王国の覇者編1
”彼”、仮に”救世主”とでも名付けておこうか、は流れる景色を通り抜けながら液晶端末を操作/閲覧している。
彼が通った爆発光の後には、背後に鋼鉄の機械鳥の残骸が流れる、どんな高速戦闘でも鈍らない彼の銃撃による。
「どいつもコイツも、温すぎる、、、俺の王国を潰せるほどの...紛れもない”強敵”が必要だな」
己の愛機の旋風が横に、上に下に流れる、感じる。
比類なき魔法属の恩恵か、彼は幾らでも軌道を制御できる。
今まで星の数ほど、数多の敵を打ち破って、大陸に覇を唱えた彼。
しかし、この戦いは終わらない、確信に似た予感である。
彼の力が、そう叫んでいるのだから。
この”力”が、絶対に必要になる時が来る、そう運命を確信した、今もしている事。
だからゆえに全てを賭けて、塗炭の日々を乗り越えて、身につけた、この技。
”業”ともいえる執念の、怨念ともいえる”力”なのだ。
「なぜなら今まで幾らでも戦場を渡り歩いても、ついぞ世界は戦いを終わらせなかったのだから、今更であろう。」
最後の敵を永遠に葬り去って、彼は己の牙城に帰還する。
彼の確信、平和は来ない。
平和のために無限に力を求めるのだが、それとは逆に、力を持てば持つほど、平和というモノが、運命的に遠ざかっているような、因果な感覚だ。
己の、その魂の純度だけが無限に上がっていく、ただそれだけ。
日々の目の前、眼前の女騎士も、同じ陣営に所属して彼と同じ気持ちを味わっているのだろうか?。
その剣は、なによりも美しい弧を何度も何度も、終わりがないワルツのように踊り狂う。
試みに名付けよう、彼女の名前は、レンリ=リインフォース。
この周囲が人外魔境の、ゴミ屑みたいな敵という敵、猛者中の猛者に囲まれている、王国の騎士だ。
そう、年がら年中、ガチの存亡の危機の真近にあり、常在戦場、常時、背水の陣を迫られる、熱い孤立した小王国の、、、。
「この世界はゲームである」
そう俺は、救世主、主人公。
この世界をゲームだと知っているのは俺だけ、ではないが、俺を含む少数と括れるくらいの人数だ。
俺は、そう、この世界を守護し愛する為に、異世界から召喚された勇者的な存在だぜ、そういう事で、どうぞ一つよろしくっ!。
「雑魚が、訓練をさぼるなぁ!」
声とともに、ぽかん、じゃなくコレボカン!くらいの威力のゲンコツが落とされる。
「いてぇえええええええええええ!!!ガチでマジで!!いてぇええ!」
「もう一発、必要なのかぁ? あああ!」
そういう風に、俺はやりたくもない訓練を、半ば以上が強制で強要されていた。
「熱い、なんでこんな熱い中で、訓練するんだ、馬鹿だろうが」
「無駄口は慎め、こういう気候でも問題なく、動けるように成る為の訓練だと思え」
.
