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ノースラスト探検隊‐魔都にて、散る 

 

 

 気が付くと、魔都にいた。


 昨日はずっと、ソファーで寝ていのだ、わたしは。

 それで頭に変に血が行っていたのか、変な夢を見た、わたしは発狂しそうになった。

 

 ソファーで寝ていると、猫みたいな奴、影しか見えないのだが、飛びついて睡眠妨害をしてくるのだ。

 顔を弄られるのが一番嫌いな私の事、全力で抵抗した、

 顔に猫が取りつくと、とっさに払うが、影しか掴めないのだ。


 そんな事を百回くらい、夢の中で悪戦苦闘していた、ちなみに夢の中では夢とは無自覚で、わたしの中の現実だった。

 そして最後、

 猫を捕まえたと思ったら、異空間のような場所に移動する、その最中に捕まえたらしく、

 力場を逆行するアレ、わたしが猫を、その下半身を捕まえて、ひっぱていたのだから、可哀そうに。

 

 猫は、半身をエクトプラズマで焼かれて、骨のような有様になって、時期に死ぬのだろう、そこで目が覚めた。


 

 今日も夢現な感じだ。

 わたしは某スチームパンク的な、超越的な世界で生きている自覚がある。

 金髪碧眼と蒼目と緑目のミックス、オッドアイ、ちょっとメンヘラ入った電波系でちょっと天然、

 そのように己を客観的に見れても、現状は変わらない。


 わたしは私が、超絶に美少女で、可愛いらしいと知る、全ては自覚的だ。

 そう彼に好かれる程度ならば、その上限と下限を割らなければ、全てはどうでも良いと思えてしまう、

 だからソレゆえの夢現なのかもしれない、最近直観的に気づいたこと。



 また知らぬ間に移動している。

 ナイト小隊、ノースラスト探検隊は、定期的に場所を移動していることをまず自覚した。


 それも、魔術的な、呪いのような処置。

 全滅すれば、リプレイ、それを繰り返し、少しづつ未知を明らかにし、更なる攻略の為の足がかりにするという、、。

 明滅、身体が蒸発して吹き飛んだ感覚。


「っく、、、いたっ」


 何やら、だだっぴろい場所に出た。

 既視感のある船底空間、場所へと。

 薄暗く、底の方に金目の匂い。

 見ると、既に運搬に特化した隊員が、露骨な金品を粗方運び終えて、転送魔法で送っているところだった。


 全てが一瞬のうちに推移した。

 巨大な化け物が、小隊の防壁を遍く破壊、一瞬で己の懐に潜り込み、返す刀を無力化し、腹部に風穴が。


 一面がコンクリートだらけの空間。

 どうやら、全滅させられたようだ、

 全てが全て、意味がわからない、だがこれが、これこそが私のモノだと確信できる、平常どおりの日常運転。


 意味不明は何時もどおりで、よく分からない夢のような空間だ。

 とにかくコンクリートだけで、比喩なしでそれだけで構築された、広大なフロアみたいな場所だ。


 一度直接、状況確認。


「メサイアシステム・サーチ・オープンユアマインド・アタッチメントスフィア展開」


 自分がいた。レイジもカリンも、見える範囲に一緒に居た。

 間接的に、一度だけ、魔力を使った広範囲電波知覚。

 隊長含む、別隊が戦っていた、ツーフロア先、

 敵は巨大、恐らく敗北は必死、こちらにも別の奴が遠からず来る。


「そも、大概の敵に会えば、こちらは即時の即死が日常だからな」


 自嘲気味に呟く、ただ空虚に響きわたる、わけではなく、傍ら程度の位置に存在する盟友に向けて。


「モニター上で観戦するか?」


 レイジが無駄に立体映像を中空に投射し、見せられた。

 無駄な情報を見せてくるな、下らない醜態を見せてくれるな、言いたいが、彼ならばしょうがない、本当に惚れた弱み。


 ただその画面には、無残に敗残する隊長達の姿をが、一面を埋め尽くす。

 

