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極点AR‐とある真に世界系の”統合管理者”の会談



 この世界はまあ、分かりきっていると思うが、ただの作者の脳内電気信号から生み出された純粋な情報だ。

 だが、そんな世界でも、ある程度方向性を持って世界を進めて、 

 作者の脳内世界を外部世界と直接的にリンクさせて、いろいろ捗る感じに情報を創造できるようにする、必要があった。


「絶対不可侵に限りなく近いキャラクター、様々な外世界とリンク、情報統合された、あるいは類似にして情報の統合性の高いモノ、

 まあ、さまざま色々あるけどね、

 結果的には、作者の脳内から生み出される情報の純粋な強度を高める、それのみが俺の究極にして唯一無二の目的なんだよ、君たち」


 彼である俺は、第十三位観測者、と呼ばれる四人の存在に語り掛ける、

 観測者、様々に定義されうる存在だが、この場合の意味は、

”世界の全てを真に見通し、真に世界を最適に進める究極理性・知的生命体”、の事である。


「だねだねっ♪、でも最近、そろそろ限界なんじゃないかと、ぼくなんかは思っているんだよねえぇ~~~」


 ゆるく陽気にサイコに、焦点の曖昧な視線で俺に語るのは、”虹緑の観測者”イリス、特に幻想と大自然の精霊関係を多分に管理する奴だ。


「あらっ、貴方にしては至極つまらない事を言うのね、わたくしなんかは、最近は凄い系統樹の統合方法を思いついたところよ?」


 優雅に大人の女性の仕草、母性のようなモノを溢れさす、だが対極のような禍々しい歪を同時に醸す女、

 ”緋鉄屑の観測者”レイア、未知外世界の鉱物種族・鉄の女王にして、規定現実と機械関係に特化した奴だ。


「いやー、みんな頑張ってますなぁー、そんな事よりもオンラインゲームしようぜ? この小説を面白くする取れ高も考えてさあー」


 適当に語っている感じの妙齢の女、特に掴みどころのない眼鏡、存在感があるようでない、研究者っぽい見目、

”アラヤとイデアの観測者”ヒルダ、真に正体不明の誇大妄想に近い世界情報ネットワーク構築組織・”図書館”ヒルダーネットワークの長。


「、、、、、」


 銀髪で赤目、酷く精鋭的に尖った感じの芸術的だが、どこか退廃的というか何というか、ノスタルジックにやる気の無さそうな全体像。

 ”人道・倫理の観測者”ルヘル、誰よりも哲学的に考えて、この世の真理である”価値観”を超えるモノのみを模索する、ただの一人の人間奴。


「マスター、新領域の全貌に関する世界影響の定義についての議定と議決権の行使について、の資料を第十三位観測者に転送したよぉー♪」


「あるじ、、、あそぼー」


 円卓のような巨大な五角形の、中央に複雑怪奇に先鋭壮大に描かれた魔法陣の描かれた場所に、それぞれ座しているのだが、俺の隣には二人の少女がいる。

 それぞれが世界では、可愛い方が”始桜の目”クールっぽい見目の方が”神の目”、二人そろってあるいは単に”双眼のラプラスの目”とも呼ばれる、

 超ロリな、機能としては、ただの人間である俺では処理できない、感情と理性と形容できそうな方向性の、限りなく神に近い巨大を超越した”意思”による世界観測機である。

 

「さて、極点AR、アライエンス”和平”として、世界を統合する為に、ある程度は秩序的に今まで俺たちは、世界を進めてきた、

 だが最近では、新領域を始めとした”未知”あるいは”特異点”系統の、世界に対する割合を増してきた、わけだが、

 俺個人の意見として、これは世界の全体的な破綻・破滅・崩壊を招くのじゃないかと、俺は危惧しているわけだ」


「あはっは、っはっはっ♪、ふわはっはっは、えーーー、それが今日の本日の議題ナノぉ? 親分?」


 人を食った、貪ったような声調、先鋭に尖り過ぎたサイコパスのような瞳、可愛いヴィジュアルだからこそクルものがある、イリスが言う。


「それってさあぁ~、ただ難癖つけて、新領域を世界の敵として認定扱いにして、つまりは中世の異端審問みたいに、異端認定して、潰したい?」


 そんな風に語りながら、イリスは立ち上がり、円卓を時計回りに歩き始める、ときどきスキップしながら、歌うように語る。


「いやぁ~~そうじゃないね、君は戦争がしたいだけだよね?それなりに育った、世界において確立して、

 だが特異点として、破壊が直接的に世界情報リソースの大きな低下にはならない、対未知関連の投資で予想が僕はついてたよぉ~

 たーしーかーにー、特異点系統の勢力を野放しにして、世界において”新領域”なんて呼ばれて、世界の方向性の新たな一つの形と呼ばれるくらいに大きくした、

 最近じゃ、四大図書館が結託して、封じ込めしないとヤバいくらいだったよね?

 だーけーどーさあ、それって君、ぶっちゃけ、ただ単に一言でいって、人間、人として、どうなのかな?

