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チサと大奥  作者: 五木カフィ
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題名のない物語 終わり

それから半年後 チサは枯れ葉の舞い散る庭を見ていた。

愛姫はすっかり子供らしくなって 父上 母上はもちろん兄君

竹千代の事を兄上と呼んで 彼を歓喜させた。

今 この人の気のない晩秋の夕べ チサは初めてこの世界に来て

向かえた雪の正月を思っていた。



あの時は雪が散っていた。

突然引き裂かれた家族の一人一人を思い浮かべ 涙したあの日

当時 梅山の部屋の庭の奥 この世界に放り出された場所に行った事も

懐かしく思い出す。



(お母さん) チサは心で呼びかける。

(お父さん お姉ちゃん 私は 鈴木チサは過去の世界で娘の母になりました。

(お母さん 愛姫という名前なんですよ。 私だけは愛ちゃんと呼ぶ時もありますが、、

 可愛い娘です。私とは段違いに美人なのですよ。

 皆さんに家族の皆さんに見せて上げたい)

いつしか頬は涙で濡れていた。



(でも私はここで  ここで娘を立派に育てます。

 助けてくれる人がたくさんいます。 そうして私を愛してくれる人も、、、、

 私は娘を守ります二人で守ります)

その時 「母上」 まだ舌足らずな愛姫の声が呼びかけた。

「はい」 チサは涙を拭い優しく答えた。


題名のない物語 終わり。













所変わって ここは中規模の都市のお祭りイベント会場

会場内には 金魚すくいや射的 小さなステージもあって

若い娘4・5人が揃いの衣裳を着て歌っている。

食べ物の屋台もたくさんあり 広場は賑わっていた。



そんな広場の一角に迷路や 昔ながらのお化け屋敷みたいな所もある。

その一つにテント張りのマジック館のような物もあった。

外では魔術師風な装いの品の良い老人が 呼び込みをしていた。

「さぁ お若い方 不思議な体験をして見たくはないですか?

 変わらない日常生活に飽き飽きしている方 おもしろい事 珍しい事など

 試してみたい人はいませんか? 恋人同士でもお友達同士でも

 いいですよ。一度お試しあれ 私と息子が貴方達に珍しい体験をさせて

 上げましょう」と



呼び込みをしているのは あの老人 チサを過去の世界に送ったあの山中老人

ではないか。少し歳は取ったが血色の良い人よさげな物腰

それに四十代と思われる息子と二人で 呼び込みをしていると言う事は

あのテントの中には{オズ} というあの装置があるのでは、、、、、、



そうなのだった。山中老人と息子はあれから{オズ}を改良して小型化

させる事に成功し 野外に持ち出せるようにしたのだ。

ああ 何と言う事を、、、、、

チサという娘を20世紀から放り出したのに懲りず

またもや新しい実験者を探していたのだ



「何か おもしろそうじゃない?」

その時 四人連れの高校生らしき男女の若者達が寄って行く。

満面の笑みで迎える二人

危ない 危ない  皆さん 怪しいテントを見ても近寄ってはいけません。


本当の終わり。。。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ああ、終わってしまった。名残惜しいので 子育て編を是非! タイムスリップもので赤ちゃん育て(教育では無く)が出てきた小説はなかなか無いので。 楽しく読ませていただきました。 ありがとうござ…
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