表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
71/99

第71話 最強魔法と村長の告白


「ボルド王さん!?」


テレシアが叫ぶ。


「ムートンの面々か、偶然だなおい。」


ボルド王はケラケラと笑う。


「な、なんであんたがここに」


狼狽するバロンの頭をククルが叩く。


「あんた、じゃない!王様よ!?ちゃんとしなさい」


「ぐ。す、すまねぇ、、じゃないすみません!」


二人のやりとりをケラケラと笑いながらボルド王が言う。


「気にすんなって、何度も言うが王なんて大したもんじゃねぇよ。姉ちゃんも許してやってくれ」


ボルド王に声をかけられ、ククルが赤面する。


「は、はい!しかしどうされたのですか。このような場所にボルド王、おひとりで」


「なに、お前らの所に行った時と同じよ。どうしても確かめたいことがあったから来た、それだけだ」


そう言ってボルド王はジロリと村長を見る。


「な、は、お、王よ・・・」


村長は今や顔面蒼白になっており、

目が泳ぎ明らかに挙動がおかしかった。



「さて村長、なんで俺が来たのかは分かるようだな。あんたが話さなければ他の人間に聞くだけだが。この村でなにがあった?何を隠している?」


ボルド王が村長との距離を詰めていく。


「な、なにも隠してなど・・・」


村長は必死に言い訳をしている。

その顔面には脂汗がにじんでおり、

それが村長の心中を表していた。


その行動が、ボルド王の表情を険しくする。


「なぁ、村長。ここは俺の国だ。その国民には手荒な真似はしたくない。今回の件が俺の杞憂ならそれでいいんだ安心してくれ。だがな、もしもお前達がボルドに背信しあまつさえ敵対国に協力していたとしたら、お前達は敵だぜ?そん時は俺の持ってる力の全てを使ってお前達を潰すことになるが・・・分かってるよな?」


低く重厚な声でボルド王が村長を責める。

今までの柔和な王の姿ではない、

感じる重圧は桁違いだ。


「あ、あ・・・」


そのあまりのプレッシャーに、

村長の顔は真っ白になり感情が抜け落ちていた。


「お、王・・・わたしは、私たちは・・」


村長の目から大粒の涙が落ちる。


「話せ。今なら悪いようにはしねぇよ。」


ボルド王がかけたその声は、再び元の柔和な声に戻っていた。




・・・

・・


村の集会場には、村民のほとんどが集まっていた。

誰もが暗く、村長と同じように蒼白な顔をしていた。


どうしてこんな事になったかと言うと、

村長がボルド王に真実を話す場に他の村民達も呼びたいと

言い出したからだ。


ボルド王はそれを了承し、

村に残っている大人達が緊急招集された。


ボルド王は上座に座り、

じっと黙っている。

その両サイドにはバロン、ククル、テレシアの三人。


重苦しい雰囲気の中、

村長が話し出した。



「この村は国境沿いにございます、辺鄙な村です」


全員の意識が村長に向かう。


「若者は王都に出ていってしまい、残るのは老人ばかり。畑はありますが気候の関係でとても豊かな実りとはいかない様なところでございます」


村人の何人かが、同意をするように頷く。


「そんな時、ある商人がこの村を訪れ我々に言ったのです。他国への密輸のため、この村に拠点を作らせてくれないか、と」


ボルド王の眉間のシワが深まる。


「無論、最初は断りました。しかし足繁く通うその商人にいつしか心を許し、密輸の拠点を黙認することを認めてしまいました。無論、この件は村民全員が知っている事です。」


会場内の雰囲気がさらに重くなる。


「そこからは簡単でした。密輸による流通が増え、村は豊かに。さらに村民の中には積極的に密輸に協力するものも出てきました」


「密輸は犯罪だぞ、それは分かっていたな?」


ボルド王が尋ねる。

その言葉に答える者はいなかった。


「相手国はどこだ?」


「・・・」


村長は答えない。


「どこだ」


「テ、テステフでございます・・・」



国の名前を聞いて、やはりかと言う雰囲気が流れる。

ボルド王も、深い溜め息をついた。


「その商人って言うのはおそらく、ロワール商業連合の者だな?仲介者はやつらだろ?」


ボルド王の言葉に、村長が頷く。


「その通りでございます」


「・・・分かった。よく話してくれた」


戦争相手国との密輸。

なるほど、たしかにボルド王が直接出向くような案件ではある、とククルは思った。

しかしククル達が追っているスタンピードの件については関係ないように思える。


だがククルは気が付いた。

村長の顔はまだ晴れておらず、罪を白状したあとの一種の解放感のようなものは感じられなかった。

その後ろに控える村人も全員同じ顔をしている。

この村はまだ何かを隠していた。



「ボルド王、もうひとつ報告せねばならぬ事がございます・・・」


「なんだ」


「此度、我らの村はスタンピードに襲われました」


「聞いている、それについては災難だったな。犯罪行為があったとはいえ、復興の援助は国からしよう」


「そのスタンピードですが・・・自然に発生したものではございません。よく分かりませんが、『あれ』が原因だと我々は思っております」


その言葉に、今日で一番の重苦しい雰囲気が部屋を包む。

なかには泣き出している村民もいた。


「どういう、ことだ?」


ボルド王が尋ねる。

村長はさらに話を続けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