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第41話 最強魔法とゴブリンロード



「すみません・・・なにかお二人の力になれないかと思いまして」


ヒナタに木の影から引き摺り出されたテレシアは正座して座っている。


「それで、聖都から付いてきたのか?」


「は、はい・・・」


「ここまで尾行の気配は感じなかった。あなた、何者?」


ヒナタが尋ねる。


「それは女神スキルその1、気配断絶の力です!どんな達人にも関知出来ないほど無になることが出来ます!」


テレシアがどや顔で答える。


「女神・・・?」


だがヒナタはまったく別の部分で引っ掛かったようだった。

あたふたしているテレシアを尻目に、

ヒナタは俺の方を見て説明を求めていた。


「あー、えっとつまりだな」


俺はテレシアの正体をヒナタに説明した。


・・・

・・



「信じない」


話を聞いたヒナタが言った。


「な、なんでですか~!」


テレシアはヒナタに尋ねた。


「<勇者の冒険紀>に出てくる女神様はもっと賢くて、美しい。これとはまるで違う」


「確かにイメージと違うかも知れないが、事実だ」


俺はヒナタに言う。

俺の勇者の話は信じてくれたのに、テレシアのことは認められないようだ。

物語の女神はどうやらかなり美化して書かれているようだな。


ヒナタに「これ」呼ばわりされたテレシアはショックを受け泣きそうな顔をしてる。


「私って、そんなに酷いですか・・・」


遠い目で質問してくるテレシア。

大丈夫、黙っていればそれなりに可愛いぞとは言えなかった。

しばしその場には混沌とした空気が漂った。




「コホン。なぁ、テレシア。俺たちは今、ゴブリンロードを討伐しにきている。どこに居るか分かるか?」


「・・・ゴブリンロードですか?はい、確認してみます。少々お待ちください」


そう言ってテレシアは目を閉じて集中し始めた。


「分かるの?」


ヒナタが興味深そうに覗き込んできた。


「あぁ、テレシアの探知能力は便利だぞ。「これ」でも女神だからな」


「ふーん」


しばらくしてテレシアが目を開く。


「見つけました、ここから南西2キロほどのところにいます」


「群れで行動してるか?」


「はい、ゴブリンロードが一体。その回りに10体ほどのゴブリンがいます」


「10体か・・・いけなくもないが、危険だな。」


俺とヒナタであれば、苦もなく殲滅できるだろう。


「難しい?」


ヒナタが言う。


「こんなところで無茶をしたくない、念には念を入れよう」


俺はテレシアの方をチラリと見る。


「?」


せっかくの貴重な戦力だ。

お望み通り力になってもらうとするか。



・・・

・・



テレシアの指示通りに進むと、

ゴブリンロードとゴブリンの群れがいた。


「ホントにいた」


ヒナタが驚いたように声をあげる。


「い、いますよ!ヒナタさんもいい加減に信用してください!」


二人のそんなやりとりを聞き流し、

俺はあたりを観察する。


今、俺たちが隠れている大木からゴブリンロードまでは50メートルほど距離がある。

その間、遮蔽物はなく全力で駆けても接近に気が付かれてしまうだろう。


「テレシア、あいつらのど真ん中に魔法を撃ち込めるか?」


「はい、勿論ですよルーク君!」


「よし、ヒナタ。テレシアの爆撃と同時に走るぞ。やつらが陣形整える前に勝負を決めよう」


「わかった」


ヒナタが剣を抜く。



「では!いきます」


そう言ってテレシアは魔力を集中し始める。

よし、良い感じだ。

俺も剣に手をかけ、走り出す準備をする。



「<炎柱>」



テレシアが魔法名を唱えると同時に、

ゴブリンロードと、ゴブリンが炎に包まれる。

渦を巻いて上空まで伸びた炎の柱は、離れていても熱を感じるほどであった。

炎をきっかけに俺とヒナタは駆け出す。


突然の火柱の出現にゴブリンたちは冷静さを失っており、

俺とヒナタの接近には気が付いていない。


俺は目の前にいるゴブリンの一体を切りつけた。

ヒナタも一体の首をはねていた。


俺たちに気が付いたゴブリンロードが叫び声をあげる。


「グオオォォォォォ!!」


さすがは親玉だ。

それなりにプレッシャーを感じる。

ゴブリンロードの声に呼応するように、ゴブリンたちが戦闘陣形を整える。

炎に焼かれながらも、残ったゴブリンは3体。



一瞬、ゴブリンロードから注意をそらした瞬間、

ゴブリンロードが持っていたこん棒を叩き付けてくる。

俺はその攻撃をすんでのところで回避する。


「ヒナタ!そっちは任せる」


「分かった」


俺はゴブリンロードに正面から向き合った。

どうやらかなり警戒されているようだ。

お互いに間合いを探る。


俺は相手の動きに注意しながら、

ゆっくりと深呼吸をする。



「グギギギギギギ・・・」


ゴブリンロードが焦れている。

人間の剣士と違い、魔物は本能の塊だ。

我慢など出来るハズもない。



「グギャア!!!!」


予想通り焦れたゴブリンロードがこん棒を振り上げる。

タイミングも呼吸もお粗末だ。

その一瞬を突いて、俺は剣を振るう。



<陽炎>



俺の放った攻撃は、一直線にゴブリンロードに飛んでいく。

ゴブリンロードはこん棒を振り上げたまま、動きを止める。


「ギギ・・・」


そしてゴブリンロードは血しぶきと共に、

真っ二つになる。


「ふぅ・・・」


勝負あり、だ。


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