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第73話 最強魔法と騎士団の救出



「ルーク殿!ヒナタ殿!前方に魔力の集束を確認、戦闘しているようですぞ!」


全力で駆ける馬上で、モルドレッドが叫ぶ。


「あぁ、見えている!このまま突っ込む!ヒナタ、スピードあげるぞ!」


俺は馬の後ろに乗っているヒナタに声をかけた。

だがそこから帰ってくる声は非常に弱々しいものであった。


「大丈夫・・・早く・・・降りたい、一秒でも早く。」


「おい、吐くなよ!絶対に我慢しろ!」


「・・・努力する」


ヒナタが馬に乗れないのは意外だったが、

この酷い乗り物酔いが原因なら納得だ。

今まで馬車での移動などでも、ひたすら静かに耐えていたのだと言う。

不憫なやつ。


俺たちはボルド王国を駆け回り、

昼夜問わずスタンピードを制圧し続けていた。

正直体力の限界ではあったが、

いまやスタンピードの発生件数は加速度的に増加しており、

休んでいる暇などはなかった。


「すでにスタンピードと騎士団が交戦しているようですぞ!あそこで戦闘が!」


「よし、あの騎士を援護するぞ!」


俺は馬から飛び降りると、

その勢いのままゴブリン達に切りつけた。

一撃でゴブリンの首が飛ぶ。


「き、君は・・・」


ゴブリンと戦っていた騎士が、こちらに気が付く。


「ムートン騎士団です、援護します」


「ム、ムートンまさか君たちがここ数日でスタンピードをいくつも鎮圧していると言う・・・」


騎士が驚きの表情を見せる。

すでに噂になりつつあるか。

無理もない、それだけの仕事量だ。


「話は後です、そちらの戦力はどれくらい残っていますか?」


「はぐれてしまったが、我々の小隊は5人だった。彼らは村の中央部へ向かっている」


「中央部、そこがスタンピードの中心ですか?」


「十分な調査も出来なかったが、魔物の流れからそこがそうだと判断した。だがこうも魔物が多くてはそこに向かうことも出来ない・・・」


話しているうちにそこら中から沸き出たゴブリンが、

俺たちを取り囲む。



「・・伏せて下さい。」


俺の言葉に、騎士があわてて身を伏せる。

俺は抜刀した剣を腰に当て、一気に抜き去り振るう。



<月穿>



俺の横薙ぎと同時に、

俺たちを包囲していたゴブリンたちから鮮血が舞う。


ここ最近の連戦により、俺の剣撃は更に威力が向上していた。


「あ、あれだけゴブリンを、一瞬で・・・」


「俺たちは中央部へ向かいます。」


「あ、ああ!たのむ!仲間を助けてくれ!」


俺は大きく頷くと、

周囲の魔物を殲滅しているヒナタとモルドレッドに声をかける。


「行くぞ!村の中央部だ!」


俺たちは中央部に向かい、駆け出した。




鎮圧を続けるうちに、スタンピードについて分かった事があった。

スタンピードは魔力の異常な膨張によって引き起こされる。


普通は自然界の魔力の淀みが長い年月を掛けて積み重なり発生するものだが、

今回はそれが作為的に起こされている。

ゆえにその地に満ちる魔力の残存量は少なく、

出現した魔物達か、もしくはリザードキングのような『主』を倒せば、

スタンピードの原因となった魔力自体は霧散する様だ。

つまりスタンピードの中心に向かえば、

おのずと倒すべき相手と出会えると言うことだ。



村の中央部では3人の騎士がゴブリンを相手に健闘していた。

なにかを守りながら戦っているようで、

3人は背中合わせに自分の正面の敵を倒していた。

よく目を凝らせば、3人が一丸となって守っているのは

赤子を抱いた母親のようであった。



「ヒナタ!モルドレッド!」


俺は走りながら、二人に声をかける。

二人は無言だが、俺の意図は伝わっているようだ。

駆ける二人から魔力の集束を感じる。

俺も二人の攻撃に合わせるように、魔力を集束させる。


<華炎>


<氷牙>


<風爆>


三人が同時に、魔法を放つ。

俺の炎がゴブリンを包み、ヒナタの魔剣から大地を走る氷が走る。

モルドレッドの放った風は、ゴブリンの群れの真ん中で爆発し、

ゴブリン達が叫び声をあげながら空中に巻き上げられた。


そのまま、ゴブリンの群れを掻き分けながら騎士達の元へと走る。


「ぐ、援軍か・・・ありがたい」


騎士の一人が安堵した表情で呟く。

見ればその脇腹にはゴブリンの短剣が刺さっており、

おびただしい出血が見られた。

この状態でよく戦えていたものだ。



「ここは俺たちが片付けます。そちらは、その女性をお願いします。」


「片付けるだと?この数の魔物を君たち3人でか?」


「えぇ、すぐに」


スタンピードで生まれた魔物たちには群れの意識はなく、

ゴブリンの集団が得意とするような集団連携はない。

それはこれまでのスタンピードの経験から理解していた。

連携が無ければゴブリンなどただの雑魚だ。


そうして俺たちは周囲を囲む魔物の群れに飛びこんだ。

ゴブリン達が怒りの咆哮をあげる。


<陽炎>


俺の剣から剣撃が飛ぶ。


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