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夢のように、彼女を見ている彼の話、について



 そこに行けば、彼女がいる

 今日も今日とで、学園六階か、七階のあたりに、ひっそりと、居た


 ここは学園なのだが、この階層だけまるで異国の廃屋のようだ

 周囲には用途不明な個室群

 倉庫なのか、先鋭芸術的なアレな誂えなのか、意味不明な模様の部屋、部屋


 まあ、それはいい、彼女の話が肝要唯一事項だ 

 狭い部屋だ、なぜか外側とは牢獄のような鉄格子で区切られているのだが、知らない

 こちらには、気づいていない、踊っている、ように見える、なにをしているのか知らない、だが綺麗だ

 美麗な金髪が滑らかに、まるで感覚を持っているように、生き物のように乱れ跳ねる

 一説には、アレが、彼女の本体とも言われる、それほどに質量のあるスーパーロングストレートの一品だ


 視覚機能を大幅にアップさせると、見える

 彼女は紅潮している、好調しているとも

 恍惚とした瞳、美しい碧眼だ、美しい、いやらしくも絶品たる、美少女の怪しい表情に魅せられる

 素直に可愛いとは、正直いえんな、まったく、無駄にソソラセテクレル、これでは、、、また

 自重しよう、自重しよう、またあのモード、状態になると、収拾が果てしなく面倒臭い、場も穢れる


 さて、まだまだ断然、彼女は踊っている、あの、狭い、狭苦しい個室で

 むしろ、あのような場所だから、こそ、彼女はああも活き活きと踊れるのかもしれない

 居の中かわず、という言葉がある、彼女だけの小さな庭、世界、だからこそ見える世界、感じれる

 そういうモノがある、の、かもしれない、これは憶測で、酷く妄想的だな、自覚的にソレを感じる


 佳境にでも入ったか、彼女の動きが獣染みた、果てしなく情熱的な色を帯びる

 それは、ダイナミックで、サイキックな、超能力の奇跡のような、なんというか、サイケデリックみたいな?

 とにかく、凄いです、っと思うようなモノだが、強制的に魅了させてくるようでも、、あり


 形容が上手く思いつかないが、一生の忠誠を今すぐ飛び出し誓いたくなる、そういうレベル・ステージなのだ


 人が来た

 この通路を通るだろ 

 何にも知らない振りで、吹き抜けホールのような、外側を見ている人を装う

 彼女の方を見る、観る、診る、視る、看る、、、ミル

 どんな反応をするのだろうか? 純粋に見ものだ

 ちなみに相手は、なんていうのかよく分からないモブだ、特筆するには面倒だ、省略

 彼女は小さな監獄(いま命名)てか酷く詩的だな我ながら我、どうでもいい、そこに居ながら、、、、

 動作を平気のへいさで続けていた

 なんということだ、、ほんと、なんということだ、、凄いなアレ

 だがしかし、なぜか、本当になぜだか、、それは受け入れられているように見える


 通りすがりのモブ誰かさんは、彼女のそれを見ても、特にうろたえたり、せず、傍目からはそのように見える

 彼女が頷くと、モブさんも目線だけ頷き、通り過ぎた

 その一連は、緊張感が、あるようでない、普通の日常のようだった、ありえないだろうか? 

 これは本当に日常か? どうなんだ? まあこの思考は、これくらいでいいだろう、省略以下の略


 彼女は初めからの動作を、平常運転に戻した、流石に自重してたのか、動きが少しだけ大きくなっている気がする

 踊っている踊っている、楽しそうに楽しそうに、近づいて、もっと視たい

 こちらが彼女のことを、こんなにも面白可笑しく、胸がドキドキわくわくして止まらないほど、好奇心そそられて

 彼女だけをみている、その事が伝わっている状態で、、、、、彼女をみたい

 そのときに、彼女がみせる反応が、たまらなく見たく興味が沸き出てくる、泉水のように


 でも、それは禁忌のように、でもある

 一度その境界を飛び越えたら、ただの完全で完璧なる傍観者では、なくなる

 彼女に一切きづかれずに、見る、というのも、それはそれで、なんだかなんとなく、良さそうなのだ。

 一度彼女に知覚、既知既存の意識内に収められたら、今の感じている感覚みたいなの、なくなってしまいそうだ

 そういう予感が行動を制約し制限する、のだろうか? よく分からない纏まらない曖昧模糊とした思考哲学だ

 なんだか盗撮者の変態みたいなアレで、こういうのは不健全でいかがわしい、まあいいか、どうだろう?


 興味関心が尽きない彼女だ、冒険家の心を擽り止まない秘宝か秘境のようでは、ないだろうか?