対する王国騎士女は涼しい顔だ、本当に悟りの境地の、その先に居る人間が見せる顔だ。
俺は別に、特段は、カッコイイと思わなかった、、、、、
「思ったりしないんだからねぇ!」
「馬鹿が」
「さて、訓練が終わったんだがね、今日も地道すぎる、過ぎて嫌になるレベル上げが終わったのだ」
「御苦労御苦労、大変だったろうね」
おざなりな労いの言葉、ここは王国のどこか、そう、どっか、喋るのに便利な机といすがあるだけの、そんな場所。
野戦会議場、あるいは戦術策定用の広場、小鎮守府、またはまたはetc.etc。
眼前には美少女、これはもう言わなくても良いよなぁー?、そう胸が無条件でウキウキする、だから必然的に物語では登場する感じの超絶美少女。
「お前は良いよな、魔術師で、涼しい室内で、ただスペルとかのお勉強をすればいいだけなんだ」
気軽な口調が合図か、”お互いが役”を演じない暗黙の了解、女騎士の仮面は捨て去り、俺も稀代の道化師/救世主の仮面を取り去る。
数多の戦場を渡り歩いた、幾千の宿敵を打ち破り、幾十の小国家群を併合し、果ては膨大な虚無を抱えた果てに、
同輩にだけは安楽椅子に座るかのように平素に会話する、そんな関係に至った奴との。
「いやいや、けっこう大変だよ、速読とかするし、普通に大学受験とかを思い出すレベルなんだよ」
まるで、この世界はゲームだから全てを気にしない、ああ、こういう風に世界に居直れたら、どれほどよいか、栓も無い。
「... そうかい、インテリジェンスの高そうなこって、俺は馬鹿だから、戦士になるしかなかったのだ。」
馬鹿とか良いながら、84方面に分けられた自国の分散軍隊をすべてパラ見してるとしか思えん速度で見ながら、正確に戦況を脳内にマップアップする。
「それより、王国の防衛は大丈夫なのか?」
「そうだね、僕のリサーチした感じだと、まだまだ大丈夫だよ」
リサーチと言って、一冊のデス的なノートデスを、こちらに差し出す野郎。
「見ておいて、君はこの王国でも、それなりに重要なポストに居ると思うから」
「そうか、だよなぁ! 俺って主人公だものなっ!!!はッははは!稀代の英雄!救世主様だぜっ!」
適当にラリッた発言をかまし、案の定やつには不評だ、俺の発言にやや微妙な顔、でも頷いてくれる。
「サッサと見ろ馬鹿、そうだよ、君は沢山の主人公の、一人なのだからね」
さて、戦況はこうだ。
今は初期の初期だ、何度も経験したパターンだったろう。
これは初期の構図から分岐する戦略パターンでいう所の典型的なモノ、読むに値しない。
が、王国は東のオークから、それだけにしか、今のところ侵攻されてないのだ。
「オークって、最悪だな、攻め落とされたら、みんな凌辱されそうだな」
「おいおい、そのワードは出さないでおこうよ」
ノートを見ながらの独り言に律儀に突っ込まれつつ、俺は独自考察をする。
このゲームにおける重要点は、いかにユニークキャラ、つまりはヒロインを殺されないか、にある。
ヒロインは基本馬鹿なので、放っておくと簡単に敵に捕まり、犯されたり殺されたりしてしまう。
それをまあ、プレイヤーがフォローして、うまく手ごまとして使うのが重要だ。
まあ、中には、どう考えても人が動かしてそうな、頭の良いAIが搭載されてそうなヒロインも居るには居るがごく少数。
「そうだ、一応聞いておこう、外道派は、今回のゲームに居るのか?」
「いや、それはどうかな、僕のリサーチ結果には、そういうプレイヤーは居なかったけど」
外道派とは。
この王国には沢山の騎士女がいる、騎士に限らずとも魔法使いとか色々、獣耳系とかロボットみたいな奴も沢山いる。
そういう奴らは共通して、姫を溺愛している、が万一姫が殺されると、狂化して強化される。
このゲームのメインルートというか人気ルートというか、典型的な分岐パターン、過去に5分の1位は入った。
「そういう戦法というか、鬱パートが大好きな連中が居たら、一応は警戒するべきなんだよなぁ」
