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3、宮廷ビーストテイマーの処刑②

つおい(╹◡╹)


「これはこれは宮廷ビーストテイマー様………失礼、今は元宮廷ビーストテイマー様か!!!、そんな泥まみれでよろしいのですか?、人生最後の晴れ舞台、処刑に望まれる格好とは思えませんよ?ーーーーなんてなギャハハ!!!」



「さすがボス、お上品なことでぇ」


「それよりお前ら聞いてたか?、馬車内のこいつの台詞『………なぁーに弱気になってんだ俺は、宮廷テイマークビになっただけで別に死んだわけじゃないし、アイツが死ぬところなんて想像もつかねぇ…………お互いが生きてるなら…………きっとどこかでまた会える筈だ………だからその時聞いてみよう………時効ってことで教えてくれるかも………そう考えると再会が待ち遠しいぜ……』……だってよ!!!?ウケルーーー!!!」


「ククク、まさか用心のつもりで盗聴魔法を使ってたが、ここまで楽しめるとはな」


「ッッーーーー」



………おそらく大臣に俺の暗殺を命じられた盗賊に囲まれる。


しかも、全員馬に乗っていて走って逃げたところですぐ追い付かれてしまう、絶体絶命だ。


(………まずいなんとかして逃げないと……そ、そうだ!!)


俺は脳裏に思い浮かんだ策に自分の命を、命運を賭ける。


「くらえ!!!」


「ギャッーーー」


油断しまくっている盗賊の一人の顔に泥を投げつけ、その間に馬上から蹴落として、代わりに馬に跨り、逃げるための足を確保する。


「は、馬鹿が、その馬はかなりの暴れ馬で今日初乗りした奴に従うかってんだ」


「ーーー我は契る仮面の主人『動物仮契約(ビーストライアル)』ーーー走れ!!」



「な、なに?!!ば、馬鹿な!!!」


リーダー格らしき男が無駄な足掻きだと言わんばかりに嘲笑するのを尻目に俺は口早に詠唱を済ませ、ビーストテイマーのスキルを使い、馬と簡易契約をする。


契約後、即馬を全速力で走らせる、暴れ馬が初乗りの俺の言うことを聞いている事に驚きを隠せないリーダー格の男。


「な、何ボケっとしてやがるテメェら!!、早く追え!!、仕留め損なったら宮廷住まいの話が水の泡だ!!!」


「へ、へいボス!!」


「逃すか!!!」


驚愕の束の間、彼らは慌てて俺を追ってくる。


…………出来ればそのまま呆けていてほしかったが、そうは問屋は卸さない。


追い込み漁の如く、包囲されかける、最弱職のビーストテイマーが十数人相手勝ち目はない、どう戦っても負けるだろう、それが単純な戦闘ならば……の話だが。


だが、これは戦闘とは違う、彼らの勝利条件は俺を殺す事だが、俺の勝利条件は逃げ切れればそれでいい、捕まったら殺される追いかけっこというだけだ。


奴らは三つミスを犯した。


一つ、ビーストテイマーを襲う自分達の移動手段に動物を用意した事。


二つ、油断せず、無駄なことはせず、とっとと殺さなかったこと。


三つ、最弱職ビーストテイマーの中で、世界最強である俺に動物レースを挑んだ事だ。



「我紡ぐ獣の足袋ーーー『動物速度強化(ビーストアクセル)!!!』、我紡ぐ獣の斧ーー『動物筋力強化(ビーストパワード)!!!』我紡ぐ獣の望遠鏡ーー『動物視力強化(ビーストレンズ)』!!!』、我繋げる獣の第六感『獣共感覚(ビースタジア)!!!』」


「ば、馬鹿な!!あれだけのスキルを連続かつ高速で発動するだと!!?」


走ってる最中、出来るだけの強化を馬に施す、リーダー格の男はまたもや驚愕に目を剥く。


(フフフフ、なんで俺が最強って言い切れるのか、それはな………ビーストテイマーなんてゴミ職業になる奴は殆どいないし、いても俺クラスまでレベルの高い奴にあったことがないからだ!!!!、このクソ雑魚、ゴミ職業を俺以上に育てる酔狂なやつなんていない!!断言できる!!)



「ハッーーー、盗賊のゴロツキどもがついて来れるならついて来やがれ!!、俺は(自称)世界最強のビーストテイマーだ!!」


「だ、ダメですボス、追いつけません!!あいつの馬恐ろしく速いです!!」


「だったら撃ち抜け!!魔法でも弓でも、なんでもいいからアイツを止めろ!!」


槍、剣、矢、魔法、玉石混合、様々な凶器が、俺の命を奪わんと迫ってくる。


しかし俺は避けて、避けて、避けて、避けて、避ける、一発でも当たったらアウト、ジ・エンド。


「な、なんだコイツ!、なんで斜め後ろから撃ってる俺たちの攻撃を躱せるんだ!!」


「ぜ、全部躱してる……マグレじゃねぇ……」


さっき馬と動物共感覚(ビースタジア)したからな、馬の視界を覗けるのだ、馬の視界は真後ろを除いてほぼ360°、殆ど死角はない。



さらにその真後ろも速度がこちらの方が早いのでアイツらは追い縋るのがやっとで真後ろにくっつくとかそんな余裕もない。


「これならなんとか逃げ切れるーーーッッーーガハッ!!!?」


逃げ切れる微かな希望にほんの少し気を緩めた瞬間、運悪く死角に入ってしまった魔法弾に胸を貫かれる俺。


そのまま近くの川へと馬と一緒に落とされ、そこで俺の意識はブラックアウトした。

つおい(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾

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