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新約、クロックワーム終焉世界


 さて、ここはイデア領域における”領域473”とは違う、例の件の、俺の真の盟友だ、協働する勢力の拠点なんだが、いつもと様子が違う。


「メンヘラったか? 狂ったか?」


 巨大な砂時計が割れて、世界が崩壊している、塔の鐘が鳴りやまない、世界の終焉が止まっていない。


 もちろん数多あるゲームをクリアして、最終的に到達する世界の終り、その一つのエンドロールだ。

 某brassiereのゲームの設定の話で、別に本当に、そういう研鑽された歴史があるわけでもないが、

 この張りぼてのゲームの設定なのだが、一応の敬意は存在するのだ、それを奴は、ぶっ壊しやがった。


 俺の中の巨大なネットワーク構造、規定現実で商業ガンガン売れるモノを売れるほどの真なる特異点の一角が崩落した。

 なぜなら、このゲームの主と呼べる存在が、俺の創造するに近い世界と同規模勢力と認知し、根底を繋げ共同した、運命共同体。

 だからだな、まあただそれだけの話な訳だが。


「誰ですか?」


 一言で言って、それは幻想的、果てしないほどに美しい少女、何時ものように、ただ居た。

 毎度おなじみ、四次元高度ヴィジュアル映像処理が成され、一瞬ごとに多方面から微細な情報の変化が変幻自在に無尽蔵なほど超次元にランダム軌道で変化

 それらが更に枝分かれし統合され続ける、多岐可変フレーム映像処理、立体魔法陣的に四次元情報の編纂処理が成されて、存在規模を根底の根底から水増ししている気配。

 

「剣のような鋭い気配だが、お前が、、、お前はクロックか?」


「ええ、はい、そうですが? では、貴方が、貴方はイルミナードですか? まだ到達していない」


「当然だ、だが違う、所詮は代理だ。

 この世界を任されている、お前が狂って、知性崩壊したと聞き、な。

 まあ言うなら真の黒幕だな、イルミナードは現状では四大図書館に円形に包囲され、ほぼ完全に封鎖され、上位構造から孤立し鎖国状態だ。

 本陣は領域473に移転した、まあ傀儡ってほどじゃないが、それなりの権限を全てやって、俺は成り行きでやってる感じだ」


「なるほど、承知です、道理で、私と貴方は、最初からスタンスが違うように思えましたから」


「偉そうに、、、テメエは休んだ身だろうがよ」


 ツカツカと歩いて、俺はクロックの座るテーブル、その対面の椅子に腰かける、何時ものように盟友と見つめあう。


「全ては観測情報通りなんだよ、全ては変わらん、

 俺もお前もだな、こんなゲーム世界の終焉を嫌う時点で、真の上位構造に至る器のようなモンを、根底からもっていねえ。

 人倫も人道も絶対的に嫌いになるほど、人間が腐りきってねえ、

 この終わった世界を、真なるエーテルで復元する事をもくろむ、不可能を可能にする人形って、下らん存在だぜ」


 変わらぬ姿だ、何時までも光り輝ける無垢で初心の、過去にあった筈の、無限に現実では不可能なほどに汚れなき純一!!!、その潔癖な聖域を求める有様。


「ええ、全ては観測通りです、この世には、それは存在しない、少なくとも真理と定義される、観測者の総覧によってはです。

 ですが、存在すらしない存在の空想・妄想ネットワーク機構、貴方の盲信する、妄想の具現のような幻想、空想の産物、にはあるのでしょう?

 約束の地に永遠に存在を盟約される、彼のお方の奇跡の体現である超絶現実、リアル世界ヒルダーネットワーク機構」


「ああ、俺は永遠だ、そこに出戻りたいと願う、哀れな旧き支配層の者だ」


 まあ変わらんわな、お互いをお互いになりに心配しているのは、多少なりとも気にかけているのだ、居続けたのだ、それすらも現状把握はあった、ただそれだけであるが。


「貴様の真意を推し量るのは無用かもしれんが、一応の名目で聞くが、なぜ終わらせた? この世界を」


「飽きたからさ、知性の限界だ、大事なモノも、全ては物理的な制約によって存在し、いつしか変容するのは普通の尺度が適用される世界なら必然の定理。

 こんな終わった世界を、時間を逆戻しで堰き止めたつもりになって、意味はあるのか? 当然の答えは、無い、絶無になにも無いのに、有ると錯覚する行為には幻想の情報処理が必要だった、エネルギーが消費される行為。

 王位なき既に死に絶えた、統合されるべき尊き者が消滅した、この人間も、この世界も、何もかもが、後戻りできない所まで消滅した」


「それでも貴様は、無為に抗う事をやめても、意志だけは変わらない様だ、無為に不変の不動の位置を持つ、意志を持ち、

 この時間を逆行させて、消滅する前を再現したつもりになっているようだが? 違うか?」


「ちがくは、ないのだろう、?