「確かに、短期的に見れば手強いけど、長期的に見ればマイナスにしかならない場合が多いからね」
「いいや、俺はそういうの分からないが、ただ俺が姫大好きだから、絶対に駄目なだけなんだけどな」
俺は姫廚というか姫信者だ、ただそれだけだ、ただの事実だ、それ以外に何も付け加えるべき事なし、彼女を神と同列に並べているのだ。
あの誰よりも尊く、そして可愛い、そして何よりも一番大事なのが、最も見た目が美麗で女王様然として可愛い、
安直に言えば、このゲームで最もヴィジュアルが素晴らしい、優遇されている。
「姫が凄く可愛いのはともかく、初期の戦法は、ただひたすらに基本的な事を整えることだ、そうだろう?」
「プレイヤーは、まあそれなりにやるだろ。
可愛いヒロインが傍にいるんだ、美人家庭教師に教えられる生徒のように、一定の成果を出すのは期待して良いだろ」
「そうだね、問題は戦線に送った一部部隊に限られるよ」
そう、王国が直轄的に支配出来ている領域、その最外辺を越えた所にある場所。
ただ言葉通りの、純粋なる王国外、遠征戦線に、部隊はこの時期でも送られるのだ。
「送らないと、駄目なんだよな」
「送らなくてもいいけど、王国の防衛線で戦えば、絶対に一部が突破して、被害がほぼ100%出るよね」
そうなのだ、このゲームはそういう風にできている、それだけのこと。
そしてこの場合の被害とは、実質的に絶対に被ってはいけない。
言うなら、それが絶対防衛線なのだ。
「あれは、言うなら聖域だ」
「という意味での、民間人的なポジションのモブNPCなのだけどね」
「馬鹿が、あんな可愛い幼女たちが、モブで片づけられるかぁ!」
「あーはいはい、分かったから、幼女って単語は自重しようね君」
というわけで、そういう事なのである。
「さて、戦線に送った奴らは、一応は凄腕だ、だが補充が必要だろう、色々な意味で、いつ送る?」
「そうだね、もう、すぐにでも送らないと、やばいよ、ほら、ここを見て」
指示した場所は、被害ゼロ、だが撤退回数が増えて、ジリジリと後退している地図上。
「最悪は、オークの突撃力で万が一突破されて、そのまま王国領内にってか」
「そう、突破後のオーク達の進路は、だいたい規定されてるけどね」
オーク領から王国領までは、敵の直進は確定。
だがこの、防衛部隊などの突破後の進路というのが曲者で、ほとんどの場合において不透明なのだ。
「でもその全部に、完全に突破後の敵を堰き止めるだけの余剰部隊を、現状配置できないぜ」
「そういう話、補填が間に合うか、これはケースバイケース、賭けになるからね」
だから、戦線に補充を出すしかないのだ。
「だが、今、鍛錬せずに、これから先があるか?」
「ないね、戦線に送るメリットは、今のところ皆無だし、戦線部隊は早急に鍛錬をしないと取り残される形になる」
初期の苦しい所だな、これは。
戦線に送った奴らは、HPだけ高いだけで経験値がほぼないモブオークと無駄に戦ってるような形だ。
それがこのゲームの、徒労という戦闘を演出する面白いところなのだが、事実上は鬼畜でしかないのだ。
「補充は出したくない、戦線はこのまま、打つ手なしか?」
「防衛線を、多少期待できる形で、構築しなおそうか?」
「駄目だ、防衛線は東西南北に一人ずつ、固定の指揮官が居る、バランス良く配置する必要がある。
だから偏りを作るのは実質無理だろ、鍛錬値が下がる」
防衛線、それは、王国最外辺を全部固める、万里の長城の様な城壁、それとそこに詰めるNPC、加えて砦群、初期配置から変えないことによる鍛錬値ボーナス。
それらを一口に纏めて、防衛線と呼んでいるのだ。
そして、初期の苦しい所”その一”として上げられるのは、その脆弱さだ。
「確かに、東のオークを撃退できるだろうな、全部じゃなくても、取りこぼしを、東西南北の防衛戦力を、東に偏らせれば」
「でも、それも問題があると、無視できないね」
「ああ、紙吹雪のように、防衛人員が死傷する、城壁も損壊するし、砦の貴重な兵器群も、大して有用に使われず敵に破壊される」
