素晴らしき日々と世界-アマテラス降臨、イデア界隆盛にて★★
超・究極的情報生命体によると、最近イデア界、或いはイデア会の様子が可笑しいとの話。
「遂に、単独で”真なるアカシックレコード”を支配できる存在が現れたの?」
「そう」
端的に、事実だけを知れる回答。
真なるアカシックレコード、他にもラプラスの目とか、色々言われるソレだが。
ずっと昔から、イデア界の何処にでも合ったモノである、いや、アクセスを試みる事ができたモノ、と評すべきかね。
しかし、どんな神でも、それを完全に制御・支配できるものは居なかった。
私達は言うに及ばず、絶対性を持たない人間では、扱えない神器に分類されるモノがそれ。
それを、最近自由自在に操れるモノ、神が現れたとな。
上からの報告は無かった。
下位世界の、分身である私に報告が無い以上、リリーとの情報共有に、その過程に、価値でも見出したんだろうね。
「それで、どんな神がソレを使ってるの?」
「境界線からの神、森羅万象全てを照らす神、アマテラスと識別される存在」
境界線とな。
唯一無二にして絶対、イデア界の根幹である其処ソコ。
境界線とは、至高点であり最下点、果てに位置する存在階層・段階・次元・水準でありレベル。
今まで、其処から出現する神は居なかった。
そういう話ならば、全ての神は絶対服従だろう。
今まで存在していた全ての神は、所詮はイデア界から降臨しただけの有機物でしかないのだから。
仮初の絶対性に、本質的絶対性だ。
絶対を信奉する神達に、絶対の存在足りえるだろう、例えるなら神の王だ。
だからか、最近世界が更に分割されたような気配がしていたのは。
現実世界を二分から、三分割に、幻想・夢想世界を含めれば、四分割する時代に突入するのか?
全ての神を束ね、更に究極の神器、私達と同等の階層に到達できるだけの見込みは、十二分にあるだろう。
それらを可能にした、恐らくは、完全である真なるアカシックレコード、それの基本特性を鑑みれば、もう彼方此方で戦禍が繰り広げられているだろう。
「幻想世界はどうなってるの? ナルコちゃん」
「知らない、情報が入ってこない、一片も」
面倒くさそうに、ベッドで、最近ずっと漫画だけしか読んでない人に問うと、面倒くさそうに応答があった。
「私たちもだよ、知れない? 知りたいんだけど」
単純な知的好奇心だけで問う。
まあ、大変な事態にはなってないと、想像できるが内情は知りたくなる、そんな野次馬根性的な動機である。
まあ、真なるアカシックレコードと、アマテラスという存在がどれほどのモノか知らない。
だが、私達で不可能だった、幻想世界侵攻を可能と出来るならば、とっくに私達は消されているだろうしね。
イデア界も、幻想世界と同様の性質を持つがゆえ、イチバチか可能だと思っていたのだけど、やっぱり根源が相違だったらしい。
絶対性と有限大性と無限大性。
神と人と夢の戦いになるだろう、各々のステージだと、どうしても勝負にならない、とは思っているのだがね。
そんな事を考えながら、会話を続けていると。
誰かが降りてくる気配がした。
アルド将軍だ。
それで私の近くに寄ってきた、なんだか他二人に対して勝手な優越感を抱く。
「おはようだ、雁首揃えて、なにしてた?」
「内緒話」
「そうか、興味ないね、俺に聞こえないように続けろよ」
「なに言ってんだ、アルド将軍も入るんだよ」
肩を組んで、グルーミングの体勢になって輪に入れてやる。
「お前らの、スピリチュアルでオカルト話はうんざりだ」
「でも事実だよ、興味ないの?」
「事実だろうが、現実に関係しないなら、フィクションなのと同じだ」
「ロマンの無い事言うね」
「だろうよ、俺は淡白で冷淡なんだ、ほっとけ」
「最近、私に冷たくない?」
「ごめん、アイツのせいで、変に気が立ってるんだ」
アイツとは、アルド将軍の、最近は宿敵か、はたまたツンデレラブコメパート担当キャラっぽくなってる、ナルコちゃんのこと。
「まあ、いいんだけどね」
「そうか、ならいい」
それだけ言って、どっか行ってしまう。
昨日、相当な舌戦を繰り広げ、最終的に一方的にやり込められ、半泣きまで追い詰められたからだろうか?