 まあ本当は無駄じゃない、この戦いも、この映像も。

 無駄と断ずるレベルが違う。


 角度が制限されない立体映像だ、断片的に見るよりか、より観察に適する。

 聞いてた話とは、趣を異にする、怪物の内容と、敵、ナイトメアR・タイプジョーカ。

 それの発する口振りから推測、察するに、恐らく此処にも、同様の奴がくる予定になっているようだ。


 全ては無駄、泡沫の夢なのだから、全ての判断材料も、戦友の勇戦も。

 本当に大事なのは、ただただ戦う事だけなのだから。


「此処も、あそこと同じような作りに見えるな?」


 レイジが言う。


「いや、そうに見えても、同一の作り、法則の支配する場所ではないのだろう」


「そこだけ、作りは分かる」


 今まで黙っていたカリンが指差す場所、色彩の異なる聖域のような燐光の煌めく地点。


「ああ、そこは、な、だが圧倒的な力量差があるんだよな」


「その証拠だ、隊長たちがロストしたぞ?」


 レイジの言うとおり、隊長たちが惨殺されて消え去った場面がモニターに移される。


「さて、どうするオスカー?」


「どうする、と言われてもな。

 確死が確実ってだけで、どうというわけでもないが?」


 私達が話してる間に、カリンは周辺を散策している、割とゴミゴミしてるからな、何か見つかるのかもしれない。


「見習うか?」「おうよ」


 隊長達の居た場所には、何もなかったのだろう。

 だからといって、造りがそっくりのこの場所が、そうとは限らない。

 でもまあ、全体から漂ってくる雰囲気が同一、恐らくなんもない。


「明らかに何もないな」


「ジュースがあった」


 カリンが幾本持ってきて、「飲む?」と言ってきたので、私とレイジが受け取る。


「異なった文化の味だな」


 私は呟く、純粋に言って不味い、複雑に言って腐ったメロンを酸っぱくした感じである。

 隣を見れば、当然レイジもまずいまずいといった顔で、具合悪そうな顔しながら何事か呟く。


「よく注意して見てみれば、裏面に異界言語で、何か書いてあるぞ」


「ふむ、それもイルミナードが本国経由で解読済みの奴だな」


 埃が付着しているので払ってみれば、全部読めた。

 何でもない、ところどころ文脈が破綻しているのは仕様か?

 カリンがぼーとした顔で言う。


「賞味期限が、切れてる?」


「正確にはわからんがな、異界の他の物品とかの表記と照らし合わせると、、、怪しいな」


 注意力が変動する上で、隙を付く絶妙なタイミングだった。


 この柱、背を預けていたソレが爆発する。

 石礫を食らいながらも、前方に跳躍する。

 視界の端の、その陰は、両端のレイジとカリンを既に食っていた。


「なるほど、レイジ!カリン! 合わせて!」


 私は唯一の所持兵装、魔法の杖を一直線に振りぬき、周囲の法則を一瞬で解読・変容・拡散させる。


「メサイアシステム・オールレンジ・アタッチメントパージ」


 全空間に統合的な防御陣を散布、敵の奇跡的な奇跡、魔法のように原理不明の力場の介入を阻止。


「イデアネットワークに接続」「ヒルダーネットワーク・アクセス」


 レイジとカリン、ネットワーク生命体として、周囲に己の存在性を拡散させて、敵の攻撃を防ぐ、

 同時に、わたしの防御陣に介入し、攻勢の力場を生成、

 

