表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/99

第34話 最強魔法と助っ人登場


ククルの回復魔法により、歩けるようになったバロンに合わせ

俺たちは地上への道をゆっくりと進んでいた。

幸いにも蜘蛛どもの追撃はなく、

地上まであと少しと言うところまで戻ってくることができた。


「あと少し」


先導するヒナタが言う。


「よかった・・・」


ホッとしたように言うククル。


「・・・ッカ野郎。ここから出るまで安心すんじゃ、ねーよ」


憎まれ口を叩きながらも、

バロンも安堵の表情を浮かべている。


このまま街に戻れる。

誰もがそう思っていた、その時。



「キュルルルルルル!!!!」


坑道の奥から、なんとも薄気味悪い音が聞こえてきた。

まだ距離は遠いようだ。


「今のは?」


俺はバロンに尋ねる。


「わかんねぇが、あんな気色の悪い音だ。ありゃ魔物の鳴き声に違いねぇ」


確かに、甲高い音だったが鳴き声と言われたらそう思えてきた。


「走ろう」


ヒナタが言う。


「バロンには無理よ」


「バッカ野郎・・・ここまで来てまた襲われてたまるかよ」


バロンに気を使いながらも、

一行は走りだした。



・・・

・・



「ハァハァハァ・・」


走り出して少しして、バロンの呼吸が乱れた。

回復魔法をかけたとは言え体力は戻っていない、

当たり前と言えば当たり前か。


「バロン・・・」

ククルが心配そうに見ている。


「仕方ないな・・・」


俺はバロンの目の前に屈むと、その勢いを利用して

バロンを担いだ。


「バッカ野郎!止めろ!子供に背負われてられるかよ!」


俺の背中をバシバシ叩くバロン。

なんだ元気じゃないか。

このまま叩き落としてやろうかな。


「いい加減にしなさい!あんたが一番子供っぽくてどうするの!」


ククルに怒鳴られて途端にしゅんとなるバロン。

俺の背中でようやく大人しくなった。


「キュルルルルルル」


再び謎の音が聞こえる。

反響によりよく分からないが、

先程よりもかなり近づいているようだ。


先を急ごう。

俺はヒナタに視線を合わせ、

ヒナタも俺の心中を察したようだった。



先に進むと、坑道内の広い空間に出た。

一本道ではあるが、

崖のこちら側と向こう側を結ぶ橋のような状態になっている。

道の左右は深い谷で、足を踏み外したら戻れないだろう。

こんな道、行きに通ったか。


その時、俺たちの真後ろで再びあの音がなる。


「キュルルルルルル!」


後ろを振り返ると坑道の暗闇から巨大な足が這い出してきた。

そこに現れたのは巨大な蜘蛛であった。

禍々しい牙と輝く瞳。大木ほどもある脚が八本。

これまで倒してきた蜘蛛も巨大ではあったが、

それはあくまで普通の蜘蛛と比べてである。

目の前の蜘蛛はその大きさを遥かに凌駕していた。

大型の重機のような巨体が俺たちに迫る。


「あ、ありゃアークタラテクトだ・・・」


背中越しにバロンの声が聞こえた。


「アークタラテクト・・・」


名前を言われてもピンとこない。

くそう、こういう時にテレシアの説明が必要なのに。

何やってんだ、あのダメ女神は。


「蜘蛛の魔物の中でもかなりの上位種だ。そうか・・・蜘蛛の発生はあいつの仕業だったってことかよ」


バロンが言う。


「どうする、戦う?」


ヒナタが剣を構える。


「戦えるような相手じゃねぇよ・・・アークタラテクトは災害級の魔物だ。俺たちDランク騎士団なんかじゃ手も足も出ねぇ。本来はBランク以上の騎士団が複数集まって初めて戦えるような相手だ」


「じゃあ、どうすれば・・・」

ククルが言う。


そんな話をしている隙に、アークタラテクトは気味の悪い鳴き声をあげながらこちらに近づいてくる。

どうやら偶然に出会ったなんて話じゃない、明確に俺たちを追ってきたんだな。


「逃げるっきゃねぇ・・・だが、そう簡単に逃げられる相手じゃねぇ」



戦うか逃げるか。

この一瞬で判断せねばならない。

判断が一秒遅れるごとに、俺たちの生存確率は下がっていく。


その時、俺たちの後ろから一筋の光線が飛び出し、

アークタラテクトの顔面に直撃、爆発を起こした。


「ギャアァァァァァ!!!」


アークタラテクトが叫び声をあげる。

驚いて振り向くとそこにはローブをまとった人影が一人。


「ルークく!!・・・じゃなかった!そこの騎士の方々!助けに来ました!さぁここは私に任せて撤退してください!」


声の主は女性の様であった。

もっと言うと俺にとっては、よく聞き慣れた声であった。

おい、そこで何をしているダメ女神。


俺は颯爽と現れたテレシアに心の中でツッコミを入れた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