そんなアルド将軍の後姿を、ニタニタ顔を漫画で隠していたナルコちゃんが見ていた。
「彼、心に闇でも抱えましたか? 目が虚ろで、生気が余り感じられませんでしたが」
「どうでしょう?、、、どうしましょうか?」
リリーが一人、考えあぐねるように応答。
そりゃそうだ、仲良く喧嘩するの典型のような二人の構図、彼女としては対応をずっと決めかねているらしいのだな。
「見ていて楽しいですし、オーケーという方向性で」
私は私で、立場気紛れ、面白ければなんでもいいんだなこれが、曖昧に対して絶対的方針を貫くのであった。
午後を回った頃だろうか、インターホンが鳴る。
「はい、アマテラスさん?」
「そうだ、良く分かったな、流石だ」
「いえいえ、それで、如何なご用件ですか?」
聞く所によると、彼女アマテラスさん、まあ、下位世界なので、全てが擬似的な存在なのだが、あるいは劣化ヴァージョンとも。
ナルコちゃんに用事らしい、果て、何か興味深い要素が、彼女にはあるのだろうか? とか疑問を持った振りしてみる。
「ふむ、確かに、彼女からは片鱗が垣間見える」
ベッドで寝転がるナルコちゃんの至近、瞳と瞳がくっ付く、それくらい見詰め合っている、逸らしたら負けなゲームでもしてるような図。
ナルコちゃんの、今だに曖昧ながら把握した性質上、嫌がりそうなモノだがね、この接触。
最近富に、アルド将軍との応対以外では、なぜか無気力になった所為か、特にソレに嫌がらず、ジトジトとした視線に晒され続けている様子が伺える。
「片鱗って、何かな?」
試みに聞いてみる。
「無限大を感じれる、そういう何か根源から来る、深淵のようなモノだ」
まあ、それは感じれるだろうね。
ある意味で、ナルコちゃんと彼女は同一に近い存在強度だ。
一方は下位世界の最高神、もう一方は幻想世界の混沌の主の、その一端末なんだし。
「貴方、、、なに?」
ナルコちゃんが、妙にキラキラした目で問う。
「私はテラスだ、君は?」
「ナルコ」
「そうか、今から、二人で何処かに行かないか?」
「うん、行こう」
最近の物ぐさが嘘のように、軽快な動作で立ち上がり、二人でどっか行ってしまった。
「彼女達、どうしたのかな?」
様子見に徹していたリリーが、私に問うてくる。
「さあ、絶対性と無限大性、対概念っぽいし、惹かれあったのかな?」
「私たち、惹かれあってないけど?」
「私達は、あれだよ、同属嫌悪っぽいアレだし」
と、適当に答えてみたが、別に惹かれてはいない訳ではない、とか、今更言うのは恥ずかしいので、やめておいた。
それにしても、燐光凄まじい人だったな。
客観的に見て、凄く神っぽい人だったのだ。
金色っぽい銀に輝く長髪、膝下くらいまであるソレが、中を舞うと、なんだか光の粒子すら見えていた気がするし。
容姿も凛としながらも、圧倒的覇者の風格を併せ持ち、女性として見ても、長い睫と艶やかな様が眩しいくらい映えていた。
「どこ行くの?」
私が着のみ着のまま、ドアから出ようとすると声。
「ストーカー」
「行ってらっしゃい、いや、私も外に行こうかな」
玄関で靴を履きつつ、リリーに問う。
「アルド将軍の様子見?」
「うん、一人にしようと思ったけど、やっぱり気になるし」
「そうだよね、じゃあ、そっちは頼むね」
「うん、それじゃ」
方向が逆なので、家の前で別れた。
今わたしは、喫茶店の中にいる。
適当に変装して、二人を見ている。
だがしかして、彼女達二人、特に話そうとせずに、お互い目すら合わせていないな今は。
ナルコちゃんは、外では何時もの事、アイフォンでマンガ見てるし。
大してテラスさんは、なんだかぼぉーとした表情で、外を見ながら飲み物をストローで飲んでいる。
私はそんな二人を、大きな新聞紙を盾にして、チラチラ盗み見ている。
ホワイトカラーにとって、更新される聖書とも言える、ニューヨークタイム誌の今週号には、興味深い記事が載っていた。
これを話題に、二人の仲に割り込もうかと、すっごく迷ったが、でも、まだ様子見しよう、二人だけで楽しい感じになるかもしれないしね。
「ねぇ」
ナルコちゃんが、徒然なるままに眺めていたアイフォンを机に置き、話しかけた。
「な、なにかな?」
「私に、興味があるんだよね?」
「そうだ、、、君は、私に興味が沸くかな?」
「、、、まあ、多少なら」
「そうか、良かった」
「別に、ちょっとだけだし、あんまり、調子に乗らないでよ」
「もちろん、了解してる、嫌がるような事はしないよ」
「ふーん、それで?」
「それで? とは?」
「別に、なんでもないけど」
「・・・・・・」
あれ? 良い雰囲気か、果たしてそうでないのか、微妙な感じになっているのかね? これは?