 このまま、近づいて抱きしめてしまおうか? まあ普通に、もっと色々あれやこれや、しなくちゃいけない気がする

 うーむ、り

 「やあやあ、子猫ちゃん、こんあ場所で、なにしてるんだい?」

 「はあ?」


 酷く見下したような瞳、ちなみにコレ、我ながら酷い妄想な、彼女との邂逅を想定してエミュレートしてるの

 「はあ、じゃないこの、馬鹿チンがぁ!」

 あたまコチン、いやコツンかな、する、した

 「あやぁ、痛いなこの変態、変態変態」

 「変態じゃん、じゃない、超変態様だ!」

 「偉そうにするな! このムキー!!」

 「哀れみを誘う奴め、無茶な態度だな、アニメとかの見すぎで毒されているのが丸分かりだぁ!うわっはっはっは!」

 「あんたは殺してやる!」

 彼女ナイフみたいなの取り出し、構える、グサ、デッドエンド、ここまで結構アニメーションを交えて精確に妄想した

 妄想適合率は低いだろうな、彼女がこんな超キャラだったら、どうだろうか? 時めくだろうか? 実際じゃないとやっぱ一切不明で分からないね


 妄想劇場、まきの参、二は諸事情により省略されました、あしからず

 「やあやあ、今日も今日とで性がでるね、いつも見てたよ」

 「ふん、」

 彼女はまったく動じない

 「ふん、ふん」

 「やあやあ、、、って、、言ってるのだけど、、、」

 「そうやって、わたしを脳内で妄想してて、楽しい?」

 おおぉ!(外国人的なオバーアクション的に)脳内キャラがメタ的に語りかけてきた、アレ

 「まあ、それなりには、、、」

 「実際に現実で近づいて、コミュニケーションとりなさいよ、その方が現実的で建設的よ、多分ね」

 「無理無理、ソレにいやだよ、てか現実的にって、、、まあいいか

  とかく、それは出来ない事なの、だいたい君、脳内妄想で十二分に満足できれば、それが理想でしょ」

 「馬鹿、脳内妄想で満足できたら人生は薔薇色、現実が妄想よりも刺激的だと思わない方が建設的」

 「この建設的厨がぁ、だったら、もういいよ」

 「いや駄目、やめて、妄想やめないで、わたしは貴方が好きよ、愛しているのだ」

 「露骨に媚びてきやがってぇ、、、いやぁああ!この可愛い奴めぇ!!」

 「ほら、やっぱり妄想が至高でしょう?」

 「意味わからなん、、はあ、、どうしようかなぁー、、、」

  現実に戻る、いま此処

 学園の外は、そろそろ夕暮れの様相を呈してきた

 彼女を横目で見ながら、綺麗な赤色のあたたかい外を眺める

 山のような稜線に沿って在る雲達、情緒あふれる町並み、その全てが世界に彩りを持たせているのだろう

 「はああ」と、なんとなく溜息がこぼれる、それはなんだか疲れたようなモノだったのだが、なぜだろう?

 てか、そろそろ学園全体が完全下校時刻だ、ここもそろそろに退散しないと

 今日も今日とで、やっぱ見てるだけだ、なにも変わらない、変化に乏しい、情報量に乏しい展開筋書きだ

 無限の可能性が関与しない分、話としては作りやすいが、面白みにかける

 まあいい、人生なんて所詮クソみたいな筋書きだ、とくに我のは特にそうなんだ、生まれた時からそうだった

 最後にもう一度、彼女を見てみる

 すると、まるで視られているのに気づいてるような、所詮は思わせぶりな所作、よし、かえろうか


 次の日、何も変わらない、だろう、帰りながら、明日をも予想する己、まるで神のようではないか?

 ちなみに、夕焼けは色合いを濃くしながら、続き続ける

 だいたい一時間は、周囲はこの有様、まったく情緒溢れる、世界の設定である

 「はあああ」溜息をすると幸せが逃げるなんて言葉思い出す、だすだけだが

 歩き続け、後ろ振り返る、六階の一角、彼女がいる所

 ここからだけ、絶妙にその場所が見えるのだ

 沢山の木々、小枝に遮られて、今まで見えなかった

 だが此処だけ、まるで絶好のスナイピングポジションのように見える、見えるだけだが

 普通なら遠すぎて見えない、視覚機能拡張、見える

 結論から言えば、まだ居た

 そして、学園の外、窓辺に寄りかかって、美しい夕焼けを見ていた

 はあぁ、まったく、どこまで君、絵になるんだ、見ているだけで、こちらの心を満たそうとでも言うのか?

 はあ、いいね、ここから視ているからこそ、良い物もあるようだ、これからはこっから覗こうか

 てか覗こうかって、普通に変態チックな単語を使ってしまった、やってる事はやってる事で、言葉には気をつけよう

 「おーい! なにしてるんだぁーー!」

 ちなみに、これ、普通に聞こえるはずが無い

 でも、もしかしたらって、そういうのを楽しむってお話だ

 「ふん、酷く姑息な話だな、我ながら」

 普通に立ってるのに気疲れして、傍にある木に寄りかかる

 まったくもって、何時まで彼女はあそこで居るのか?