それは一言で言えば、甚大な被害だ。
それも初期というのは、これから爆発的にインフレ革命する為の、大事な元手なので、資源を無駄に消費する形は致命的という事。
「そういえば、鍛錬値って、というより、その前の前くらいの前提として、防衛線部隊って、僕はあまり期待してないけど」
「だろうよ、典型的な魔法使いの考えそうな事だな」
「だね、流石に対艦巨砲主義的な、大魔法の殲滅戦術は、ロマンがあるけど、愚策かな」
「そういう事だ、そういう事はゲームでやってろ」
「散々ゲームでやってきたよ、だから満足...でも、また試してみたい、なんつってねッ。
どうやら僕は先の先まで見通しているね、ここで愚策を犯さない」
「だいたい防衛線プラスって発想は無いのか?」
「うーん、彼らを維持するのって、お金がかかるんだけど、そのお金を、ね」
「魔術研究にってか、泣きをみろ、コボルトの大群に群がられたときに、奴らの強さがピースになるんだ」
魔術研究予算、幾らでも削りたいのだが、コイツは絶対に、その一線は犯す気がない、いわゆる聖域だ。
過去に、隠れて人体実験を行っていた時は容赦なく俺自らが焼きを入れてやった事あるが、予算配分では譲らないし、強請れないという。
閑話休題、話が逸れた。
「さて、防衛線の陣容は不変、だったら、どうする?」
「僕から言えるのは、提案という形で、一番マシな案を提示する事だけだよ」
「その前に、俺からの提案も聞いてくれ」
「こころよく聞くよ、何かな?」
さっき言った、王国の防衛線は戦略的に動かせない、形だけの張りぼての戦術は組めるが、少なくとも今のところは大勢を覆すギミックを仕込めない。
加えて防衛線で待ち構えてるのは、雑兵で弱いから馬鹿なオークにも梃子摺る。
でもプレイヤーの指示に従う位は可能で、敵は防衛線の外からやってくる、もちろん城壁やら何やらで多少は有利になると。
「誘い込み戦術だ」
「ノット、それは駄目だね」
「なんだ、その気障な返しは」
「君が余りにも愚策な愚策を提示するからだよ、そんなのは駄目だ」
「理由を聞こうか?」
誘い込み戦術とは、この場合。
城壁を解放して、敵を王城くらいにまで侵入させるのだ。
王国は王城を中心に同心円状なので、もし上手く誘き出せば、王城で持久しながら360度の防衛線から兵を”内”に向けて、敵を袋にできるという、
これならば防衛線は動いていないことになる。
もう一つ言えば、王城の方が防衛力は純粋に高い、姫も居る、なんか不可思議な魔法で兵に能力補正強化をかけられる、”あくまで”らしいという、俺はビンビンに感じるのだがねッっwww。
「昔一度、ええと、何時だったかなぁ、とにかく、前のゲームで、その戦法を使った時があったのさ」
「ふーむ、そうか、それで?」
記憶では俺の視点からは、そんな事は無かった、だがコイツの視点からはあるのだろう、そういう事もある。
「敵は確かに誘い込めた、だけど、何時までも敵が、四方八方を敵に囲まれて、馬鹿みたいに遅滞戦術の虜になると思う?」
「さあ、どうだろうな、結果的には、どうなったんだ?」
「どうやら、そういう状況下では、危機感を覚えるようなアルゴリズムがあるみたいなんだ、敵は撤退して行ったよ」
「はあ、それは良い事なんじゃないか? 成功じゃないか?」
「東にだよ、敵は一部が西から東に抜けていった、ほとんどは西に帰ったのかもしれない、
でも奴らアレだから...、東には今なお戦っている戦線部隊がいるじゃない、ああ、あと町も」
つまりは撤退した敵と、眼前の敵に、戦線にいる奴らが挟撃されるという。
あと馬鹿オークだから撤退して、追撃の可能性もあり味方には負傷者もいるかもしれない、その状況で略奪も...か、なるほどねぇ。
「確かに駄目だな」
「そう、駄目なんだよね、これは」
ここで、このゲームの仕組みをしらない人間は、不可思議に思うだろうか。
なぜ誘い込んだ敵をせん滅しないのかと、当然だ、俺も殲滅したい、それも一気にな。
だが、駄目なのだ。