「貴方、アマテラスなんだよね?」
「そうだ、テラスと読んでくれると、嬉しい」
「そう、私はナルコ」
「そうか、ナルコか、分かった」
「テラス、、、よろしく」
「うんっ、、うん!」
なんだ? このまるで、初心な学生カップルみたいな遣り取り、むず痒くてしょうがないぜ。
「貴方の世界、絶対って聞くけど、具体的にはどうなってるの?」
「うーん、説明は難しいけど、強いて言うなら、全てが完全に完璧に整っている世界かなぁー」
「秩序勢力みたいな感じ?」
「一概に、そうは言えないかも、、、」
「ふーん、詰まらなそう」
「うん、詰まらないよ、ナルコが生きてるような、無限大に続く世界の方が、私は好みだな」
「今は、其処で生きてないけど」
「そうだったね」
「だから?」
「なにかな?」
「だから、テラスはココに降りてきたの?」
「いや、ちょっと違う」
「ならなぜ?」
「直接幻想世界に行きたかったけど、さすがに侵入できなくて、とりあえずココに来た」
「そうなの、そして、私達を見つけたの?」
「というより、君に興味があってね」
「私に?」
「そう、幻想世界で生まれた、君に」
「わたし、何も特には持ってないけど」
「持ってるよ、無限大を根源にしてるじゃないか?」
「??? はぁ?」
「気づいてないの?」
「いや、気づいてるけど、それならあの二人も一緒じゃないの?」
「違うよ、彼女らは、根源的に人間だから、曖昧を突き詰めた無限大、君は絶対の無限大を持っているんだ。
それが、堪らなく魅力的に映るんだ、わたしには」
「よく、分からない」
「多分、この気持ちは、ずっと君には分かってもらえないように思う」
「私の事、好きなの?」
「う、うん」
「それじゃ、、付き合ってあげる」
「え? どうして?」
「知らない、好かれると、好きになるから」
「好きって、君の事好きな人を好きになるって、、、」
「言い方を変える、私を本質的に、根源を好きになってくれるから、とかは?」
「いいの? そんなので?」
「いいの、付き合うって言うのは、ずっと一緒にいるって約束だから」
「約束?」
「そう、約束、するんでしょ?」
「うん、するよ」
「それじゃ、交換しよ」
うえぇ、大分あっさり約束したな。
てかいいのか? 混沌の主よ、仮にも端末が、下位世界とはいえ、神の王と契約したぞ。
まあ、いいのか。
私とリリーが手を組んだ場合の、連絡のパイプとして、使えるかも分からんしね。
なんだか、大きな約束を取り付けた二人に、合わせる顔も思いつかず、家に帰る事にした。
「アルド将軍、だったらやはり、ここはガツンと言うべきかと」
「そうだな、もう今日と言う今日は、家から追い出すレベルで言ってやる」
「なにしてるの二人とも?」
「おお、帰ったか、おかえり、ナルコの馬鹿野郎を倒す会議してたんだ」
「ただいま、いいね、私も参加してあげよう」
「リリーとナルディアが居れば百人力だなぁ!はっはっはぁ!!」
なんだか楽しそうっすね、、、妬ましい話である。
「では、何か策を、、、」
リリーちゃんが、真面目腐った副官みたいな感じで、言葉を告ごうとした瞬間。
「ただいまですぅー」
「ただいまだ」
玄関から、二人分の声。
アルド将軍が生気に溢れる顔で立ち上がり、下に向かう。
「おらぁ! なにわれの家と勘違いしてんだぁ! お邪魔しますだろがぁ、あ????」
固まる彼、隣に控える私たち二人も、ちょっと目を丸くした。
ナルコちゃんとテラスさんが、恋人繋ぎで手を繋いでいたので。
カップルっぽい、そんな領域に、神聖なモノすら感じるオーラが出ているようであるね。
「少年よ」
「はっはいぃ!」
