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第58話 最強魔法と村の異変


ボルドの騎士組合の建物は、

聖都のそれとは異なり豪華な神殿のような作りであった。

明らかに豪華さを意図して装飾が施されている。

質素倹約を常とする騎士組合には珍しいことだ。


「これについては賛否両論あるけど・・・私は夢があっていいと思うな」


「悪趣味」


ククルとヒナタがそんなことを話している。

辛辣だな、ヒナタ。


「テレシアさんはどんなフルーツがお好きですかな?今度、どこか市場にでも行った時に買って参りますよ」


「本当ですか!?私はえーっと、えーっと・・・え、選べません!」


反対側ではモルドレッドがテレシアをナンパしている。

おい、物に釣られるなアホ女神。


なんと言うか自由なメンバーに囲まれ、俺たちは組合の窓口にたどり着く。


「すみません、仕事の受注を・・・」


俺は受付嬢さんに声をかける。

聖都の受付嬢さんとは違い、

凛とした美人な人妻って感じの人だ。

うーん、色気がある。


「はい、承知いたしました。現在、依頼に出ているCクラス依頼はこちらです」



俺は受付嬢さんが出してきた依頼書を眺める。


・オークの群れの殲滅

・ゴブリン駆除

・ボアファングの捕獲

・南の沼に発生した不明魔物の実態調査


このあたりは聖都で受けてきた依頼とほぼ同じだ。

報酬はこちらの方が少し高いか。


「ボルドは物価が高いからな、その分報酬も高けぇんだよ」


後ろからバロンが教えてくれる。


「これなんか良いんじゃねぇか?お前ら聖都ではこういう依頼を片っ端から達成してたんだろ?」


そう言ってバロンが指差したのは、

依頼から少し時間が経ってそうな依頼書であった。


・魔物の大量発生予兆あり


俺は詳細に目を通す。

どうやらボルド近隣の村に魔物が大量発生しそうな予兆があるようだ。

魔力の異常な高まりなどである程度の予測がつくらしい。

だが魔物の種類は不明とのこと、そもそも予測事態が外れる可能性もあり、

そのあたりがこの依頼書が不人気の理由か。


俺はバロンに頷き、受付嬢さんに依頼書を手渡す。

受付嬢さんは俺たちの受注に驚いたようで、

感謝の言葉を述べてくれた。


金策も勿論だが、

誰かの為になるならこれほど素晴らしいことはないな。


俺たちは依頼書に従い、

指定された村へと移動する。


・・・

・・


依頼書に書かれた場所は、

ボルドの大門から出て2時間ほどのところにある農村であった。


「静かな村ですね・・・」


テレシアが言う。


「そうね。でも綺麗で素敵なところ。・・・なんだか私たちの村に似ているわ」


「カカ。確かにそうだな、寂れて貧乏くさいところなんてそっくりだ」


そう言って茶々を入れたのはバロンだ。

だがその表情は優しいもので、本気で故郷を乏しめているわけではないことが分かる。


「いつか、ククルさんとバロンさんの村にも行ってみたいです!」


テレシアがククルに言う。

その言葉に二人は嬉しそうにうなずくのであった。



「あの!もしかして騎士団の方ですか!?」


そう言って俺たちに話しかけてきたのは、村の若い青年であった。

驚く俺たちの表情に気が付き、慌てて言葉を続ける。


「す、すみません。突然話しかけてしまって。」


「はい、依頼書を受けてきました。依頼主の方ですか?」


ククルが丁寧に対応する。


「い、いえ。依頼を出したのは村長である僕の父です。とりあえず我が家にいらしてください。父に紹介します!」


そう言って青年は急ぎ先導していく。

やけに焦っている気がするのは、魔物の発生が近いからだろうか。


「なんだか慌ただしいな」


「それだけ切羽詰まってるってことだろうな。行こうぜ」


バロンは青年の後ろについて歩き出す。

俺もその後に続いて歩き出そうとするが、

テレシアがシリアスな顔をしていることに気が付き、

足を止める。


「どうした?テレシア」


「ルーク君・・・なんだかこの村、変です。よく分からないけど・・・」


テレシアがこんな心配そうにするのは珍しい。


「どんな気配を感じる?」


「・・・確かに魔物の大量発生の予兆はあります。でも何て言うかそれ以上の悪意を感じます」


「悪意?」


「はい、悪意です。そう表現するしかなくて。すみません、これ以上は今はわかりません。」


「いや、大丈夫。ありがとう少し注意していこう」


俺とテレシアは先にいった他のメンバーを追って、

村の中心へと急いだ。

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