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ヤエのこと

改めまして、Twitter始めました!


Twitterで、@sirokuroran99


と調べていただきましたら、出てきますのでフォローの方をしていただけると嬉しいです!


フォローをしていただけましたら100%返させてもらいます!

 

 第52話


「君の腕を治せると思ったのに...」

「お前は使えるんじゃないのか?」

「うん。使えなくなっちゃったんだ」

「なんでなんだ?」

「魔力の量が足りないんだ」

「魔力の量が減ることなんてあるのか?」


 俺がそうみんなに聞くとみんなが不思議そうな顔をする。たぶんそんなことを聞いたことがないのだろう。


「魔王軍に呪いをかけられたから今はほとんど魔法を使うことができないんだ」

「面倒な奴がいるんだな」

「君達も気を付けてね」


 すごく心配そうな顔をして俺達を見るバド。まぁ、確かに魔力を限定されてしまったらまともに戦うことは出来なくなるだろう。


 でも魔力を封じられて一番困るのはセリスだろう。それがわかっているのかいつになく真面目に話を聞いている。


 そんなセリスの頭をぐしゃぐしゃに撫でてやる。


「ちょっ! なにするの!」

「すげぇ顔が険しくなっていたからな」

「え? ほんと?」

「あぁ」

「...ありがと」

「おう。もしも、何かあっても俺が命を賭けてでもお前のことを守るからな。心配すんな」

「私を守ってソウタが死んだら許さないから」

「ははっ、わかってるよ」


 セリスと話していたらみんなからジト目で見られていた。


「なんだよ」

「仲がいいですね」

「当たり前だろ」

「あぁー!あたしも言われたーい!」

「あのなぁ、俺はセリスがすげぇ心配そうだったから言ったんだよ。それに、俺はここにいる全員を命を賭けてでも守るつもりだからな」

「「「わぁ////」」」


 俺がそう言うとみんなが顔を真っ赤にしてモジモジし始めた。そんなに恥ずかしがられると俺も恥ずかしいんだが。


「僕のことも守ってくれるの?」

「お前は大迷宮にいれば大丈夫だろ」

「みんなと僕のこの差、涙が出るよ」

「お前は英雄って呼ばれてたんだろ?自分でなんとかしろよ」

「呪いをかけられてるから戦えないんだよぉ!」

「まぁ頑張れよ。英雄さん」

「...君、本当に勇者?」

「なりたくてなったわけじゃねぇけどな」


 この世界の職業とは自分にあった物になるものだ。つまり、ソウタには勇者があった職業となるわけなので、みんなが微妙な顔をする。


 その事を知らないソウタは不思議そうな顔をする。


「なんだよ」

「いや、ねぇ?」

「うん」

「そうだよね」

「そうですよね」

「だから何なんだよ!」


 ソウタが大きな声で言うとみんなが笑ったので、ソウタは混乱している。


「ソウタ君は勇者がお似合いだよってことだよ」

「俺はどっちかっていうと魔王の方が似合っていると思うけどな」

「「「「...」」」」

「...みんなもそう思ってたんだな」


 誰も何も言わない。無言の肯定というやつだ。それが一番地味に心にダメージがくる。


「...寝る」

「拗ねないでよ!」


 茜がソウタの近くへ行き、慰めるのかと思えば、


「ソウタ君が魔王っぽいのは小さい頃からじゃない!」


 まさかの追い討ちだった。


「...セリスも俺は魔王っぽく見えるか?」

「えっ!?」


 まさかそんな質問をされるとは思っていなかったセリスはとても驚いている。


 ど、どうすればいいの!?とメイの方を見ると目を逸らされた。


 うぅ〜、こうなったら魔王じゃないよって言えばいいのかな?


「時にウソは、人を傷つけるんだぜ...」


 ...いつからソウタは人の心を読むようになったの?


 こうなったら地味に話を逸らそう。


「...魔王って響きかっこいいよね」

「そうだな。で、俺は魔王っぽいか?」

「...」


 なんで自分から傷付けられにくるのぉぉー!?


「まぁ、魔王っぽいのは自覚してるから気にしてねぇんだけどな」


 ソウタがニヤッとしながら言ってきた。


 私のことからかってただけなのー!?


