不連続に連綿な素敵‐世界の七大究極ゲーム要素
「ゴミ共が、また何か新しい派閥を作ったみたいだな」
世界は、幾つかの究極的な行動理念、絶対的価値観によって分かれている。
第一はわたし、自由派、俗称、解放者・ARO・アライエンスリベレイターオーガニゼイション。
その他それぞれ、愛情派、世界派、観測派、絶対・神格派、虚無派、絶無派。
そして新たに、すべての価値観を内包し、しかし絶対に強制しない事を規律とする。
目に見える規範なき、しかし秩序的な世界、彼らはその理想的社会を目指すのだろう。
名は、矛盾派、といった所だろう。
まあ、どのみち人間の行うことだ、すべからく絶対の理想など絶対にありえない。
下らない存在達がやることだが、中には見るべき階層、強度の事象・現象・存在・世界・ゲーム要素が見られるかもしれない。
せいぜい、観測に値する事を願うか。
「おい! 売名すんなぁ!こら”!」
うるさいなぁ、横手から声がする。
「なに? ナルディア?」
「ナルコきみぃ! この勝負に売名行為は認められないぞぉ!」
はぁ、そんな規定はあっただろうか?
いま、わたしは勝負事をしている。
さきほど言った派閥の党首達で、ラブロマンスみたいな小説を書いて、ある方式で競っている。
勝てば、アルドという存在とデートできる商品がある。
わたしは彼を、この世界でもっとも観測価値のある面白い存在と認識する上、全力を出すことにした。
「なんで一秒ごとにぃ! 超売名すぎるよぉ! ウルトラギャラクシィーー売名行為! ルール違反!」
「うるさいなぁ、わかったよ、やめるよ」
やめた、他の三人が、胡乱げな視線をくれる。
「すでに、かなりのアドバンテージを得てるようですが、どうするつもりですか?」
今の台詞は、彼女、リリー副将軍の言。
世界、あるいは秩序派の実質的な党首、毎日常に世界の為に生きることしか絶対的に考えていない人、存在。
「そうだぁ!! どう責任とるつもりだぁ!うがぁあああ!!」
第一にわたしの行為を見抜いた、ナルディア。
愛情、あるいは混沌派の絶対党首、常に破綻した愛情に突き動かされる、ある意味で破滅的で崩壊した人格。
「いいじゃん、目を瞑ってよ」
私はそう言う。
わたしは己の行為に、その結果に、一切の不実がない。
観測、あるいは幻想の盟主として、当然あるべき姿なのだから。
ただただ、己の欲望に忠実に、絶対的に従い、世界を己を観測するだけなのだから。
これら過程をすべて踏まえた、結果的行為だ。
絶対に、これを許さない、認めないなんて、わたしを全否定するのと同義だ、ならば戦争だ。
「ずるいですね。
わたしが勝利する結果ならどうでもいいですけど、仮に敗北したら、どうでも良くないです」
良くわからない発言、繰り出すのはルヘル。
虚無の盟主、世界を無に帰したい
が、世界が絶対上位に変わるなら、希望を見出して、世界を自らそう変えたいとも思う。
復讐者でありながら、救われたいとも思う存在。
「どうでもよくはないか?
どれほどアドバンテージがあろうと、所詮は有限大。
神に比する、運命を引き寄せる力を持っていれば、それは如何ほどのものか?」
なんとなく超上位者の貫禄を感じる、神様みたいな見た目のハイネは徒然言う。
神格、あるいは絶対の盟主。
己の信じる絶対の神の為にのみ生きる、無限に無限大の神格に至り、至り続けるための存在。
無我の境地で、神と邂逅する事のみを常々想っている、しかし無我では、、、。
という、わたしでは理解できない、絶対の不可能に、絶対不完全存在で挑戦する、見方によっては究極の馬鹿な人。
「もういいやぁ!! アルド将軍! 君が判断してくれたまえ!」
「俺が? まあいいけど、読むから待ってくれ」
彼が、この事象の中心点、なのか?
災禍をその身に、この場みんなの一心を集める存在、アルド。
矛盾、あるいは葛藤の存在。
こんなに盟主、始祖級クラスの存在、その関心や興味を複数以上集めているのだから、ただモノじゃないと想う。
最高点か、至高点か、盟主なのか、まだわたしにも分からない。
裏に究極的情報生命体、それに特有のネットワークが見られないので、たぶん盟主ではないだろうが、どうなのか?
「どうなのだぁ!! どうなのだぁ!! わたしのラブロマンスを実践したいよなぁ!!!」
アルドは全て読み終えたようで、ナルディアに詰のられ、困った表情をしている。
「えと、同立一位で、、ダメ?
正直な話、全員目から鱗なレベルで、順位がつけられないっていうかぁ、、」
はぁ、まったく甲斐性のない話だ。
「ダメぇ!
無限に最小単位の、ホント僅かな差でも!
アルド将軍の究極の判断力と決断力で、順位つけてぇ! わたしを一番にしてぇ!
限りなく無限に難しいだろうけどもぉ、魔本や禁書レベルの解読解析みたいな感じになっちゃうけどぉ、、。
ちゃんと判断すれば、たぶん、いや!絶対わたしが一番だろうからお願いぃ!!
わたしが一番アルド将軍を愛せているって証明できる、絶好の機会なんだよぉ! たのむぜぇ!」
なんか面倒くさい話になりそうだ、ちょっと提案しようか。
「ねえ、わたし達が創造した情報の、どれが一番の上位概念か、知れればいいのよね?
それ、神格レベルの難易度の技術が必要だけど、それくらいのなら、全員でやって手早く済ませない?」
「ダメダメェ!それぇ!
一番の上位概念なんて意味ないよぉ!
出来るだけ上位の概念を見つけて、それを創造する勝負なら、そんなのアルド将軍への愛の強度と正比例しないしぃ!
アルド将軍の主観を交えての、最高上位概念の話なんだから」
「はぁ、、。
だったら、禁書解読、解析レベルの、果て無い、どれだけ続くか分からないコトワリを、今から突き詰めるわけ?」
「そうそう! 真のコトワリを判断してもらうのぉ! それこそ真の愛だよぉ!」
「それ、それぞれを、強度的に見るだけじゃなく、彼が自身の好みも合わせて見極めないといけないわけ?
愛なんて問いかけを、双方向的に連鎖相乗で限界まで重ね続けて、果てに見える真理を見続けて、真の答えを出すってこと?」
「うん、まあ、明日の朝までを期限で、お願いするねぇ」
それじゃー解散っとお開きになった。
全員が退散した居間で、わたしは彼に言った。
「手伝おうか?」
「いや、これは俺一人でやらないと、意味無いからなぁ、、」
「それじゃ、出来る限り一人で頑張って。
って、わたしは全力をもって応援しておく、その意志がある表明をしておく」
「ありがとう、それじゃおやすみ」
「うん、おやすみ」
明日の朝が楽しみだ。
わたしはこの勝負で、わたしが勝つ事を望む。