 直ぐに彼女も帰ると思ったから、我も帰ったのに、これじゃ帰れない

 早く我を帰らせろ馬鹿、帰ってからもやるべき事はあるのだ、一杯な

 ああもうジレッタイ、むかつく

 見ているだけで、正直、凄く面白いと思う事は、稀

 だけど、彼女がそこに居るなら、見続けざるを得ない、それは例えるなら絶対の義務のように

 我を束縛して罪作りに腹立たしい

 いやらしい女だ、けしからん奴だ、ああぁもうむかつくムカつく頭ぽかんってしてやりたい

 それでもまあ、見続けるのだがね、嫌々でもなく嬉々として

 心が満たされる、生まれてきた意味や価値を味わっている自分を深く耽溺的に自覚している

 ああ魅力的な人だな、こんなにも魅了してきて、果たして、どうするつもりなのか?

 妄想劇場巻きの四

 「いま、貴方は楽しい?」

 ちなみに、この超超遠距離から、なぜかどういう原理かは未設定、会話しているっていう設定、手抜きだぜ

 「まあ、それなりには」

 「妄想のわたしと、現実のわたし、どっちが良いの?」

 はい、また出ました、お決まりのネタ、妄想のキャラが次元を超えてメタ的に語りかけてくるアレですよ奥さん

 「そら、現実の君、それがなきゃ、君だって色褪せるのだから」

 「ふーん、でも、わたしがいなきゃ、そもそもの核が無くなるでしょう?」

 「言っている意味が、ちょっと分かり辛いかな、でも、そうだね、同価値ってのは、どうかな?」

 「いや、わたしが、貴方にとって、絶対に変え難い、一番じゃなきゃ、嫌なの」

 「いやっほぉおおおお! 可愛いよ可愛いよ、なでなでなで」

 「ちょ、、と、、、いきなり発狂しないで、、それになでなでって、口で言ってるし、キモぉ、、、」

 はぁ、、、溜息が出てくるような、アレな妄想でしたなぁ

 まだまだ俄然、彼女は夕焼けを見ている

 腕時計を確認、夕焼け発生から、だいたい三十分過ぎているな

 時間が体感的にスローペースで過ぎている、リアリティーに欠けた話だ

 まあ、我の人生など、初めから現実感の欠落した、意味不明に理不尽なモノなのだがさぁ

 なんとなく、指先を動かす、脳内で音楽を再生 

 我は、彼女のしていることが、これと同一だと、そう思っている、多分そう、おそらくきっと

 指の動きを、注視、注し、していれば、まあ精度約100%で分かるのだが

 アレは我が命名するところのエアタイピングという技だ、業だ

 同じ事をする、彼女はソレをしていない、彼女がしている時は、なんとなくやるのを躊躇する

 我は生まれた時、くらいから、これを嗜み、たゆまぬ鍛錬を続けてきた

 より優美に、脈動的に、業を磨き技を研ぎ澄まし、この己だけのコレを、培ってきた

 しかし、誰も編み出すはずがないと確信していた、この業を、彼女が持っていた 

 そして、遥かに隔絶して高みのレベルで、これを操るのに、唖然として、劣等感を抱いた

 だから、彼女がしている時は、あまりの羞恥にできない、プライドや誇りの問題だと推測する

 彼女のキャラソンとして設定した、沢山の音楽、更に、夕焼けの空をイメージさせる音楽、該当七つ

 それらを全てカナデながら、指先だけを奏でる、彼女の映えるヴィジュアルを見つつ、全部完遂させると

 辺りは、ほの暗く、なった

 暗闇は友だ

 この闇は自然と心を落ち着かせる、根暗の人間はみな夜行性の気があると思う

 ちなみに、まだまだ躍起に彼女は、あの小さな牢獄に、居る、完全に下校時刻は過ぎているのに

 夜の町並みを眺めながら、黄昏たような暗い瞳をしているのを、此処から我は確認している

 果たして、何時まであそこに居るつもりだぁ? 馬鹿、馬鹿馬鹿、我が家に帰れないだろう馬鹿、でも好き

 さて、彼女が帰らない以上は、帰れない、別にそういう制約があるわけじゃないが、できないのだ

 木に寄りかかってるのにも気疲れして、木に背を預けながら、しゃがみ込んで、可愛い感じに体育座りしてみる

 ちなみに座りながら指先は動いていた、特に、夜に合う、彼女設定のキャラソンを、該当複数以上

 はぁあ、、、感嘆の溜息が禁じえない、なんとなく彼女は夜が似合う美少女だと思った、それだけ

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