「秋まで、戦況を停滞させるのを前提にするなら、補充以外に、もう無いんじゃない?」
「秋か、できれば冬まで、このままやりたい所だが」
「それは贅沢過ぎるよ、だいたい冬に入ればオークは侵攻は止める、彼らは冬眠するからね」
「はあ、でもそうすると、次の夏に抱える事になる敵のリミッターが振りきれるか」
「そういう事、彼らを生かすのは秋までがベストなの」
この時代を知らん奴らが最初は殲滅をする、案の定は全滅をする。
奴らをこのまま殲滅せずに、遅滞戦術でやってれば、奴らは他の所にも触手を伸ばす。
全体の戦況的に、この敵の誘導は外せない。
「オークは80%くらいで西かね、他の敵に向かって行くか。
西のクソ魔術師、さらに西まで行ってインプと縄張り争いが最高だが、同じ知能だから長引く。
この動きで稼げる貯金、好きに利用できる時間は決定的、それは致命的に多いよ」
「で、話は戻るが」
「どこまで戻るの?」
「最初の話だ、この眼前の危機は、どうする?」
「凄腕って、本当に、この戦線に送った人達だけなの?」
「ああ、そうだ」
戦線に送った奴らは、本当に徒労としか言えない戦いをしている。
王国で鍛錬している奴らと比べて、これから明らかに戦力としては劣る事になる。
普通、弱いままの部隊は、これから先インフレする敵の軍勢と戦えず、加速度的に加熱する戦場から遠ざけるしか無くなるのだ。
だが奴らなら、おそらく、そんな多少といえないハンデを何ともせず、超絶神プレイで挽回できるポテンシャルがあるのだ。
「高知能AI、ヒロインを送るというのは、どうかな?」
「それは、ちょっと、人道的に駄目だろ?」
「どうして?」
「お前は正気か、敵はオークだぞ?」
「それが、なにか問題でも?」
「お前は、ガチの、姫騎士凌辱というモノを、現実にしたいという、、、救いようがない下種、変態なのか?」
そうだ、オークにだけは、駄目だろう、俺の心情が許さん。
「えーと、そういう言葉遊びを、僕としたいっていう、そういう事かな?」
「どういうことだ? 俺は本気だ」
「ああ、ごめん、なんかアレなゲームの日常パートを彷彿とさせる、なんか緩いやり取りだったから、、、」
「おい、今の会話は本当に大事な、緩さとは無縁のがち会話だったろうがぁ!」
「あーうん、ごめんよぉ、僕が悪かったよ」
「そうだ、お前が全面的に悪い、100パーな」
さて、話は振り出しに戻ったが、無駄ではない、いろいろと考えるべき事は成った。
「オークに犯されても、精神崩壊しないようなヒロインを送るか」
「えーーー!!!」
そういう話で選定が始まった、もちろんヒロインの居ない所で。
まあ、もう俺の命令権のある奴らは送っているのだが、何事も先遣だったりスムーズに事を進める為の斥候的なポジションは大事だ。
今のは全体命令として、という意味だ。
ちなみに、これにはちゃんとした根拠というか、戦術的なメリット、利点がある。
まず、ヒロイン部隊を組織する。
仮にもし、ヒロインが捕まれば、アレされるのは必定、オークは馬鹿に性欲が旺盛で、美しい人間の女が一番大好物だから。
そして、いろいろ楽しんでる最中の奴らは、ハッキリと雑魚、救出と奇襲が同時にできると、そういうわけだ。
「さて、コイツだな、見るからに調子にのっている、一目でゴミと分かるクソ女ヒロインだ」
「えーと、その子、魔術学園の主席なんだけどぉ?」
「ほお、なおさらいいな。
第一、この釣り目が気にいらん、自信たっぷりの、この口元はなんだ、調子に乗り過ぎているな」
「ううん、確かに、精神ポイントが高いね、選定候補かも」
「いいや確定だ、こいつが泣いて帰ってくるところを、絶対に見たい!」
「ええと、君、真面目にやってる?」
疑わしい目つきだった、俺という存在に、根源的な懐疑を持ち始めてるような、、、。
「いいや、うん、楽しみながら、も、俺は真面目にやっているぞ」
さて、最善は尽くしただろう?
これからどうなるか、神のみぞ知る運命の導き手に委ねられるだろうよ。




