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アクアシティ

 第三十話


「よっしゃー!ここがアクアシティか!」

「そうだよ!」


 俺達はアクアシティに着いた。そして、目の前に広がっているのは、綺麗な街並みでも、綺麗な噴水でもなかった。


「アクアシティって殺伐とした街なんだな!」

「そうだよ!」

「そうだよ! じゃないですよ!? 違いますからね!? アクアシティはその名の通り綺麗な水で溢れてる街ですよ!!」

「じゃあなんでこんなにボロボロなんだよ!」


 今、俺達の目の前に広がっているのはボロボロになった街だった。家は崩壊していて、噴水であったであろう場所には水が一滴もない。そして、まだところどころ煙がのぼっているので、最近こうなったことがわかる。


「どうすんだよ、これ」

「とりあえず転移できる場所に行ってみよ?」

「そうするしかないでしょうね...」


 三人でため息を吐き、街の中へ入ると、魔人族の人が来た。


「おいおい、なーにこの街に入っちゃってくれてんの?」

「別にいいだろ?」

「ダメに決まってんだろ! ここは魔王様のために占領したんだ! だからささっさと出ていけ!」

「はぁ、そんなこと言われて出ていくと思うか?」


 心底呆れながら聞くと、馬鹿にされたと思ったのか殴りかかってきたので、それを躱し、アイアンクローをする。


「は、はなせ、この、ガキ、が!」

「はぁ、お前は本当に俺を呆れさせるな」


 男の頭からメキメキッ! という音が鳴ると、動かなくなった。そしてそのまま頭をグシャッ! と握り潰してしまった。


 それはソウタらしからぬ行動だったので二人は驚いた。


「ソウタ!?」

「どうしたんですか!?」

「何がだ? って、あぁ!?なんだこれは!?」

「え? ホントにどうしたの?」


 なんと、自分が握り潰したことに気付いていないみたいだったのだ。そのせいで何故自分に血が付いているのか分かっていないみたいだった。


 なので、自分であの人の頭を潰したんだよ、と教えてあげると、ソウタは反省した。


「ごめんな、ちょっと考え事してたらやらかしたみたいだな」

「考え事って、魔王のこと?」

「あぁ、もしも、このまま戦うことになった時、俺はみんなの事を守れるのかな?と考えてたんだ。」

「そんなこと考えてたら負けちゃうよ?」

「...そうだな」

「ちがうよ、勝つこと以外考えてたら負けちゃうってことだよ」


 こういう時、自分のことを支えてくれる人がいてくれるというのは凄く嬉しい。


「そうだな、ありがと」

「うん!」


 二人で見つめ合い良い雰囲気を醸し出していると、メイが寂しそうにしている。


「私は風...そう、風なのです〜」

「と、とりあえず早く行こう」

「そ、そうだね!」


 メイが呟くと、二人で焦りながら、あからさまに話を逸らした。だが、メイはいつも除け者にされているので少し怒っている。


「もう! なんでいつも私を置いて二人でイチャついてるんですか!」

「いやぁ、だって、なぁ?」

「ね、ねぇ?」


 そして二人は目を合わし、微笑みあった。そのせいでさらにメイ怒ってしまい大声を出して抗議をすると、地面にドラム缶ぐらいの大きさの穴が開き、中からおじいさんが顔を出した。


