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第15話 最強魔法と少女の救出


「大丈夫?」


考えた挙げ句俺が少女にかけたのは、

結局普通の言葉だった。


「あ、あなた昨日の・・・なんでここに」


「あー、うん。ちょっと剣の修行がてら森を散策してたら君が襲われているのを見てさ」


少し苦しい言い訳だろうか。

2日連続で襲われているところを助けるなんて、

はたから見ると都合が良すぎるか。

1日目は間違いなく偶然だったけど。


見れば少女は俺への疑いを一切隠すことなく、

後ずさりを始めていた。

不味い、ここで逃げられたらやっかいだ。


「あの、そんなに警戒しないで。ホントにたまたまなんだ。俺はルーク、昨日も自己紹介したけど。良かったら街まで送るよ。えっと・・・」


「・・・ロゼ、私はロゼ。ごめんなさい、昨日は助けて貰ったのに名前も名乗らず」


「ロゼ、か。いいんだよ、なにか事情があるんだろ?昨日も騎士団には頼れないって言ってたし」


「・・・ごめんなさい」


謝るロゼ。

今にも泣き出しそうな顔だ。


「とりあえず、ここは危ないからさ。街道まで出ようよ」


俺は街道方向に歩き出そうとした。

その途端、少女の方からドサリと音がする。

慌ててそちらを見ると少女が地面に倒れていた。


「お、おい。大丈夫か!」


彼女を抱き抱えると身体がとても熱かった。

まずい、どうやら高熱があるようだ。


「・・・た、すけて・・・お願い・・・」


朦朧とした意識で彼女が口を開く。

その言葉になぜか俺はドキリとした。


脱力した少女を背負い、

俺は街へと急ぐ。

頼むから魔物が襲ってきませんように。


なんとか街の入り口までたどり着く。

入り口の聖都騎士団に助けを求めると、

俺と彼女はあっと言う間に騎士団の本部に連れて行かれるのであった。


・・・

・・


「どういうことだ、ルーク。なぜ昨日の時点で俺たちに報告しなかった」


シャトーと呼ばれる騎士団本部で、

俺は父さんとトーマスに怒られていた。


「ごめんなさい、昨日はまだ確証がなくて」


素直に謝る俺。


「まぁまぁ良いじゃないか。俺たちが見つけられなかった王女を見つけてくれたんだ、ルークには感謝だ」


トーマスが助け船を出してくれる。

父さんも安心の方が勝ったのか、それ以上なにも言うことはなかった。


「あの子は?」


俺は尋ねる。


「とりあえず医者に見せたところで、なんとか熱は下がり始めている。。教会本部へは明日、送り届ける予定だ」


少女の無事を知り安心する。


「あの子、どうなるの?」


俺の質問に、父さんとトーマスは困ったような表情をする。


「彼女は王家の血筋だが、すでに国は滅びた。そうなると亡命って形でいつまでも教会で保護するわけにもいかないからな。どこかの国に迎えられるか、貰い手があれば婚姻を結ぶかも知れんな。どちらにせよ、辛い立場だよ」


そう言ったトーマスの顔は重かった。

だから、彼女はあんなにも必死で逃げようとしていたのか。

彼女の助けてと言う言葉の意味をなんとなく理解する。

だが俺にはどうする事も出来ないな。


『・・・ク君、ルーク君?』


その時、テレシアから連絡が入る。

俺は父さんとトーマスに怪しまれないように、

そっと部屋を出た。


「すまん、テレシア。連絡が遅れた」


『大丈夫です、あの子も無事みたいで良かった。』


「それなんだが」


俺はテレシアに彼女の事を話す。


『亡国の王女様。その子、間違いなくルーク君のキーイベントになりそうですね。でも一体どうすれば・・・』


「テレシアでもここからの進め方は分からないのか?」


『もちろんです。運命は初めから決まっている訳じゃないんです。神々にだって未来のことは分かりません』


それもそうか、と俺は考える。

運命が決まってるなら神託なんてものは無意味だ。

だがテレシアが分からないとなるとどうすればいいのだろう。

俺は考え込む。


『とりあえず彼女ともう一度話してみてはいかがでしょうか』


「・・・そうだな、それが良いかも知れないな」


俺は物音を立てないように、2階の少女が寝ている部屋に向かった。

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