イデアジェネレーション-星降る夜のオールスター
今日も今日とで星が綺麗だ。
私の名前は黒鋭愛理です。
今日は特に仲の良いみんなと星を見に来ています、今はまだ裏山の公園に向かうまでの道すがらですが。
「愛理ちゃんは星見るのって好きかな?♪」
すこし隣を歩く少女、中学生の後輩である坂崎かよちゃんがそんな事を言ってくる。
すこし高い視線から眺める黒茶髪の髪の毛が麗しい、顔には爛々と輝く黒曜の瞳。
中学生にしては割と発育の良い体つきで、肉体的にも随分優良なので、私よりも大分大股で苦もなく歩いている。
「うん好きだよ、たまに意味なく夜空を眺めたりしてるよ」
「そっかぁ~♪ 私も星が好きなんだぁ!だから今日は皆と天体観測みたいな事ができて嬉しいんだぁ♪!」
そうなのだ、天体観測。誰が考案したかもう忘れてしまったがそういう話に学校でなった。
そして今は誰かが望遠鏡を持参して裏山の開けた場所、中規模な公園を目指して歩いているのだ。
「愛理は星が似合いそうですね、雰囲気も神秘的な感じですし」
そう言ってきたのはかよちゃんの更に隣を付いて歩く少女、シャルロット、シャルちゃんである。
私にとって何から何までとても好感の持てる少女だ、もし私が男の子だったら絶対彼女にしたいと思っていた。いつも暇あればそう思っている。
見た目は金髪碧眼、細身のスタイルの良いモデルのような体系。長い髪の毛はいつもポニーテールにしてることが多い、先の方を結う形にするとふさふさしててとても可愛い。
「そんな事ないよー、シャルちゃんの方が星は似合うと思うなぁ」
「そうですか?貴方の月の兎のような銀髪は星に合うと思うのですが、、」
銀髪かぁ~、確かに夜の星に合うかもしれない。
私は別にアルビノでもないのだけれど、銀髪に明るい赤の目をしている。
身長は女性にしては平均程度、体系はちょっと華奢で胸の膨らみに多少のコンプレックスを抱く程度。
「はっはぁー! 愛理やってるぅ~♪? 星が今日もきれいだよぉ~!♪」
後ろからの声。
アニメの声優さんが演技してるような、なんともいえない子供っぽい甘えた声、でも理知的な感じがする。
なんだか不思議な電波を浴びせられた気分。
「やってるよぉー、イリスは今日も電波ぎゅんぎゅんかなぁ?!」
「わぁあさ!私は今日もどこまでも飛んでるだぜぇ~だよぉ~♪」
いつも陽気な感じが抜けない、私の仲で電波っぽいキャラで確立している親友田辺イリスがこの人である。
緑髪緑目でロリ体系な少女。声質はどこまでもキンキンする電波を奏でるハイソプラノ。
また今もゲームを歩きながら行なってしまう程の、徹底したオタク趣味を幅広く深く全般所持していたりもする。
「イリスはいつも元気ねぇ。愛理楽しんでる?というよりも楽しめそう?」
そう多少心配げな声を掛けてくるのは、私の大事なお姉ちゃんである黒鋭理利、リリである。
私は必要外では基本リリと呼び捨てで呼ぶけど、それは最大限の親愛の証である。
私とは違うけど、別に遺伝子や親が違うわけではない、腰ほどもある青髪と大きな青目が綺麗で凛としてスッキリとした美貌。
「うん!今日はとっても元気だからぁ!凄く楽しめそうだよ!リリ!」
私は精一杯の元気良さを引き出して返事をする。
リリが心配げなのは、多少病弱の気が抜けない私を心配しての事。
でも今日は大丈夫だ、最近は毎日が楽しくて楽しくて元気快調生まれ変わったような日々を送ってもいるし。
「そう、ならいいんだけどね。でも決して無理しちゃ駄目よ?わかった愛理?」
「もちろんだよぉー、私はそんなに苦労掛けるような娘じゃないよ?」
そういって多少おどけてみせると、リリは安心したように微笑み返してくれた。
「愛理ちゃん、今日は調子いい感じなの?」
そうお姉ちゃんの隣にいた女性が問いかけてくる。
彼女はお姉ちゃんの仲の良い友達で、そして私の尊敬する大人の理想像のような人、姉原零亜アネハラレイアである。
長めの赤茶髪と薄い赤目を持ち、全体的に落ち着いたお嬢様のようである。
更に成熟した大人の女性のような完璧なプロポーションまで持ち、私と対極である豊満な胸の膨らみはいつも羨ましくて思っている。