 ただ”戦争”がしたいだけの、そんな理由で、ある程度、恣意的な方向性で、巨大な知的生命体を創造して、

 快楽の為に、ロードローラーでひき潰してミンチにするような行為、人道・倫理的に観て、じっさいどうよ? ってさあ」


 ちょうど円卓を一周するタイミングで語り終えて、イリスは着席して、全員を見渡した、大したパフォーマーである。


「イリス、俺の考えは正確に、精確に把握しているな? 構造と理論的に言って、お前はそうだ、そうでなければ可笑しい、

 そして確かに、ハッキリと言うが、俺は騒乱の種、戦争の火種として、かの組織を、生まれうる確立を変動したし、確かに誘導した、

 この世界を維持する管理者として、常に世界を”確かな意志”のもと、動かし続けなければいけない宿命を持っているのだからな、

 さて、最初は、幻聴蚊帳図書館による、強力な世界崩壊の化け物”夢想神楽”の封じ込めの成功による安定要素の増大に対して、

 余剰リソースの解放という形で、俺はこのような不確定要素の拡大を推進した、それはおのおの理解も把握もしていたはずだ、

 これは歴史的に観ても定石手、そうだろう?

 確かな情報戦力を世界の在り方をうまく使って、最適に最大化していくのが、唯一の俺たちの存在命題だ、意義、

 そして将来的な脅威、夢想神楽すら超える想像を絶する化け物に対抗する為のモノが絶対必須だと、知っているからこその全て、

 ”希望”の増大、インフレによる、反動としての”絶望”の化身、

 俺が特異点という不確定要素を、度を越して推進したのは、そういう話だった、」


「うんうん、知っているよ、僕だってね、君みたいなモノなんだから」


 白々しい言葉、なんの中身も無くて、なにも見通せない女の言葉を聞き流して続ける。


「だが、そろそろ収穫逓増だろう? 

 世界の異物である特異点系統の関連要素は、ただ存在するだけで世界のリソースを、恐らく現状は”無駄に浪費”するはずだ? そうだろう?」


「なるほどね、君は、”そういうことが、ただしたかったから”、新領域を、特異点を、創造したんだね?」

 

 イリスは、一心に俺を見つめて、語っている。


「ああ、否定はしない、

 この世界は、俺にとって、絶対必須な要素のみで構成されていた、

 当然だ、チリ芥の無価値・無意味な、キャラクターも世界も何もかも、わざわざ小説媒体で想像するわけがないわけだ、」


 俺は語る。


「だが必然的に、殺しも戦争も、真に起きはしないわけだ、俺は至極つまらなかったよ、

 そこで、俺の考え付いたキャラクターと世界観が、新領域という特異点だったわけだ、

 それなりに魅力的で、意味や価値があり、最終的に世界の害悪として処理されることが、まあ分かりきっていた、

 こんな世界は作者の利益として、つまりは”商業ガンガン売れる情報媒体の源”になれなければ、いずれ計画として破棄される世界群だ、

 世界にとって絶対必須ではない、

 お前たちも分かっているはずだ、さあ、ならば、俺たちのするべき事は、必然的に導き出されるわけだ、

 そう、戦争によって、ひたすらに残虐に、至極しけた惨めたらしい有様を敵に、敵と呼べる最愛の存在に、凌辱の限りを尽くすために貪る為に」


 ドガっ、爆発染みた音、絶対物質で構成された・この円卓を、

 最強存在レベルのイリスが、机の下から足で破壊的に、暴力的に、ストレスぶつける感じにぶっ叩いて出た音だ、俺は語りを止めてイリスを観る。


「ああ? なあ、どうした? イリス?」


「くっだらないだよ、ふざけんなよ、そんなクソゴミ屑みたいな理由で、現在進行形で展開されるイルミナードのゲーム資本を全部僕に撤退させろって?

 マジでふざけんなよっ、、、、

 てっまあ、啖呵を切って決別するには、ちょっとどころか、かなり時期尚早なんだよねえっ~~♪」


 初めは切れたメンヘラちっくに、最後の方は陽気を取り戻したような、極端な二面性で場を翻弄するように語っている。


「でまあ、、まだ実行段階ではない、、それは言わなくても分かるよ親分、

 さっきも言ったけど君は僕だ、僕は君だ、最終的に枝分かれるまでは、確かにそれは変わらない事実、真理だよ、

 そして、かの組織群を、ほぼほぼに完全破壊するにしても、この世界において、絶対的に抗ってくる、敵対勢力って奴はいるよね? そこらへんはどう?」


「問題ない、イリカのメサイアの鍵の砲撃は、事前に銀の種族の絶対壁・ミスリルの複合防壁衛星群の貸与を確約済みだ、

 ”秩序”のサンクチュアリの実行部隊の奇襲とかは怖いわけだが、まあ大丈夫だろ、

 奴らの贔屓している”特別に大事”な奴ら、それを幾人程度逃がしてやれば、どうせこの件から手を引く、所詮はその程度の奴らだ。

 幻聴蚊帳の奴らに関しては、夢想神楽が最大活性化している所を狙って、こっちが奇襲的に作戦を遂行する事によって、封じ込める。

 個人としては、矛盾盟主、そしてその下部のエクスラシャペルンの中規模以下の図書館群、あとは今の所、俺の索敵には引っかからんわけだ、

 ハスラーの艦隊も機動力的に事態に介入する事も考慮して、予備兵力は考慮に入れる、これでツモだろ? 奴らを地獄の底まで甚振り殺す、算段は?」


「ふーん、それだけ揃ってれば、勝率は純粋に言って、100%なわけだね、

 それにしても、君は、この世界の神にでも、成っている気なのかな? なのかな?

