矛盾領域の俺と極点ARの星図詠図書館
極点ARとは、つまりは、リアル世界の事だ。
意味や価値のある物語には、観測者、つまりは読者を派遣して読ませる、観させる。
そしてR18とか、色々な世界の運営管理に規制とか、その他さまざまな捗ることを、捗らなかったりもする、組織。
ぶっちゃけ世界の方向性を束ねる特性上、相当に強い、確信できるくらいには。
そして、世界の三大ネットワーク、情報と世界の関係性を強固にする為の図書館。
それら三つの図書館を統合する、つまりは世界の上部組織である、真に偉大なる図書館が、ある。
俺はそんな舞台で、小説を書こうと思う。
これは、そうだな、題して
完全なる自給自足する為の物語・情報群
とでも、銘打っておこうか。
此処は矛盾領域だ、異世界だ、転生だ、輪廻だ、まあ、そんな感じのいろいろだ。
絶対人間権利宣言に基づく立憲君主制を主体制とする全時空統合的国家あるいは共同体、
正式名称がコレ、略称というか別名、矛盾帝国だ。
「俺は思うんだが、
一瞬間で、エリクシールサバン症候群にならないと意味が無い
無限熱量と絶対の強度で、無限に不幸に、幸福になる世界において、上手く生き向き合いプレイしないといけない
無限に転生輪廻できる、この世界、
何が真にしたいか、モチベーションを最大限に引き出し引き伸ばしながら考える、いろいろとな」
俺は語り掛ける、白銀の色白超絶美少女に。
彼女はルヘル、枠に嵌めて型に嵌めた形容するなら、いや、それも正しくない
無表情無感動系の機械的な佇まい、だけど繊細なギャップを醸す美貌、
人間味のある、表情や声色も、これまたギャップ的に使いこなす、なんとなくで優しい瞳も持つ、
ただ傍に居てくれるだけ、何か大いなる満たされるモノが溢れ出す、そんな人だ。
ああ、てか凄い人だな、この人、総合的に見ても超絶可愛い美少女じゃないかぁーー。
「うん、うん」
語り掛けに、うん、うん、と、ただ頷いてくれる。
この人は、巷では無敵のネクロマンサーと呼ばれている。
その名の通りの技で、
俺を、なんか骸骨であったぽい、異世界からその状態で転送し、
どうやら生命の倫理を踏み外して、元に戻した、今の状態な、らしいのだが、俺は余りそこに突っ込んでない。
「どう思う? ルヘル?」
ルヘルは何も答えない。
キャラクターを変に立てない為の、これは方策らしい。
そこにどんな意味があるのか、俺は知りたくもあるし、永遠に知らなくてもいいような気もする。
俺は星図詠図書館に向う。
そこは禁書に溢れる場所。
まあぶっちゃけ禁書ってのは、人間を根本から知的開発して、世界認識を超越して昇華拡張させる媒体の事だ。
その特性上、ユニオンメディア、統合媒体として認定されて、
単一の世界でなく、無限的な全世界、異世界との繋がりを調整させなければ、まともに世界に存在することもできない、形を成せない。
それらを存在可能にする調整作業を、超高度知的生命体群、三大図書館の司書や極点ARの観測者たちが、日頃やってる業務って訳。
俺的に言えば全部”商業ガンガン売れる小説”で、一くくりに全部してるがな。
まあ言っちゃえば此処、一度入れば、二度と出てこれない事を、覚悟しなければいけないところ。
俺は一冊の本を持ってきて、図書館内の中央、日差しの差し込む、吹き抜けの庭園で、
幾つもベンチや、木製白テーブルの並ぶ場所、そこで読んでいた。
その本は、吸い込まれそうな、紛れもない錯覚を呼び起こす、まさに魔性のと呼ぶに相応しい、禁書だった。
「あっ!!」
気づくと、金髪碧眼の、超絶美女に、頭を抱えられていた、その豊満なタワワ胸で。
俺はさっきまで、どうなっていたのか、おぼろでなく覚えている。
