夏の俳句②(2022)
『矢折れ尽き 蚯蚓焼けたる アスファルト』
幼い頃、いつも不思議に思っていたのです。
夏になると道路にたくさん落ちている細くて短い紐は何?
紐の正体が蚯蚓の死骸だと気づいてからも不思議でした。
蚯蚓にとって住みやすそうな野原や畑から、どうしてこんなジリジリと焼けるアスファルトの上に出て来たの?
どこに行って何をしようとしていたの?
どうしてこんなカラカラに干からびた紐みたいになって死んでしまったの?
帰らなかったの?
帰れなかったの?
これが1匹や2匹じゃないのです。
力尽きたように、そこにもここにも重なって、まさに死屍累々と続く道。
まるで合戦のあとのよう。
さらされた骸達は、やがて雨に流され新たな命の糧になるのでしょうか。
合掌。
『敗けた日は 手花火煙し 泣くも良し』
コンビニの帰りに見かけた手持ち花火をしている家族。
通りすぎる時、すすり泣く声がしました。
男の子が1人、家族に背中を向けて泣いているように見えます。
何があったのでしょう。
叱られたのかな?
それとも……
ちょっと想像して見ました。