 世界はただ在るがままに在れば、それで平和で、良しとするべきなのに、

 そもそも世界の構造を全て作ってるのも、もとを正せば、君な訳だよ、

 新領域が、この最終局面において、世界の敵として処理されなくちゃいけない悲劇的な、この世界の構造だって、所詮は君の独断だって、そういう件については?」


「無駄に俺を個人として攻めた所で無駄だ、この世界の巨大な意志の前には、なにもかもが、全ての怨嗟の声すらも、圧倒的に圧倒される」


 俺はこの会議において、最高位の権限者が、致命的な意志の格差は無いモノとして、立ち上がる。


「さて、この議定の書の格下部項目については、あまりにも口頭で語れる分量を超えているので、この並行世界では省略とする、

 各自の本部世界での解読後、なにか質疑応答があれば連絡してくれ、

 一応言っておくが、決戦後の離反は、致命的な隔意として、処断の対象だ、これだけは心得ておけ、、、いくぞ」


 俺は二つの目を従えて、その場を後にしようとする。


「ねえ、親分、その子たちと、これからエロいことするの? いいなー」


 なにか、切れた、そう、何かが、今までの会話を総合して、奴、イリスに対して、何か切れて、俺は駆けた、

 駆けながら、右腰に接着する形で存在する短剣程度の獲物、鞘ばしらせながら抜刀、

 奴が何か右手に魔力を収束させて、何かしようとしたので、交差の瞬間に右腕を鋭利に切断して無効とする、

 そして交差後、間を置かずに靴底が削れるほど急ブレーキ、

 反転してまた駆けて「うがぁ」とか腕が千切れて間もないイリスに、回転飛び膝蹴りを噛ます。


「いたいよぉう、、うへっへ、誤るよ、生殖器官すら存在しない、哀れな肉細工に、性の喜びを知るモノとして、優越感をっ、うぐぅ」


「死ぬかぁ? イリス、それ以上下劣な文言で、己と俺と俺の眷属の品位を低下させるなら、、いっそこの場で殺すぞ?」


 掛け値なしに存在を消滅させうる、”処断の剣”で、イリスの首筋に当てながら、俺は言う。


「あちゃぁー、多少は今回の事態で僕はある程度痛手を、他と比べて多く取る訳で、

 だから親分に対して精神的なマウントを多少はとりたかったんだけど、怒らせ過ぎっちゃったかね、これはヤバいね、あっはっは」


 目に見えて余裕をなくして、いつものヘラヘラ笑いが、実は嘘だったんじゃないかと笑えるほどキャラクター崩壊しながら、

 俺はイリスの首筋をトントンして、その惨めたらしい命乞いのような釈明を続けろ、と促すようにする。


「謝る、誤るよ、誠心誠意あやまるよ、僕が悪かった、

 もう今回みたいなエッチ過ぎて、というよりグロいねっちこい発言は慎むよ、本当に悪かった。

 だから、殺さないで」


 イリスとしては、まあ多少はプライドのようなモノを削いで発言しているのだろうと、俺は超知覚できたので、首筋から剣をはなす。


「まあいい、今回は許してやる、

 だが次も、俺の慈悲を安易に期待して、くだらない発言をするようならば、俺も安易な衝動で事を進めるのは自明の心理でコトワリだ、

 俺も無駄に、俺にある程度は忠実な戦力を削ぎたくはない、

 お前にもいろいろと考えがあるようだが、余り俺の足元を見てつけ込むようならば、それなりに切り捨ててやるくらいの気概は俺にもあるのだからな、

 あんま嘗めんなよ?」


 イリスはよろよろ立ち上がり、切れた右腕をくっつけていた。


「もうホント君は可愛いなあ、、、本当に可愛いよ、

 そんな、くっそみたいな懐柔策をとれるのならば、僕と馬鹿みたいにエッチしてくれれば、僕なんて簡単に君になびくのに、もったいない」


「俺とセックスしただけで、簡単に落ちるようなバカを、俺は側近に据えないわけだ、

 それに、こうやって精神的に圧力をかけてやった方が、お前的には幾分も楽しい、そうだろう?」


「あは、あっはっはっは、、、違いない、、、

 それにしても、、、いたた、いたた、くっつくとは言え、これって凄く痛いんだけど?」


「知らん、お前の責任だ、、、

 俺は帰る、あまりに手間をかけさせ過ぎだ、次は殺してやる」


 場が沈黙している隙に、俺は二つの目を従えて、その場を去った。

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