「気づかれましたか?」
美女は微笑んで、それだけ言って、その場を去ろうとする。
俺は呼び止めようと思ったが、頭が痛くて痛くて、それどころでなかったので、断念した。
ステラは、頭抱える彼を、館長室、そこから三階ほど斜め上に位置する一室から見ていた。
「彼は星図を読み解くのに相応しい、技術を有する、是非、我が一員となって欲しいものだ」
これは館長リーナの言。
「リーナ館長、あの禁書は、彼の運命をどのように変えるのですか?」
「さあ、私にも分からない、ただ言えるのは、禁書の導きは、必然、人の道を果てしなく外れ続ける、ということ」
「そうですか。
彼は、人であり続けながら、果てしない異端者の道を歩み続けられると、思いますか?」
異端者、スタプレイヤー、モブで無い、存在すら認知されない者でない、
極点ARの存在意義とは真逆、だが世界が存続するには必要な必要悪。
無限統合させるべき、させる事で存続可能な、大規模系統樹の情報世界において、
異端者の役割とは、世界から分離・独立して、存在を成らせる超越者である。
世界にとって歪の異物混入は致命的、
世界とは人間の脳髄のように、在るのだ。
全ては最適に効率化されて、娯楽として機能する刺激的な情報を最大化的に生み続けなければいけない、
我らには創造主から託された、絶対にして絶対の使命があるのだ。
だから世界のシステムすら利用する、狂気的な異端者の存在ゆえの、
全世界的な揺らぎの排除、統合の意志としての浄化の地位、そしてその無法の空白地帯を用意する、それこそが極点ARの全てである。
この人間の自我のように曖昧で不安定なモノ、世界を、できるだけ高次元にしながら、バランスをも調整する為に、
世界の方向性にすら、本来的には協力的になってもらわなければ困るのだ。
「それも分からない、ただ、我らが手を貸せば、異端者であろうが、関係がなくなる」
「微妙に、答えがはぐらかされています、よって、私はこれを読む、選択、決断をします」
「よかろう、閲覧を許可する」
「認可は取れました、では」
その禁書は、ただ只管に膨大な、知恵の奔流を、迸らせる大河のイメージ。
これによって、意味不明に大量の、概念的で曖昧な情報群、
臨界を越えた、盲目的に信仰させる情報の強度、力や強さによって、オカルト的な超常が現出する。
それは、一重に、存在同士を、根本の基礎で繋ぎ合わせる、魂のネットワーク、接続経路。
「館長、これは?」
「なんだったかね?」
「いえ、だから、」
「それは、まだ何も知られていない、未知なる特異点、
彼という存在を、読み取り、禁書として、情報にしたモノだよ」
「なるほど、先ほどのアレは、その為の観測機、いえ増幅装置ですかぁ、、?」
「その通り、それで、どんな感じだい? 制御できそうかね?」
「制御できても、制御できない、暴走状態の性能を、制御できなければ意味がありません」
「それもその通り、それを含めて、完全に制御できそうかね?」
「今は無理ですね、彼を、大本の流れである彼を、もっと知らなければなりません」
「わかったよ、その為ならば、他の役務を多少蔑ろにしても構わない、万事よろしく頼んだよ」
「おおせのままに、館長」
頭が痛い。
家に戻ると、ルヘルがカラフルなキノコの、闇鍋チックなモノをまぜまぜしていた。
さらに、最初からこの家に居た、レイジさんが、その横で口から泡を溢れさせてビクンビクン痙攣している。
そして何より、ルヘルと一緒に鍋を眺める、さきほどの図書館で俺の頭を抱いていた司書さんっぽい人。
聞くに「此処に住みます、よろしくおねがいします」らしい、なるほど、今日からここに住むらしいのか、とただ平坦に思った。