「こんなところで何をしておる! 早くこっちに来なさい!」


 そう言うと、俺達の下に大きな穴が開いた。


「「「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」」


 そして俺達は穴の中に落ちた。その穴の中にはたくさんの人たちがいた。


 状況はなんとなく分かるが念の為確認をしておきたいので聞いてみる。


「なんなんだここは?」

「ここはアクアシティに住む人達の隠れ家だ。だからあなた達もここで助けが来るまで待っていなさい」

「俺達はそんなものいらない。だからここの出口を教えてくれ」

「君達は分かっていない! 奴らは魔王軍の手下達だ! だからここにいる普通の人間には勝てない奴らなんだ!」

「だからどうした?」


 街の人達が親切で言ってくれているのはわかるが、俺達の助けになる人間なんていないだろう。なので一刻も早くここを出たかった。


「もしかして君達は、奴らと戦える術を持っているのか?」

「...あぁ、そうだ」

「ほ、本当か!? ならこの街を救ってくれ!」


 やはり、こうなってしまうのか...と思っているとセリスに袖をちょいちょいと引っ張られた。


「どうした?」

「...眠い」

「少しは空気を読んでくれ...」

「うん、だからここで寝とくからその間に魔王軍の手下達をどうにかしておいてね」

「...わかったよ。メイ、セリスと一緒にここで休んでいてくれ」

「了解です! セリスさーん! お話しましょー!」

「うん!」


 おいおい、眠いんじゃなかったのかよ...そんなことを思っていると、先程からポカーンとしていた街の人が気を取り戻し、確認してきた。


「ということは、今から君一人で魔王軍の手下達をどうにかしてくれるということか?」

「あぁ」

「む、無茶だ! 今の魔王軍は手下でも平均ステータスは五百以上あるんだぞ!?」

「弱いじゃないか。そろそろ行ってくるよ」


 そしてまた街の人がポカーンとしたので、その間に地上へ向かうことにした。


 教えてもらった出口の方へ行くと小さい子供が五人ほど来た。


「お兄ちゃん!がんばってね!」

「悪い奴らを倒してね!」

「ケガしちゃだめだよ!」

「絶対に帰ってきてね!」

「無理しないでいいからね!」


 と、応援をされた。この世界に来た時はたくさんの軽蔑の眼差しで見られていたのに今は期待の眼差しで見られている。それがなんだか嬉しく思えてしまい笑っていると、子供達が不安そうな顔をし始めたので、返事をしてあげる。


「あぁ、俺に任せとけ」

「「「「「うん!」」」」」


 元気よく返事をした子供達は親の元まで走っていった。


 そして俺が地上へ出て数分後、街にいた魔王軍の手下共はすべて葬った。


「この街の人達はなんであんなにも弱い奴らに怯えていたんだ?」


 魔王軍の手下といえど当然弱いはずがない。ただあまりにもソウタが強すぎただけの話だ。そんなことに気付かないソウタは、何故だろう?と考えていると嫌な予感がした。この場所にいれば死ぬと思ってしまうほどの嫌な予感が...


 そしてその場を離れた瞬間、今までソウタがいた場所が黒い闇に包まれた。


 黒い闇が無くなると、空から声が聞こえた。


「やはりやるな、兄ちゃんよぉ」

「っ!? お前、なんでこんなところにいんだよ!」


 かつてソウタをボロボロにした魔王軍の幹部であるヴァイスが目の前に現れたのだ。


「エルフの村を滅ぼせなかったと報告したらアクアシティを占領しろ! なんて言われてな、面倒だったから部下にやらせてたんだが、とんだ大物が来たもんだぜ!」

「それはこっちのセリフだ。前のリベンジ、果たさせてもらうぞ?」


 二人は互いを睨み合い、限界突破を発動させた。そして、ソウタはいきなり覇王も発動させた。前の失態を繰り返さないためだ。


「お! 今回は最初から全開か! いいじゃねぇか!」


 するとヴァイスが放っているオーラの色の質が明らかに変わった。まるで全てを飲み込む深淵のようなオーラだ。だがソウタも負けておらず、絶対的強者のようなオーラを放っている。


 そしてお互いが踏み込んだ瞬間、地面はめくれ、一瞬で鍔迫り合いの体制に入った。


「はっ! こんなもんなのかよ兄ちゃん!」

「んなわけねぇだろが!」


 ますますギアを上げるソウタに対してヴァイスもギアを上げていくがとうとう追いつけなくなった。


 数分間保っていた均衡をガキンッ!!という音で破った。そして、お互いが少し距離をとり、体制を整える。


「そうだ、この前のお返しするよ」

「どういうことだよ、兄ちゃん」


 ソウタがニヤリと笑いながら言うと、ヴァイスは不思議そうにする。


 そしてソウタが右腕を上げると、赤くて丸い球体状のエネルギーの塊ができた。


「お、お前! まさか!」

「その通りだぜ? もうこの街には手を出すなよ」


 そう言ったソウタが右腕を振り下ろすと、エネルギーの塊がヴァイスに直撃した。


「ぐっ! おぉぉぉぉ!!」


 だがさすが魔王軍の幹部というべきか少しの間は耐えていたがどんどんと俺のエネルギーが押し始めた。


「時間切れだ! 次こそ決着をつけようぜ! 兄ちゃんよぉ!」


 ヴァイスはそんなことを言うといきなり姿を消した。そして、ソウタの放ったエネルギーの塊はヴァイスという対象を失い、そのまま山の方へ飛んで行き爆発した。


 それはブラックフォレストを吹き飛ばしたことを思い出させるかのような光景だったので心配になり、山があったはずの場所まで行って調べた。


 だがなにもなかったので安心して街に戻って、セリス達がいる地下に向かって行くのであった。



  ✱✱✱作者✱✱✱


 ここまで読んでくれた方ありがとうございます!


 駄文、脱字、誤字は許してくださいませ!!



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