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 第四十四話


「グォォォォォォォ!!」

「逃げろ!」

「いや!」

「ソウタさん! セリスさん! 遅くなってすみません!」

「「メイ!?」」


 もう二人とも体力の限界が来ていたので、メイの登場は凄く心強い。


「メイ、セリスを安全な所に連れて行ってくれ」

「え? あ! セリスさん滅茶苦茶顔色悪いじゃないですか!」

「そう、かな?」

「そうだ。心配すんな、セリスがあそこまで追い込んでくれたんだ。絶対に勝つさ」


 可愛い嫁にここまでさせたんだ、勝たなきゃ男じゃないだろ?


「私はまだ戦えるもん...」

「...メイ、早く連れて行ってくれ」

「了解です!」

「離してー!」


 セリスが不満そうにするのでメイに無理やり連れて行ってもらうことにすると暴れ出したがすぐに大人しくなった。


「ほらもう、魔力の使いすぎで体に力が入らないんでしょう?」

「うぅ〜...」


 ようやく諦めたようにメイに抱きつくと、手で「こっちに来て」とやられたので近付くと、キスをされた。


「...え?」

「...頑張ってね」

「あ、あぁ」


 セリスはそれだけ言うと顔を真っ赤にしてメイの胸に顔を隠してしまった。


 すると、メイが頬を膨らませながらこっちを見てきた。


「どうした?」

「...羨ましいです」

「はぁ?」

「...えいっ!」

「んぐっ!?」


 メイが近づいて来たかと思ったらキスをされてしまった。まさかの出来事に唖然しながらセリスを見ると、口を開けて驚いていた。


「ふふっ、私のファーストキスですよっ!」

「あ、あ、あー! メイがソウタとキスしたー!」

「えへへ〜」

「メイのバカー!!」


 セリスがメイに滅茶苦茶怒っているが、俺はもうそれどころではなくなってしまった。


「グォォォォォォォ!!」


 ミノタウロスが怒りの咆哮をあげながら突進してきたからだ。


 本当に瀕死の状態なのか!?というスピードで突っ込んでくるので、メイとセリスを強引に遠くの方へと投げてやった。


「「キャャャャャャャッ!!!!」」


 という悲鳴が木霊するが、危なくなったんだから許してくれ、と心の中で謝り、ミノタウロスの突進を避ける。


 ミノタウロスはその勢いのまま壁に激突し、ガレキの中に埋め込まれてしまった。


「死んだか?」

「グォォォォォォォ!」

「やっぱり生きてるよなぁ」


 ミノタウロスはガレキを払い除けながら起き上がり、一瞬で目の前まで来た。それを体を思い切り捻らせて避ける。そのせいで足に凄まじい痛みを感じたが、無視する。


「──覇王ッ!」


 少しだけ休憩出来たので覇王なら使えるようにはなった。だから、この状態で戦わなければならないのだが、相手はさっきまでと違い瀕死なので勝てる希望はあるだろう。


「さぁ、第三ラウンドだ!」

「グォォォォォォォ!!」


 ソウタがそう言った瞬間、二人とも地面がめくりあげる程の威力で突っ込み、殴り合いが始まった。


 お互い限界のはずなのに相手が倒れるまで全力で殴り続ける。そこに避けるという考えは一切なく、ただ相手を倒すという明確な意思をもった拳を打ち込み続ける。


 数分間殴り合いが続き、お互い立っているだけで精一杯の状態になった。


「これで終わりだ!──龍擊ッ!」

「グォォォォォォォ!」


 龍擊は自分の拳に魔力を溜て殴る単純な技ではあるが、溜める魔力の量がとてつもなく多いので少しでもミスをすると、魔力が暴走してしまうかもしれない。


 ソウタの右手が赤く光りだすと、ミノタウロスの右手が黒いオーラに包まれた。


 これが最後の一撃になることをお互い理解しているので、力を限界まで右手に貯め、同時に繰り出すと凄まじい爆発が起きた。



 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「今の音は何でしょう?」

「ソウタが勝ったんでしょ」

