのける。そのまま男はクリルめがけて強烈な蹴りを放つ。
「っがぁぁぁぁ!」
蹴りは顔面に直撃し、クリルは後ろへ吹っ飛ばされる。飛ばされた先には御墓があり、そこにクリルは頭から激突する。
男はさらにそこへ弾丸の雨を降らせる。
「妖力が尽きかけているな鉄の処女。動きがだいぶ鈍くなっている。」
「・・・今更さね?」
髪を赤黒く染め、体中を穴だらけにしたにも関わらず、クリルはケロッとした表情で起き上がる。
「それともあれかな?貴方がこの私と互角以上の戦いができるのは自分が強くなったからだと思い込んでるさね?」
クリルは太股に刺さっているナイフを抜き取り、それを男に投げつける。
男はそれを銃で撃ち落とし、クリルに狙いを定める。
「どちらにせよ、貴様はもう終わりだ。」
「あぅ、見事なまでの死亡フラグさね。私が完全に死ぬまでそんなセリフ言っちゃいけないんだ~。」
クリルは魔方陣を出現させ、小太刀を一本取り出す。
「死亡フラグをたてちゃった人の末路は火を見るより明らかさね。それを今から体験してもらうさね。」
クリルは小太刀の刀身を口に入れる。
「それは・・・ッッ!。」
男は直感的に何かを感じ、弾幕を張る。
しかし、その直後にはそれを上回る数の小太刀が飛んできた。
「っぐ!」
小太刀の何本かは避けることも撃ち落とすこともできず、男に突き刺さる。
そのまま男は仰向けに倒れる。
「妖力が尽きかけて戦ってられるって事は、妖力が回復すればもうお話にならないさね。」
クリルは男に跨り、首元に小太刀を突き立てる。
「・・・貴様、小太刀に妖力をため込んでいたのか!?」
男は銃を撃とうとするが、クリルに払いのけられてしまう。
「生憎答える義理は無いさね。」
「王手。」
クリルは小太刀を振り上げる。
「だと思うか!?」
男はクリルの額に隠し持っていた予備の銃を突きつける。
「隠し持ってたさね!?」
「生憎答える義理はない。」
男は撃った。弾丸はクリルの額を貫き、クリルはそのまま後ろへ倒れる。しばらくピクピクと痙攣のような動きをした後、クリルは動かなくなった。
「こんな銃が役に立つとは・・・。」
男は予備の銃、FP―45リベレーターを投げ捨てた。
「・・・しかしあの少年の妖力がこれ程とは・・・正直期待以上だ。これから先がおもしろくなりそうだ。」
男はガバメントを拾い上げ、竹林の奥深くへ消えていった。