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第76話 最強魔法と赤い波動


「な、なんだ!」


突然の魔物の咆哮に、慌てる4人。

部屋の外から村長が飛び込んできた。


「王!これはあの魔物の鳴き声でございます!お逃げください!」


その言葉にボルド王は、真っ先に外に飛び出していった。

バロン、ククルも慌てて後を追う。


「テレシア!お前はここに居ろ!」


バロンが非戦闘員のテレシアに声をかける。


「わ、分かりました。気を付けてください!」


テレシアはバロンとククルを見送る。


「ルーク君に・・・知らせないと・・・」


誰も居なくなった部屋でテレシアが呟いた。





村の外は、いつの間にか曇天に変わっており

昼だと言うのに薄暗くなっていた。



「くそ!気味悪ぃ空だぜ!」


バロンが叫ぶ。

先に飛び出した王の姿を探すと、

村の入り口に向かい駆けていた。

国王とは思えぬ速さだ。


「お待ちください!王!」


ククルが叫ぶが、

ボルド王は振り返えらない。

二人も慌ててその後を追った。




村の入り口には一人の男が立っていた。

長身の痩せた体躯で魔導師のローブを羽織っており、

まるで枯木を思わせるような男であった。

ボルド王はその男の前に足を止めており、

ちょうど村を背負うような位置であった。


ようやくバロンとククルが追い付いた時、

枯木の男が口を開いた。


「これはこれはボルド王。お初にお目にかかります」


拍子抜けするような穏やかな声に、

バロンとククルは逆に寒気がする。


「挨拶するならまずはその殺気をなんとかしな、小僧」


「くくく、これはお厳しい」


「お前、どこの者だ?テステフか、ロワールか、それとも他国か?」


「国・・・ククク」


「何がおかしい」


「いえいえ、国などと矮小なものに属していると思われたことが面白かっただけです」


「・・・矮小、だと?」


「ああ、お気に障りましたら謝罪いたします。矮小なる国々を束ねる矮小なる王よ」


枯木の男の挑発に、二人の間にピリリと殺気が走る。


「お前らの目的はなんだ?」


ボルド王が更に質問する。

枯木の男が気味の悪い笑顔で言う。


「悪の組織の目的はいつも同じです。私がここで世界平和とでも言えば我々は友達になれますか?なれないでしょう?そうですよね?そういうものです」


「回りくどいんだよ、はっきり言え」


「ククク、お堅い方だ。だが今から死ぬ者に多くを語っても仕方がないでしょう?」


「なに?」


「貴方はここで死にますよ、ボルド王。ここで、クク、こんな矮小な村で。矮小な王が・・・ククク」


枯木の男は本当におかしいと言った様子で笑い出した。


「さぁ、出ておいでなさい。矮小ではない我が子よ。美味しい美味しいご飯の時間です」


そう言って枯木の男が何かを呟いた瞬間、

枯木の男が立つ地面がふくれ始めた。


「王!下がってください!」


ククルとバロンが王を庇う。

その瞬間、大地が大きく割れそこから何かが飛び出してきた。


「グキュルルアアアアアアアアアン!!!」


地面の中から現れたのは、数十メートルはあるであろう巨大な赤い蛇であった。


「ククククク!アルバよ!さぁ好きなだけ暴れてきなさい」


枯木の男はそう言うと黒い魔法の光に包まれその姿を消した。


「くっ、待ちやがれ!」


ボルド王が叫ぶが、その声は枯木の男には届かない。


「王!危険です」


ククルが叫ぶ。

目の前には大蛇がシュルシュルと鳴きながらうごめいていた。


「これが・・・アルバ」


「・・・でかすぎんぞ」


バロンとククルは目の前の巨大過ぎる魔物に思考停止していた。

そんな中、ボルド王だけは冷静に状況を分析していた。


「おい、二人とも、至急村に戻って村人を避難させろ」


「し、しかし・・・」


「早くしろ、一人でも多く逃がすんだ。こいつは恐らく俺を狙う」


「ボルド王、そりゃ危険だ!」


「危険どころじゃない、本気でヤバイさ。だがここはこれしかない、わかるだろ。急げ」


冷静且つ的確な指示に、思わず身体が動く。

バロンとククルは村に向かい走り出した。


「・・・よーしよし、頼むぜ」


ボルド王はそんな二人の姿を見送る。


「さて後は・・・」


振り返ると目の前には小さな山ほどはあろうかと言う大蛇が、

赤い瞳を鼓動させながらボルド王を見ていた。


「・・・デカブツが、国を舐めるなよ」


そうボルド王が呟いた瞬間、

とてつもない魔力が大蛇に集約される。

それに伴い周囲の草花や、家々の外壁が朽ちていく。



「くっ」


ボルド王が剣を抜く。

しかしそんな圧倒的な捕食者の前に、

ボルド王の剣は何の意味もなさなかった。




「ギャルルルルルアアオオオオオオオオオオオオオンン!!!!!!!」



耳を裂くようなアルバの彷徨が響き、

次の瞬間、世界が赤く染まった。


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