表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
92/99

第92話 最強魔法と崩壊した大門


撤退は速やかに行われ、

大門の前に集まっていた騎士たちは、

大門全体が見渡せるほどの距離の丘に

退避を完了させていた。


指示を出したボルド王本人は、

緊張した面持ちで大門を見つめている。


そんな王に、バロンが叫ぶ。


「おい、ボルド王!どういう事だ!」


ボルド王はその言葉に反応し、

バロンを見たあと言葉を漏らした。


「・・・俺にも分からん。ただ指示に従ったまでだ」


「指示って・・・誰が」


「分かるだろ?お前らの団長さんだよ」


その言葉に今度はバロンが身を固くした。


ボルド王は、そこで初めて表情を崩す。

強ばった表情から一変、後悔と期待と、

感情の入り交じった複雑な表情になった。

ボルド王が初めて見せた弱気な姿であった。


「・・・お前らだけには言うが。俺の判断は王として間違っていたかも知れない。自分の直感に大勢の命を懸けちまった」


「・・・直感?」


バロンは尋ねる。


「・・・分からん。強いて言えばお前らの団長の不思議な気配にさ。本当に勇者だってなら、この状況も救えるかもしれない、そう思った」


そう言って頭を抱えるボルド王。



そんなボルド王に、ヒナタが声をかける。


「安心して」


ヒナタに顔を向けるボルド王。


「ルークは勇者。かならず貴方たちを助ける。信じていい」



そう言い切ったヒナタを見つめるボルド王。

やがて王は諦めたように表情を和らげた。

その表情には笑みが浮かんでいる。



「・・・そうだな。いつまでもグダグダ言っても仕方ない。もしダメだったらよ、俺は腹を切ってあの世で民に詫びることにするぜ」


ボルド王の言葉に、今度はヒナタが笑みを浮かべる。







その時、ヒナタは上空から迫る気配に気が付き顔を上げた。


「なんだ?」


その姿にバロンやボルド王も同時に空を見上げる。


一同が顔を上げたそこには、昼間にも関わらず星が七つ輝いていた。


「・・・星?」


「綺麗、でもなんでこんな時間に・・・・」


ククルがそんな言葉を漏らす。

星は青白く輝き、

どんどん大きくなっていく。



「お、おいあれヤバくないか?落ちてきてんぞ」


異変に気が付いたバロンが言う。


「あれは星じゃない!全員、伏せろ!!」


ボルド王が叫ぶと同時に、

遥か上空から降り注いだ七つの()()

ボルドの大門へと着弾した。


鳴り響く轟音。

地響き。

同時に地面が激しく揺れた。



とてつもない質量を持った隕石が、

常軌を逸した速度で大門に衝突した。



その衝撃で壁は破壊され、

周囲の城壁が崩れ落ちる。


それが同時に7ヶ所。


それぞれの地点での崩落は、

やがてひとつの大きな崩落へと変化し、

土煙と轟音と共に次々と壁が壊れていく。



ボルド王たちは、その光景を唖然として

見つめるしか出来なかった。


数百年ボルドを守る絶対硬固の城壁が、

一瞬のうちにその姿を瓦礫の山に変えたのであった。




・・・

・・



『ルーク君!気を確かに!』


テレシアの叫び声が耳元で聞こえて、

俺は意識を繋ぎ止める。


<七曜>を発動した瞬間、

全身から一気に魔力を失い、

気を失いそうになったのだ。


「ぐ、これはキツい・・・」


『崩落、始まっています!次の魔法を!』


テレシアの言葉に、大門の方を見る。

そこには次々と城壁が崩れ落ちる光景があった。


そうだ。

ここで止まれば、大門の崩落により被害が出てしまう。


俺は再び意識を集中する。


『探知は完了しています!城壁の崩落範囲上にいる人間は46名!残存魔力での救出が可能です!』


テレシアの言葉が響く。

周囲に漂っていた濃密な魔力が、

再び俺に集束する。


「よし、いけるぞ。・・・テレシア」


『今です!発動してください』



俺は脳裏に浮かぶ魔法名を唱えた。




<強制転移>




それと同時に、俺の意識はブツリと途絶えた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