「破滅のカギ! エクストラフュージョン・プラス2!」


 大規模観測者ネットワーク、彼と彼女の助力で、擬似想像されたメサイアの至宝を顕現、敵の力場を貫こうとする。


 だが、敵は、防御の構えすらとらず、全てを粉砕、

 強度不足、しかたない、わたしが、この程度の力場で破砕可能と推測したからだ、

 際限の無い運命力の抽出なんてできないのだから、どこかで攻性力場の上限を置くから。


 私は、柱に背を預けていたから、それが上手い具合にガードになっていた、他ふたりは知らないが。

 それでもだが、中空を全力で回りながらも、無気力気味に考えながらも、

 中空に力場を展開し、着地、それから、全力で前方跳躍、着地し、敵まで疾走し、

 致命的な攻撃、

 急ブレーキで、臨界越えた強制停止、反動で吐きそうになりながらも、後退、

 壁まで到達し、蹴り上げるように宙返り。

 先ほどまで己が居た場所に、夥しい針のような杭が縫いつけられるを、視界の端が捉えていた。


 後方から追ってきただろう敵が、その壁に激突、粉塵が舞い散り視界が最悪になる。

 だが敵に向かい合う、が、レイジとカリンを貪るのに夢中な奴らしか見えない。

 本体の敵は姿を消した、どうなっているのは分からない、推測も難しい。


 二人が死に、己が一人生きる、タイムロスを嫌うならば、ここでデスリスボーンが正しい。


 ならばと後方、壁に蹲ってうずうずしてる者、少ないながらも勝機に掛け突撃。

 ここで賭けの強い攻勢、次に来たときの接敵数を、さらに確立を低くし隠密行動を容易にする考え。


 存在の身に纏う圧力からいって、物理強化系、特有の波動が身を軋ませるようなレベルだ。


「死ねぇ!!!」


 ただ裂帛の気合を感想として声に出し、切り込む。

 

 先ほどまで”メサイアのカギ”の形状、だったそれは形を変え、ただの次元切断に特化した剣に。


「それで、どうなったの?」


 場所は変わり、既にわたしは戦場から遠ざかっていた、

 一瞬で攻防が終了したのだ、その間の思考も省略されているのだ。

 一瞬で終わり、省略された戦闘情報が、今に成って閲覧可能な情報媒体に成り、それを私は対手に話しているのだ。


 感想を聞いた奴は、するすると触手のような身から溢れ出させ、モノを一振り。

 人の目では追えない、少なくとも私の目では、何かがすぎったとも見えない。


「うーん、その程度の業モノじゃあ、ノースラストの、そのクラスの深度じゃ、高確率で負けて当然だね」


 私は折れた、絶対に何物も両断する、私の中では”確実”の設定だった愛刀も気にせず、

 ただ床を滑るようにバックステップ。 

 今まで座っていた、椅子と机が、自然と瓦解したような、

 そこから転々とバックステップ、伏せてた場所は次々と切り刻まれて、泣き崩れるように崩落する。

 他の二匹が、様子を見ているような、、はて、他にも四者ほども散見できる。


 どうやら敵の幻覚攻撃、まだ戦場からは、わたしは一歩も遠ざかっていなかったようだ。 


「はぁ、どちらにせよ、私は死ぬのね、、、死ぬかよ」


 敵が人並みの知性を所持するなら、このような戯言も効果があるかもしれない、ソレゆえの一言。


 諦観を持って呟く。

 これだけ絶望的な状況だ、大隊長の”覇道桂一”がいたらとか、そんな世迷い事でしかない発想が沸く。

 

 奴が見せてきたふたつの奇跡。

 絶大なる希望、圧倒的で途方も無い、闇やら絶望やら全部無くしてしまうじゃないかと思って、憧れ焦がれ寸分崇拝した。

 力やら強さやらを煮つめて凝縮したような、敵を蚊か何かのように磨り潰す光と見えた。

 それと、かなり規模は違うが、その似通った力を解放。


「メサイア、オールレベルコントロール軌道」


 最初から使えば良いと、誰かが言った。

 だが敵が知性体ならば、知っていれば最初からと、もう一人の私が言う。

 際限無い力は使えない、だが、どこかで誰かが、敵を少しだけ上回れる力にオートで制御してくれれば違う。

 実際その力は、行使に多大な運命力を消耗する、対価に、敵知性体レベルの希少種を捧げない限りは。

 

「拘束術式第七、展開」


 あの時見た奇跡とは、まあ違う、そんなフロアの景色が広がる、ああ、やはり奴とはまるで様子が違う。


「塵芥ゴミ共が」


 一振り、それだけで、幾十もの敵が雲散する。

 この場所が浄化された。


「それらは以前から、幾回も此処に直接跳躍してきた事があった。

 大いなる我らとは、そのものずばり、低廉な奴らは叶うはずも無しに向ってくる。

 周囲も敵を沈黙させた同輩の輩が佇む」


 どこからからの意志、メサイアの本部に居る誰か、

 高次元法則のリモートコントロール用に、直接わたしの中に存在しているのと同様レベルらしい。


「いやはや、下位存在とは、とはまた別物なのだと、再認識させられる、させてくれる」


「素晴らしい、ということを認識させてくれた」


「感覚的に、我らは確実に上位に位置すると、認識させてくれた」


 と、等々、どうやら単一でなく複数以上、人の身体の中で雑談しているよう。

 

「静かなる達成感は我も同じ」


「ああ、己の内なる世界では感じられない、圧倒的な外なる世界での上位者としての実感に身が震えずにはいられない」


「考えをまとめると、只管に快感があった、満足が、欲望が、嗜虐心が満たされた、といったところだろうか?」


 こちらへ、背後から、無遠慮な呼び掛けある。


「レベルが上がったか?」


 己の意志で振り返れば、大隊長官、覇道圭一だった。


「どうですかー? ヒルダ卿、やつらの存在意義とは成長、進化、昇華、限界への挑戦、それのみの生、壮観ではないでしょうか?」


「う?

