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第10話 最強魔法と働き方改革


『どういうことですか!転生特典の使用禁止って!』


テレシアが顔を真っ赤にしてまくし立てる。

その怒声を一身に受けるのは、身体の小さな老人の神だ。


『す、すまん。テレシアちゃん。彼に付与した魔法を改めて確認したところ、これはやり過ぎだと監査の方から指摘があっての。とりあえず使用禁止と言うことになったんじゃよ。彼があの魔法を自由に行使し始めたら、あの世界は壊滅してしまう』


『でも!それなら神託はそのままじゃないですか!魔法も持たないルーク君にどうやって立ち向かえって言うんですか!』


『うう・・・一応は異世界転生者基本サービスの肉体強化と魔力強化があるじゃろう。それでなんとかして貰おうかと・・・』


『そんなんで良いわけないでしょ!世界の危機ですよ?邪神ですよ?数多の神託の中でも世界の破滅からの救済は、達成難易度がかなり高いはずです!即刻魔法の使用禁止を解除してください!』


『い、一度、12神監査委員会で決議されたことを覆すには、もう一度会議に掛け承認されなければならんのじゃよ。君も知っておろうに』


『もう!なんでそんなに官僚的なんですか神界は!すぐ会議にかけてください!』


『仕方あるまいて!数多ある世界を限られた神々で管理するためには効率が求められるんじゃよ。ただでさえ最近は働き方改革とかで時間外労働も厳しいんじゃから。それに次の委員会は5年後じゃ・・・すぐには禁止解除のための再審査は出来んよ』


『そんな・・・ひどい、ひど過ぎます・・』


そう言って大粒の涙を流すテレシア。

その様子に二人の周囲にいた他の神々の視線が集まる。


『こ、これ泣くでない。そ、そうじゃ、魔法としての破壊力は持っていない君の加護だけであればなんとか禁止を解除出来るかもしれんぞ!ワシから監査に掛け合ってみよう!それでどうしゃ?』


老神の精一杯の譲歩。

だが、テレシアは泣き止まない。


『ぐぐぐ、分かった。ならばワシの責任で使用禁止は解除しようではないか!ただし制限は十二分に付けさせて貰うのが条件じゃ!』


『本当ですか!』

途端にパッとテレシアの表情が明るくなる。


『ぐ、お主・・・ま、まさか嘘泣きを・・・女神の風上にも置けぬ!』


『今、言いましたよね!老神様!私聞きました!神様は嘘付けませんから、絶対に約束を守ってもらいますよ!』


『ぐ~、分かっておるわ!彼自身による無制限使用は認められんが、申請があればそれを然るべき調査の後、認めよう!』


『な、何ですかそれ!そんな魔法聞いたことありません!使うのに事前申請なんて!』


『静かにするのじゃ!これ以上の譲歩はせんぞ!大体、お主は昔から・・・・』


神界に二人の口喧嘩は響き渡り、

結局あらゆる神々がルークの置かれた状況を知ることになるのてであった。



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