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第74話 最強魔法と青い懐刀


俺とヒナタが近距離戦闘し、

交互に入れ替わりながら魔法を放つ。

モルドレッドは中距離以上から、

火力を重視した魔法を連発する。


俺たち3人の連携は飛躍的に向上し、

こういった魔物相手の殲滅せんでは

かなりの効果を発揮するようになってきた。


ヒナタも魔剣を使った戦闘に慣れてきたようで、

今では俺とほぼ変わらない討伐数を稼いでいる。


小規模なスタンピードであったため、

1時間にも満たない戦闘で、鎮圧が出来た。

今回は『主』のような魔物はいなかったようだ。


最後の一頭を切ると、

3人の騎士達が唖然とした顔でこちらを見ていた。

俺は彼らに話しかける。


「大丈夫ですか?」


「あ、あぁ・・・ありがとう助かった。君たちは強いんだな。どちらの騎士団だ?」


「ムートンです。ムートン騎士団。俺は騎士団長のルークです」


「ム、ムートン・・・!噂は聞いていたがそれ以上の力だ。」


俺たちが話をしていると、後ろから声が聞こえる。


「隊長!」


振り返ると先ほど村の入り口で助けた騎士だった。

よく見るとまだ若い騎士のようだ。


「無事だったか!」


騎士達は駆け寄り、お互いの無事を確認する。


「パ、パウロは?あいつはどこに?」


入り口で出会った騎士が周囲を見回す。

確か仲間は5人と言っていたが、ここに居るのは4人。

一人が欠けている。


その質問に、隊長と呼ばれた男が首を振る。


「あいつはダメだった。後で遺品を探してやらねばならん」


「そんな・・・」


入り口で出会った騎士は頭を抱えて踞る。


「・・・申し訳ありません、俺たちがもう少し早く来れたら」


俺は隊長さんに声をかける。


「いや、君たちが謝ることじゃない。こうして我々が生きているのも君たちのお陰だ。本当にありがとう」


隊長さんに続き、残りの騎士達も頭を下げる。


「・・・なぜ、これだけのスタンピードに5人だけで対応を?他に仲間がいるはずでしょう?」


俺は4人に尋ねた。

4人の装備は青いフルプレートメイルで統一されており、

それが一級品のものだということが分かった。

だとすれば、名のある騎士団に違いない。


「その通りだ。実は我々は村民の避難誘導のためだけに残ったのだ。避難が完了次第、本隊を追う手筈になっていたが、運悪くスタンピードが発生してしまった。避難が遅れていた住民達を助けながら戦っていたが、君たちがいなければ我々もすぐにスタンピードに飲み込まれていただろう。」


今回のスタンピードは予兆発生から、

魔物の発生までが恐ろしく早い、無理もないことだと俺は思った。


「本隊はどこに?」


俺の質問に隊長さんがハッとする。


「そ、そうだ。こうしては居られない、我々も早く本隊を追わなくては。本隊はここより北の街に発生した大規模なスタンピード鎮圧のため全速力で北に向かっているのだ。」


「大規模、スタンピードですか・・・?」


「あぁ、今だかつてないほどの規模の予兆が出ているらしく、遂に我らが出陣することになった。それでも戦力的にはかなり厳しいだろう。予兆の規模からの予想では千匹以上の魔物が発生してもおかしくないとの事だ。ゆえに本隊を少しでも先行させるため我らが残ったのだ」


そう言うと隊長は動き出そうとする。

だがその脇腹からはおびただしい血が流れており、

傷が浅くはないことが伺えた。


「ぐっ・・・」


「その傷では無理」


ヒナタが言う。


「だが無理でも行かねばならぬ・・・仲間が待っているのだ」


このままでは隊長さん、死にかねないな。

俺がそう思いヒナタとモルドレッドに視線を向けると、

二人ともなにかを察したように頷いた。

よし決まりだ、話が早くて助かる。


「・・・隊長さんはこの村のケアをお願いします。代わりに加勢には俺たちが向かいます」


隊長さんが驚いたような顔でこちらを見る。


「そ、そんな君たちが・・・確かに我らが向かうよりも戦力的には・・・だが危険だ!」


「はい、分かっています。元よりスタンピードの制圧はこの国の王から賜った俺たちの依頼でもある。必ずや力になってみせますよ」


俺の言葉に、隊長さんが黙る。


「・・・そうか君たちが。我が王がCクラスの騎士団に勅命を与えたと言うのは本当だったのだな。にわかには信じられなかったがこうした状況に直面するとやはり王の目は確かだったと言うことがわかる。」


隊長さんは顔をあげる。

その瞳からは大粒の涙がこぼれていた。


「頼む、ムートン騎士団よ!我が本隊を助けて欲しい。我が友を、戦友達に助力を」


「任せてください」


「これを持っていけ、私の代わりに君たちの力になるだろう」


そう言って隊長さんが俺に渡したのは、小さな青いナイフであった。


「私の名はカリュアド。ラフィット騎士団副団長シャルル・シュバリエの副官を務めている。そのナイフはラフィット騎士団の騎士たる証だ。それを見せればラフィットは君たちを受け入れるだろう」


思わぬ大物の登場に一瞬戸惑ったが、

すぐにそのナイフを受け取り村の出口へ向かう。


ラフィット騎士団。

ボルド王の懐刀たる最強の騎士団を助けるべく、

俺たちは北へと駆けた。

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