「そうですね!見に行って見ましょうか!」


 そうと決まると急いでソウタのもとへと戻ると、そこには大きなクレーターが出来ていた。


「「.....」」


 二人とも嫌な想像をしてしまった。なぜなら、ついこの間、似たようなことが起きていたからだ。


 なので恐る恐る近付き、クレーターの中を見てみるとミノタウロスの下半身と右腕を失ったソウタがいた。


「...ん? あぁ、来たのか」

「来たのか、じゃないよ! どうしたの!? その腕!」

「これか? 消し飛んじゃった」

「「.....」」


 なんでそんなに他人事みたいに言えるの? 二人ともそう思ったが言えなかった。なんでかって? ソウタがすごく満足し、安心した顔をしていたからだ。


「早く茜さんの所に行こうぜ。心配だ」

「すっかり忘れていました...」

「私も...」

「お前らなぁ...茜さんが聞いたら泣くぞ?」


 本当はミノタウロスは普通の奴でも強いはずなのに、このメンバーと一緒にいると雑魚扱いになっちゃうなぁ。


 セリスは嬉しそうに考えながらソウタとメイの後を追いかけた。


 少し歩くと、茜はまだミノタウロスと戦っていた。


「手伝おうか?」

「や、やっと来たの!? 早くこいつを倒して〜!」


 茜は攻撃できるほど体力がなかったのか、避けることに集中しているようなのでミノタウロスは無傷の状態だ。


「メイ、倒せるか?」

「もちろんです! 茜さーん! 避けてくださいねー!」

「え?」

「──風斬ッ!」

「ちょっ、きゃぁぁぁぁぁぁぁ!」


 メイが風斬を使用させると茜とミノタウロスの方へ強い風が吹いた。茜はそれに吹き飛ばされ、ミノタウロスは粉々になり消滅した。


 そして、当然茜はメイを怒った。


「なんでまだ近くにいるのにやるの!」

「すみません!あれ扱うのが大変なので撃てるときに撃っときたかったんですよ」

「あ、そうなの? じゃあ仕方ないね!」

「それで許すんだな...」


 女って謎だなぁ...と思っていると、茜さんが突然大きな声をあげてこちらに向かってきた。


「そ、ソウタ君!? その腕どうしたの!?」

「ぶっ飛んじまったんだ」

「ぶっ!?」


 どういうことどういうことー!? ってセリスとメイのことを見るが二人とも首を横に振り、自分達も知らないとアピールする。


「まぁ、このことは帰ってから話すよ。早く寝たい」

「...その腕治せないんだね」

「よくわかったな」

「ソウタの顔を見ればわかるよ」


 さすがセリス、よく俺のことを見てくれてるんだな〜とボジティブに思っていると茜さんに肩を掴まれた。


「...ホントに治らないの?」

「あぁ、俺の力じゃ治せなかった」

「茜さん、魔法は自分にあったものしか使えないんです。私達は全員、戦闘が得意ですよね?だから回復系統のものは使えても簡単な傷ぐらいしか治せないんです」

「知ってるよ。だから前にアクアシティを元通りに出来たんだから腕だって治せるんじゃないの?」


 俺もそう思ったさ、でもイメージできないんだ。目の前で腕が吹っ飛んだんだぜ?そんなものを治すイメージなんて出来るわけないだろう。


 だからこの事は帰ってからゆっくり説明しようと思っていたんだが、茜さんがうるさいので説明した。


 すると、みんな渋々といった感じに納得してくれた。


 そしてみんな帰るモード全開でいたのだが、ここに来た目的をソウタは思い出してしまった。


「なぁ、みんな」

「なに?」「なんです?」「どうしたの?」

「ここに来た理由、忘れてないか?」

「「「あっ!」」」


 三人は絶望したような顔をしている。なので、コントロールスペースに買っておいた回復系のポーションを渡し、元気よく声掛けをした。


「さぁ、みんな! 頑張って行くぞー!」

「「「いやー!!!!」」」


 三人の女性の悲鳴のような声が大迷宮に響いた。



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