「...ソウタなんて嫌い」

「ははっ! そんなに怒るなって」


 さっきと違って優しく頭を撫でてくれた。気持ちいいけど、これで許したらこれからは怒ると頭を撫でられるだけになるかもしれない。


 そう思ったセリスは内心ではそんなに怒ってはいなかったが、私怒ってますというオーラを放ったままだ。


「フンッ!」

「え? そんなに怒ることだったか? 早く機嫌なおしてくれよ」

「...じゃあキスして?」

「...ここでか?」

「...ダメ?」

「...」


 上目遣い+涙目というコンボだ。そんな目で見られたソウタはとても困ったようにしている。


「はわわわわ、セリスさんってこんなに可愛いんですね...」

「そうだねぇ、よくソウタ君我慢してるよね」

「ただのヘタレなだけじゃないの?」

「...へ? メイ? 茜? バド? え?」


 メイと茜とバドの言葉によりセリスはようやく周りにいるメンバーのことを思い出したようで顔を真っ赤にして顔を隠すようにしてソウタの胸に顔を隠すようにして抱きついた。


「うぅ〜/////」

「おいおい、自分で言ったんだろ?」

「だから恥ずかしいの!」

「はぁ、やれやれ」


 ソウタはセリスの頭を撫でながらバドを見る。


「話を戻そうか。シルって人を洗脳した奴はどんな奴なんだ?」

「ごめんね、わからない。たぶん魔王の城で隠れていると思う」

「本当にめんどくせぇ奴だな」

「君達が知っていて得をする話はこれぐらいだよ。他に何か聞きたいことはある?」


 バドにそう言われたので、セリスの事を撫でながら答える。


「バドが知っているヤエのことを教えてくれ」


 俺がそう言うとセリスがピクッと反応した。やっぱり師匠であるヤエのことが気になるんだな。


 そんなことを思っているとセリスがガバッとソウタの胸から離れて話を聞く姿勢に入った。


「ヤエさんはクールで近付きにくいオーラをずっと放ってるような人だったよ。でもね、困った時には凄く頼りになる存在だったんだ。あとは、善と悪の区別がしっかりとしている人だね」

「ソウタ君にそっくりな人なんだね」

「私の知ってる師匠とちがう!」

「そうだな。俺とセリスが知ってるヤエはすげぇ能天気な奴だもんな」

「そうだね!」

「僕にはそんなヤエさんは想像もできないけどね!」


 あははっ!と面白そうに笑っている。余程そんなヤエのことを想像できないのでおかしいのだろう。


「師匠ってどんな魔法使って倒してたの?」

「そうだねぇ、炎系の魔法が多かったかな?」

「炎系の魔法が得意だったんですか?」

「確か、雷の魔法が得意だったと思うよ」

「え? じゃあなんで炎系が多かったの?」


 茜さんが質問をすると、バドは苦笑いをした。何か変な理由でもあるのだろうか?


「えーっとね、僕も気になって聞いたんだよ。じゃあね、『だって、炎だったら苦しみながら死ねるでしょ?』だってさ」

「「「「...」」」」


 やはり、この師匠ありにしてのセリスの性格だったか...


 師弟揃ってどんな恐ろしい思考回路してんだよ!


 そんなことを思いながらセリスを見る。


「なに?」

「そういえばセリスもこの前そんなこと言ってたよな? と思ってな」

「えぇー!セリスちゃんが!?」

「お、恐ろしいです...」

「...さすがヤエさんの弟子だね」

「そんなに褒められると恥ずかしいよ///」

「「「褒めてない(です)!」」」

「え?」


 セリスが照れながら言ったのでみんなでツッコミを入れると「そうなの?」という感じで見てきた。


 そんな風に話しているとだんだん外が暗くなってきたので、メイと茜さんがご飯を作るためにキッチンに向かった。


「この世界の宿ってキッチンがあるのが普通なのか?」

「だいたいの宿にはあるよ」

「便利だな」

「ソウタがいた世界にはなかったの?」

「こんなに料理をしやすい場所はなかったよ」


 二人とも「へぇー」という感じでキッチンの方を見ていると、いい匂いがしてきた。


「はーい、できましたよー」

「じゃーん! メイちゃんと茜さん特製のチャーハンでーす!」

「「「おぉー!」」」


 二人が五人分のチャーハンを持ってきてくれた。四つのお皿には普通の量のチャーハンが盛られているが、一つだけとてつもない量が盛られたお皿があった。


「茜さんってそんなに食べる人だったか?」

「私はこんなに食べれないよ〜! これはセリスちゃんの分!」


 そしてセリスの方を見ると凄く嬉しそうな顔をしている。


「ありがとうね! メイ! 茜!」

「「どういたしまして!」」

「早く食べようぜ。すげぇ腹減った」

「そうだね! それじゃあ、手を合わせてください!」


 みんな手を合わし、茜さんの方を見る。


「いただきます!」

「「「「いただきます!」」」」


 ドォォォォン!!


 ソウタ達が食べようとした瞬間、スカイシティに爆発音が鳴り響いた。




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