「よきなに、私のナルコに、優しくしてくれないかな?」
「はっはいぃ!!!ご、ごめんなさいぃ!!!!」
「ちょ、アルド将軍、流されてるよ」
「そうですよ、言ってやるんじゃないんですか!? 男を見せるときですよ?」
このまま、彼がしてやられるだけというのも、なんだか面白くないので、リリーの方は知らないけども。
「そ、そうだった。
あのですね、彼女、ナルコは、そのですね、、、?」
「うん? なんだ?」
「はぁぁ」
ナルコちゃんが、溜息を吐いた。
「テラス、彼を、二人で苛めてくれません?」
「はぁ」
「苛めるのですよ、彼は叩けば鳴る楽器です、面白いのですよ」
「羨ましい」
「、、、、ふざけるなよ」
アルド将軍が、積年の恨みが重なったような声を出す。
「苛められるのが好きな、被虐趣味な青年なのですよ」
「まあ、確かに、ナルコは女王様っぽい気質もあるからな、そういうのが好きというのも、ありえるのか、、、」
「ありえねえだろがぁ!!!よくよく頭を働かせろ!」
遂に切れたッぽい、いつもの流れである、さて見ものであるから、ちょっと下がってよ。
「ほら、見てください、途端生気を取り戻したような感じになってます。
嬉しいのでしょう? わたしに構われて、私も、貴方を見下し侮蔑し、毒舌するのは、悪くない、これはウィンウィンな関係」
「知るか! ド腐れがぁ!」
「ちょ、少年、言葉がわる過ぎないかぁ?」
「それは! その少女に先に言ってください!」
「、、、ご褒美、そのように、取らえないか? 捉えてくれないか?
実はな、聞いてる分には、あれなのだよ」
「どういうことだぁ!!」
「、、、言わせてくれないことを望む」
「面倒くさいですし、多数決しましょう、賛成の人、挙手」
「おらぁ!こらぁ!ナルディア! なんでお前手上げてんだぁ!」
「え? だって面白そうだから?」
「質問すんなぁ!手下げろ! だいたい多数決ってなんだぁ!いみわかんねーよ!」
「決まりですね、多数決により、この関係は可決されました、従ってください、ゴミ虫けら」
「くぅ!!さらっと普通に馬鹿にしてぇ!!」
「馬鹿にしてませんよ、馬鹿を馬鹿にして、馬鹿にした事になるんですかぁあ???」
サムズアップしてジト目、おおぉ! 確かにコレは、傍から見る分には面白い!いいぞぉーこれぇー!って感じである。
「、、、うわーん!!」
「おっとっ!」
テラスにぶつかる寸前で、彼女自身が俊敏によけて、アルド将軍の逃避通路を開ける。
「あっはっはぁ!面白いぃ!」
アルド将軍の背中に指差して、けたけたきゃっきゃっうふふにゃはにゃは、心底面白おかしげに笑うナルコちゃん。
「くっくぅっく、今日も良いもの見せてもらいましたぜぇ!」
「いつも、こんな?」
「うん? ああええ、、、いつもより、軽いくらいですよ」
こまった顔のリリーが、テラスにそう苦笑紛れに返答していた。
「それで、今日からココに居座るんですかぁ?!!」
「駄目かな?」
「駄目、、とは言ってませんが、、、」
アルド将軍が、神の王を前にしてひるむ。
本音では、ナルコの仲間みたいなもんだし、それでなくとも知らない人が家に居座ると言われたら、常人ならば多少の抵抗があるだろう。
「いいじゃぁーん!! いっぱい人が居た方が!おもしろいしぃ!」
もちろん、私は常人じゃないので、彼女の同居に大歓迎である。
「そうか、ならば、問題はないのだな?」
「ええ、ココ、私の家ですし」
おまえの家じゃないだろぉ!!!っていう突っ込みはもう知れてるので、適当にスルー、アルド将軍の頭を撫でてあげる。
「いいじゃないですか?」
「はぁ??」
いきなり慈悲深い瞳で見られて、困惑した感じになっている。
