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エクストラシャペルン大学譚報-物語の観測



「つまり、君が言うには”この世界”は、夢であると?」


 そうだ夢だ。

 こんな意味不明なシチュエーション、全て状況を説明するまでもない、完全無欠に、夢だ。


 あー説明を省きすぎたか? 今、俺は寝て、この有様、変な夢を見ている。

 起きれば忘れるかもしれんな。


 まあいい、いま脳がとっさに事態の整合性を取るために、高度な機能だ、本当に凄い、目の前の偉そうな女の人の情報を、

 あらかじめ、俺が知っていたかのように、そう遥か以前から、生まれる前の太古の昔から、馴染みあるかのように、

 そう、情報をくれた、かのように、初めから、知っていたかのように、本当に凄いよ、苦笑が漏れる、そうになる。


「そうだよ、学長、この世界は、俺が午睡の後に見た夢。

 そうだね、この夢というのは、凄まじく面白い。

 リズミカルで、ダイナミックな、3Dな、勝手に編み出され、今でも解明されていない、解明されても不思議でしか、絶対にありえない。

 学長、宇宙の終わりが、もし仮に、、、解明されても、その神秘さと、神聖性が、決して失われないように、

 夢というのは、実に興味深い、探求と研究、考察が尽きない、無尽の開拓地、フロンティアのようではないだろうか?」


 学長は机に頬付けをつき始め、露骨に興味無さそうだった、まあいいさ、どうせ俺の見た、見ている夢の話だ、誰かに呆れられてもノーダメだ、はい、割と強がってますお、でも、それがなにか?

 誰に言ってんだか、自分で自分の脳内思考に、「はあぁー」って感じに(AA略する、本当なら夢から醒めた暁には、この見た、面白い興味深い内容を、非常に脚色して小説にできたら、良いと思う、

 まあ、小説にできるかどうかは、見た内容の面白さの強度によるんだが、大抵は、起きた後の俺が、面白可笑しく誇大広告のように、脚色しまくっても、小説化するほどでもないのが、大抵の大半だが)。


「なにか、面白い事が、あるのかな?」


 俺がニタニタして、気持ち悪く気色悪く、脳内妄想に花を咲かせていたのが、不遜だったのか、

 学長は語る様に、本当に、偉そうに言う、本当に偉そうにするのが様になるというか、とにかく偉そうな人だと、そう思った。


「話を戻そう、君はアレか? この世界が夢だというなら、”報告書”にあった、”世界”、それが真の、本当の、唯一無二の、真の世界だと、そう言うのかね?」


「ああ、そうです、少なくとも、この世界が、その、真の世界と肯定する位なら、非常に、非常に非常に、妥当性のある、健全で、正当性のある、理論で根拠のような気がしますが」

 

 学長は俺の言っていることを咀嚼するように、頷きながら、先を促すようにする、だがもう俺には語る事が無いと気づくと、自ら話し出した。


「では、君の”世界”の話の、まあ私から言わせれば、それこそが君の”夢”のような世界なのだが、その話をするとしよう。

 まず、君の言う世界は、発生するだけでも、、、

 そうだね、「巨大な機械などの粗大ごみが満載されたトラクター」、想像して欲しい、

 それをゴミ収集所に持っていく、そして高い場所からゴミ溜めに放り込むのだが、その過程で、ゴミの歯車や、なにやら、それが絡まり合って、奇跡的にボーイング号ができる位に、可能性が純粋に低いのだよ。

 さらにいえば、そのボーイング号の部品だけを集めて、それだけで、ゴミを作っているわけでは決してない、

 たまたま、その日、ボーイング号のスクラップだけが、一品の過不足なく、不純なゴミもなく、奇跡的にランダム抽出で集まった、という奇跡に奇跡を上塗りしたような、そういう事実の結果に基づくのだが、

 まあ、

 何が言いたいかと言えば、君の言う世界が、全知全能の神による操作なく、偶発的に発生した事を受け入れるには、それだけの強い奇跡、高度で果てなく、幾何級数的に難度の上がる、そんな奇跡が必須なのだ。

 だが、私から言わせれば、”そんな都合の良い奇跡や偶然”それこそが、絶無に、絶対に無いのだ、と言いたい。

 宇宙が発生する、それだけで、ゼロに幾らゼロを重ねても無理筋な、法則や諸法則の構築、惑星と太陽の位置関係など、マクロに思えるほどの、無限大にミクロになり続ける難題が、星の数ほど、あり過ぎるのだよ。