 しょもない、くだらん生だがー?

 殺風景すら感じさせる、我に何も感じさせはせんわ」


「そうですか?

 殺風景も果てなく繰り返されれば、色を重ねるが如し、味が出てきませんかねぇ~?」


 紅墨を塗ったような、ようなか分からないが、このだたっ広いコンクリートの空間でも特異な彼だ。


「何物も価値がない、強さだけが有意の空間において、彼らは無為に、無力に、果てた、ただそれだけだ」


「はたまた、それは悲観的な見方ですなぁー。

 やつがれは、既に何度も蘇っている、その奇跡は、ある意味で脅威に値するのではないでしょうかねぇ?」


「転生に明け暮れてるだけの、ゴミだ、辺りをうろちょろと、目障りに駆け回る薮蚊の如しよ。

 根絶やしにしていないだけだ、我が気を出せば、たちまち滅せられる」


「そこらじゅうを転々と転戦している、と聞きます。

 その点をへ点々と赴いていたら、身体が幾つあっても足りませんぞ?」


「確かに、矮小な存在相手に、そんなしてる様ときたら、惨め過ぎて、今もって死にたくなる」


「はあぁ、まー、それはしょうがない、降り掛かる火の粉を払うしか手が無いというわけです」


「何とも、言い難い苦しみだ、だからこそ、偶の機会に積もった恨みで、すり潰し甲斐があるというかぁ」


 我の愉悦交じりの声に反応したか、宙に浮く燐光達が一際輝いた。


「、、、、は予想通り、彼女、自分の後ろを歩く自分に気づかず。

 魔都、中核市の一部、と、こちら側では認知されている空間、にて。

 ナイトメアRタイプジョーカの、指令級存在を特定して、その姿を認めたが、当の自分はまったく手を出していない。

 エイドと今は呼ばれる自分は、彼女の後ろに侍りながら、自分から話し掛けて、正体を露見させるのだ」


 メサイアの意志で、頭が可笑しくなっている私は、そのような言葉を超知覚でとらえる。

 先ほどから、普段のわたしの語り口で無い事を、いっさい指摘せずに覇道が関わってくるのだが、どういうことだろうか?


「ふあぁ」


 彼、エイドと呼ばれる存在は、何時からか、私の傍に居る頻度、時間が事が、多くなった、気がしなくも無い。 

 このような感慨が湧く位、意味不明な過去の記憶が、どこからか流れ込んで、蓄積されていく、次第に壮大な歴史が彼の間に生まれた。


「大概ひとりで勝手に喋って、私の機嫌を取るかのように続ける気か?」


「たー。広い家が欲しい、広い広い、世界が、命が、欲しい。

 いつ、いかなる時に、尽きるか分からぬこの身。

 どれほど過酷で無常の不幸が、幸福が、訪れるか分からぬ、、この灰色の地にて、我は何をすれば良いのか?」


 まったく掴めない、掴む気もない真理に想い煩い、世界を階層をフロアを見回す。

 そうしつつ、焼きが回ったか、昔より明らかに適当さが目立つ所業、もう先は長くないのかもしれない。


「とは言うもの、既に磐石、今回無上に鉄壁。

 ほとんど純粋に最強の我と駒を集めてある。

 何もする必要がなくなるほどに、ただ在るのが目的に至ったかぁ」


 それでも、超越はできない、デス、死、燦燦と灼熱が身を焦がす幻想、悪夢。

 惨憺たるの、生存を伸ばす。

 力を延命させ、死への猶予を、期間を延ばすため、今日も割ときっかりゴミを排する。


「それでは次の戦場へ、ヒルダネットワーク、その完全なる完成への完成へ、覇道、エイド、向かいましょうか?」


 わたしは転移を選択した、二人もそれに続くようだ、その次の瞬間には全てが暗転した。


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