「そうだよ、凄くいい感じ。レイアはいつも通りだね?」
「そうね、いつも通りの最高の体調をキープしてるわよ。愛理ちゃんも最近とっても元気そうでなによりだわ」
そんな感じで話していると、すこし後ろの方からちょっと大きな手荷物を抱えた女性が現れる。
「君達、裏山の公園とはもうすぐなのかな?私はそろそろ疲れてきたのだが」
そう言いながらやって来たのは、私達のお姉さんのような風情の先生だ。ナルディア先生、みんなナル先生とかさんとか呼んでいる。
レイアと同じような完璧なプロポーション。紫色の流麗で瑞々しいロングの長髪と、髪色と同じ溌剌とした瞳が特徴のカッコいい人だ。
凛としながらもどこか柔らかい大らかさもある、引き締ってスポーツ万能そうな体つきもあり、できる大人の女性といった感じだ。
「ナル先生ごめんなさい、山道重い荷物を持たせてしまって」
「ああ、これか? 大丈夫、見た目よりは全然重くないから心配いらないよ」
そう言い手荷物である大きな望遠鏡を上下に軽々動かしてみせる、確かにあんまり重くなさそうである。
私がそうやって安心していると、いきなり背中をパンパン軽く叩いてくる影が視界の内に入ってきた。
「あーいり!元気してっかぁ!ないなら私が元気付けてやっろっかぁ?」
そんな気軽なノリではにかむようにニカっと笑うのは、私のもう一人の電波でない方の親友、千代四夜楼座チヨシヤローザだ。
茶色の長髪とそれと同色に近いヘイゼル色の瞳、私にいつも太陽のような明るさを与えてくれる人。
ここだけの私の本音を言うと、彼女とはちょっといい感じの関係になってもいいと思っている。
どうしても特別な感情を抱いてしまうのだ、彼女には。
それはたぶん初めて私の心を開いてくれて最初に打ち解けた存在だから、そんな初恋のような想いを暗に抱き続けている。
「ローザこそぉ!元気ないなら私がイイコトしちゃうぞぉ!」
「あっははぁ!イイネそれ!なんでもやって頂戴よぉ!」
そんな風に傍から見ると馬鹿っぽい感じではしゃいでいると、横からの声。
「何を女二人で変な空気になってるのぉ?」
スーパーロングな赤髪と赤目、ルビー色っぽい真紅の瞳は常にちょっと釣り目になってて鋭利な印象を与える。
そんなまるで女王様のような見た目を持つ彼女は、紅薔薇赤羽アカバラアカバである。
体系もグラマラスでなんと言うか凄く迫力がある。人の上に立つ存在って感じがする人なのだ、カリスマ性が目に見えて余りある。
「アカバちゃんも輪に入る?」
「遠慮しておきます、貴方たち二人を眺めている方が楽しいですもの」
そこで。いまの今まで存在を感じる事ができなかったが、あまり存在感がなかったのだ、彼女の後ろにもう一人少女がいる事に気づく。
「たしかに、二人の仲睦まじさは見ていて微笑ましいです」
そのように、あまり表情を変化させず落ち着いた声で平坦と感想だけ告げるように言う少女。白檀ビャクダンヘルス。
白灰色の長髪に同色の瞳。あまり感情を表に出さないせいか、常に空気のような軽い感じで回りに溶け込んでいる。
イリスのように幼児体系とまでは言わないが、多少ロリっぽい可愛らしさと知的さが合わさってなんだか神聖な感じになっている。
全体的には低身長ながら鍛えているのか割と体つきは悪くなく、細身ながら肩筋がしっかりしてるし多少逞しい印象を与える。
「ヘルスちゃん星見て楽しいとか思う?」
「、、、綺麗だと思います、楽しいかは、よく分かりかねますが、そもそも楽しいとはなんでしょうか?」
「ドキドキワクワクしたり、心が躍るとか、そういう事じゃないかな?」
「その状態にはありませんが、たぶん楽しめてると思いますよ」
そんな感じでいつも通り不思議な受け答えをしてくれる。
天然でも電波でも不思議っ子ちゃんでもなく、たぶん思考回路がちょっと固いのだろう。あ、でも多少は天然が入っているかも。
でもまあそういう所も彼女のチャーミングポイントだと私は思っている、実際とても愛らしく感じるしね。
このように総勢10人という大所帯で夜の山道を歩いているのでした。
夜に婦女子だけで危ないと思われるかもしれないけど、まあ超がつく田舎だからあんまりその手の警戒心とかは私達にないのだった。