 だから、

 君の言う世界の方が間違っている、それこそ”夢”か何かの、世迷い事の類だと、私は言う。

 もっと言えば、人間という、偶発的に宇宙に発生した知的生命体、これが致命的に世界の、”発生”難易度を上げるだろう。

 タンパク質と呼ばれるモノが、仮にあるとするが、それが地球という場所に”偶発的”に発生する確率だが、これも宇宙が発生する、先に話したボーイング号が突如出現する位に、純粋に”ありえない”確率だ。

 まあタンパク質ができる、ゼロが一になる事に比べたら、人間という知的生命体が発生する確率は、ワンランク難度が下がる。

 だが、それでも、

 タンパク質が発生する、知的生命体が生まれる、そもそも、その前に、宇宙が、なんの神の介入、法則の介入の余地なく、自然発生する、これに比べたら、全ての全てが、絵空事に思えるくらいに、本当に、本当に、

 ありえないくらいの可能性、確率、それは奇跡を無限大に、無尽蔵に積み重ねても、足りないのだよ。

 そして、一度でも君の言う”宇宙”の発生が、仮にあったとしても、悪質な知的生命体の発生やら、一生宇宙が発生しないような、そんなディストピア的な、破綻・崩壊的な可能性世界、確率を引けば、

 一生這い上がれないくらいに、絶望的な状況にもなりうる、わけだが、ね。

 たとえば、

 君の生きる世界で、外宇宙、宇宙人はいるか? いないだろう、技術的な特異点状態で、全てが可能になって、光速を遥かに超える移動、諸情報伝達手段が実用化されて、果たして、いるかもしれないが、

 それでも、現状は宇宙人はいない、、、君、聞いているか?」


「いや、まあ、聞いてないんですが、楽しそうなので、学長は、続けてどうぞ、、、」


 欠伸がでる。

 こんな場面はカットだな、と、俺の冷静な部分が告げる。

 学長は美人でカッコいい、Vtuberにでもしてあげたいくらいに、だが、この場面をリアルタイム配信でも、できない限り、それは無為だ。

 俺が商業ガンガン売れるレベルで、その強度で書けなければ、人って救いようが無いレベルの”弱者”は救えないし、なによりも、”俺”が救えない。


「まあ、そうだな、話の切り口を変えようか」


 学長は、俺に呆れられるのを焦ったように、アセアセした様子を取り繕って、話し出した、俺の方は呆れられても大したことないのに、リアルの人間は大変だなと、そう思ったのだった。


「その世界は、報告書によれば、君はニートで、どうしようもない人間だと、そう聞いているよ」


「ああ、そうだね、俺も学長のように、焦った方が良いですか?よかですか?」


 俺が学長をからかっても、それは楽しい子供の児戯だと、学長の羞恥のアンテナに触れないようで、笑って返された、この人の感覚は本当に知れない、おそらくオネショタ系だと、俺は睨んでいるのだが。

 まあ、そもそも、俺のような奴を個人的に招いているわけだが、おっぱいの大きくて、そして年下好き、まあツーアウトって所か、これでテコ入れがあったら、ほとんど個人的には”確定”だと思っている。


「それで、君は”商業ガンガン売れる”ような小説を、書きたい、執筆したいようだが、まあおそらく、無理だろう、私も報告書を全部みたかぎり、一生を費やしても、

 ”おそらく”という表現がぴったりなように、無理な、実現可能性の非常に低いようだ。

 それで、そのように夢の実現可能性が低い、絶望的な現実世界を、君は本当に夢でなく、夢のような世迷い事の世界でなく、現実として、この世界を夢として、定義して、真剣に生きない、本当に、そのつもりなのかね?」


「まあ、そうです、そういうことですよ、非常に口惜しいですがね」


 そういうことだ、あの世界を真なる現実と見てめてやる事も口惜しい話だが、

 こんなヘンテコな世界を真の世界だと定義する位なら、俺は最大限の賭け金、ベッドしたい位に、あの世界を真と取るのだ、そうだろう?


「どうしたら君に、私との真剣な交際を認めさせるか、私は最近、そのことだけを考えているのだが」

 

「おっと、スリーアウトしますか?オネショタ学長」


「???なんの話だろうか?前後関係が不明だが、勘違いさせたら申し訳ないよ、今のは軽いジョーク、冗談だから、笑って流してくれると、本当にありがたいね。

 学長ジョーク、おちゃめさも最近は学んでいるのだよ、君と関わるからね、円塚にしたいからね」

 

 そういって、手を使って、なんか取り繕う、ジェスチャーをする、ふむ、まあスリーアウト回避、ギリギリツーアウトツーストライクくらいか、まあ今は見逃しておくか、危険人物認定はしないでおこうか。

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