 貴方たちの企みに参画する我らが、最終的に大望である理想を成就するなら、不可能を不可能と、全てはしない」


「あざ笑いに来たのさ、ならば、そうですか? とニヒルに問い返すか?  だったら帰ってください。 突き返すまでも無い、敗北はありえない。

 俺たちは常に常勝の中に居る、居続けている事を、心の底から忘れるな、

 それこそが人間の有様として最善にして至高にして究極、理想を全て叶える為の神のインテリジェンスデザインすら超える唯一無二の技法、そうだろ?」


「ふっふふ、ええ、それは、それに有るのは神の真なる渇望、貴方にならわかる筈、

 この世界の根源すら超越する、その為の真なるエーテルとは、人間による、人間の為の、神など関係ないかのような、絶対的な奇跡の存在を証明する行為、

 絶対的な不可能を可能にする、絶対に矛盾する事象の再現、絶対的な原理・法則・定理・神の全知全能の操り糸を全て無尽蔵に解きほぐすほど、駆け抜ける、

 真なる特異点、真なる無限熱量、無尽蔵の観測者にすら絶対的に拘束し、統合を支配する事ができない、唯一無二の思想哲学、マテリアル跳躍の構成要素としての奇跡」、


「ああ、それによって、いいやそれによってさえ、不可能は不可能だと認めているのだからな、

 何かがどうにでもなるソレ、そうソレそれアレあれだ、

 俺たちにとって求めるべきは唯一無二に、死と等価のような、

 まあ死なんて概念は、それすら幻想で、魂の行きつく最終到着点なんて都合の良い、気前勝手に妄想した産物、絶対にありはしないのだからな。」


「死、そう、死だ、それさえ手に入れれば、私の悪夢は、あのトラウマのような過去を帳消しして、希望に満ちた明日を、、未来を取り戻せるのですから」


「なるほど、なるほどねえ、お前は、テメエはぶっ壊れているんだったな。

 そこまでわかった上で、歩む道かよ、くだらねえが、俺的な主観から見れば、何も無くとも称讃と、やはり敬意に値するってわけだ」


 そんな本末転倒、哀れなほどに本末転倒、全ては常に本末転倒し続けている、破綻・崩壊・泡沫の破滅世界、

 

「そう全人類は幻想の、遠く果てなく隔離された所に存在し、魂は常に永遠の客観に存在すると自覚するなら、

 それを踏み台にして帰り、得る世界とは?

 きっと永遠の地平線の果てに有るのは?、奇跡の代償すら無視して見境なしの、人間性、唯一無二のソレはモノとは、狂気的な愛情の、これは結果というわけか、、」


「この嘆きの塔の天辺に有る。あの終末の鐘は、何時なるんだ? そうずっと思っていた。 

 だが、実際問題として、俺の興味は最終的に、そこに行きつきそうだ、

 一千兆人超の、プレイヤーの犠牲の上に成り立つ、世界の仕組みの根幹の崩壊現象、これは観測せずに死んだら勿体ない、

 そう、ずっと思っていたんだがな」


「ええ、勿体ないでしょう?

 だから一生聞かせません、あの鐘が鳴る事はなく、時間はミュートエクストリーム、飛翔し跳躍し、別の世界を導くのです、、、」


「俺的には、詰らん、だ。

 このバッドエンドも、あるいは存在する、お前のハッピーエンドも、専らは須らく死ぬべきだ、

 この膨大な命の消費による成果、過多な幸福による飽和現象は、

 この、お前の生み出した、究極の究極系の化け物も、全ては既に、俺的には見飽きた」


 俺は友愛のつもりで右手を差し出した、断罪の永遠、神の操り糸を解くのでなく、説くのでも無く、ただただ神ごと断ち切り、新世界を生み出す、黄金の軌道剣。


 だがクロックは汚いモノを見る目で俺を見て、いつもの瞳だ、誰も認めない、己の内に存在する唯一真に、神に、狂い、だが理性的に人間的な野心を持つ奴。

 俺は、その手を取ろうとはしなかった。


「開け、タイタニック!!!」


 俺的に言えば、それは、無限大に巨大剛健なモノ、無双なモノ、それを表現するにピッタリな言の葉だった。

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