あの空に
彼女は
あの空が落ちてきそう
と言った
僕は
そんな馬鹿なことがあるか
そう返した
彼女は
もし今日までのすべてがなくなって
明日から別の人生が待ってるって言ったらどうする?
そう問いかけた
僕は
それでも自分であり続ける
そう答えた
彼女は
そっかぁ
とどこか安心したような顔で息を吐き出すと
じゃあ大丈夫だね
そう言って少しだけ笑った
これがあの日、僕と彼女が交わした最後の記憶
彼女が彼女として残せた最後の記憶
あぁ、もしもあの日に戻れたなら
僕はどう答えを返しただろうか
――彼女の傍らで僕は今でも彼女を待ち続けている
Fin




