白銀の完全音程(パーフェクト・インターバル)
とある日の午後、となりの机の銀髪超絶スタイルの美少女がエロゲー制作をしていたのだ。
「あれ? ルヘル、お前って某大規模エロゲーの、一ヒロインのシナリオ制作してなかった?」
そうだ、俺はコイツのブログやら、隣の席でやってる事を速読して得た情報で知っていたのだ。
「ああ、アレはやめたわ、私の好きなこと完全に、全部、やらせてもらえなかったからね」
「てーか、新規ブランドか?
某ライターがスクリプトや公式更新、サポートまでやって、
どうせテキストが面白くて短いタイプになるんじゃねえか?」
ルヘルは立ち上がって、俺の腕を掴んだ。
「ちょっと来て」
そして俺は廊下を歩きながら、すれ違うブスを心の底から見下しながら、屋上に連れていかれた。
「てーかお前の場合は、売り子やら、ヒロインの声、場合によっては声質変えて複数のヒロインの声までやったりするよな?
想定するヒロインのぴったりな声役はいるのか?
いないなら俺の知り合いに掛け合ってやってもいいぞ? お前の作るエロゲーは俺も好みだしな」
ルヘルは燦燦と陽光の照る七月なのに、屋上に持ち込んだらしいマットを敷いて、美しい脚線を開いて柔軟体操しながら。
「別にどうでもいいじゃない、放っておいて、私なんて所詮は貴方の脳内妄想でしかないのだからね、
貴方なんてネットで超絶に大人気な、超上位存在の配信者の声を情報として聞きながら、適当に、この場面を描いているのだろうしね」
「ああそうだ、脳内妄想ルヘル、もっと楽しそうに振舞いやがれ、このシーンだって、
俺が現実世界を生きる糧、リソースに成るのだから、大変に光栄だろう?」
「どうでもいいのよ、何もかも、私だってエロゲーを作りながら、貴方と物語世界で交流しているだけだしね。
貴方が片手間の二窓みたいな感じで、適当に小説を執筆しているように、私だってそう、
ここじゃない別世界に意識を飛ばして、本当に電波な不思議空間を経由して、貴方と壁を一つじゃないレベルで隔てて、ね。」
俺は校内で元気に走る青髪の少女たちを見ながら、ココロオドル風景を、エロゲーの最新エロゲーの挿絵を具体的には想像しながら、それを聞く。
「どうせ貴方なんて、生活保護を取るレベルの終わった人間じゃない、死ぬべき屑なんだら、今のうちに私が殺しておかないと、まずいでしょ?」
「やっぱ、すげえな、現実ってヤバいわ。
俺って今、某ネットで超絶に大人気の配信者の声の情報を聞きながら、この物語を書いているんだが、
どう考えても、普通に書くより、圧倒的にコレ、おもしろくないか?」
「まあ、純粋に見れば、絶対的に、貴方が腐った脳味噌で描く、脳内妄想より、私から見ても、これは面白い愉快な文章よ」
ルヘルは意味も無く、俺を殺そうとしていたが、まあ所詮は物語の中、その程度の情報は、この場では些事である。
「だろうがよ、つまんないなんて言われても、関係ないが、俺が面白くないのが、それのみが大問題だった」
「じゃあ、こうしましょうよ、私とあなたが、リアルタイムで、某配信者の配信を聞きながら、会話している、ということで、
そういうシチュエーションだけで、物語を創造すれば、最強に面白かったりしない?」
ルヘルはスマホで某配信サイトを開いてみせて、某配信者のタイムシフトか? リアルタイム視聴をしている風に、俺に見せた。
「お前は、その、某配信者の、どこが好きなんだ?」
「雑談よ、雑談が最近は多いでしょ?
たぶん、この人は喋りたいだけよ、それだけでチャンネル登録数が十万人よ。
広告をつけるだけで年収一千万は確定なのに、してない、カッコいいと思わない?」
「ああ、先月の月収が八万とか、ギャップが凄まじいよなぁああ??」
俺とルヘルはテンションが上がって、その大好きな配信者という設定の人物の話をした、
リアルタイムで流れる配信の音をイヤホンで聞きながら、ただそれだけの事があった、本当にただそれだけだった。