「面白くなります、断言します!」
「は、はぁ、、ってだから、なんだよ」
苦しい感じに息を詰まらせている、キラキラした瞳に、媚びたような態度で迫っているのだがね。
「だからぁ!いいじゃないかぁ!!!ってことですよぉ!」
「ナルディアはいつも正しい、金魚の糞は従うべき」
「誰が誰のだぁ!」
「言うまでもありません、ナルディアさんに、いつも尻に敷かれて喜んでいる、醜いゴミむしの話です、あなたです」
「、、、もういいよ、お前らの好きにして」
涙目になって、もう自室に駆けて、隠れて涙を流すしか、現状の選択肢が無くなった彼が、慌てたようにドアに向かい、足先を引っ掛けられる。
無様に倒れ付す彼、これには、さすがのリリーも駆け寄り、不満げにナルコちゃんを睨む。
ピクピク震える彼は、もう嗚咽すら聞こえそうな有り様。
「今のは、、酷い事なのかな?」
判断がつきかねる、ココで盛大に笑い転げるのが最良なのか、掌返しにナルコちゃんを責めればいいのか、微妙すぎる天秤なのだ。
「、、、たりめぇだぁ!!!もう出てけぇ!!!きらいだぁ!!!!!」
鼻水たらして、己の惨めさに泣くアルド将軍。
「別に、いいじゃないですか、、、私達の娯楽になってくださいよ」
「おことわりだぁ!!なんで俺がぁ!!!」
「美少女に囲まれる、正当なる対価だとでも、勝手に思ってください、小汚く醜い萌え豚」
「思えるかぁ!!あともう悪口やめろぉ!」
「いやですよ、いいじゃないですか、私がしたいと思ってるんですよぉ?」
アルド将軍に接近、妖艶に過ぎる、そんな顔を間近まで近づけ、洗脳するように呟く。
「ぐぅぅぅぅ!! 好き勝手ほざきやがってぇ!」
ガン付け合うようになっている、一触即発を過ぎて、もういろいろと修復不可能である。
「まあまあ! みんな! 仲良くしようよぉ!!!!」
空気を入れ替える為に、わたしが場を纏める、やっぱり私がリーダーだよなぁ!!
「やだよ! ナルディア! なんとかしてくれぇ!」
「女に頼るとは!!やっぱりどうしようもないゴミ虫ですね!」
「うるせぇ!! お前ともう喋りたくねぇ!」
「とか何とか言って! もう既に喋ってるじゃないですか! わたしの勝ちですねぇ!!」
「勝も負けもあるかぁ!この糞ボケがぁ!」
「さて、もういいでしょう、飽きました、さよなら」
「待てコラぁ!まいどまいど!自分のペースで終わらそうとすんじゃねぇ!勝にげすんなぁやぁ!」
「ああ、やっぱり負けてること、分かってましたぁ?うふっふっふぅ!」
「ぐあぁ!!ちげぇー!し!今のは口が言い間違えただけでぇ!!」
「今日の分は消化したので、また明日で」
「おい! マジで逃げんなぁ!ああぁ!」
「いいのか? 彼?」
「いいのいいの、煩いだけで、部屋まで着いてこないチキンですから」
「くそがぁ!!しれたような口を!!それにチキンじゃねぇーし!」
肩を怒らせて、息を弾ませるアルド将軍が居た。
「たのしかったぁ?」
「たのしかねーよ!くそぉがぁ!」
「将軍、、、」
「ああ、リリー、なんだよ?」
「その、、、もっと、私は優しくします」
「その哀れみの瞳、やめてくれませんかねぇ?」
「いいじゃないかぁ! もっと哀れみを誘う奴になろうぜぇ!」
「お前はプラス思考過ぎるんだ、なにもんだよぉ」
「わたしはわたしだぁ!」
「もういいよ、疲れてるのに、これ以上疲れられないぜ」
ぐてぇーと伸びて、ソファに寝そべる。
リリーが膝枕を申し出たが、丁重に断っている、ならぁわたしがやってもーらぉ!
さて、こんだけ人数揃えば、いろいろ出来ることも多くなるんじゃないかぁ! とか、私は思っていた。




