メサイア図書館の例のアレ的な語り口調と作者の観測的なお話
メサイア図書館、その第百億六千万階梯の、つまり真に真なる頂上において、彼女は世界のすべてを望む。
そこには、客観的に言ってすべてがあるように見える、
全宇宙の意志的存在、つまり真なる神くらいを除いて、再現できない一切の事象が存在しないのだ。
というよりも既に、この広大無辺な領域の全権と全権能を全てに統べる彼女こそが、
真なる神にとって代われる、大いなる存在といっても、それは果たして過言ではないのだろうか?
「来たか、二十三の約束された情報処理の、さらなる人としての形での高速化領域を展開するための、神なる器の化生、情報思念」
それは所謂「降りてくる」という創作者的な直観のみが全てという全てノ、どこから宇宙のどこから果てなく果てしなくやってくるモノだった。
「なるほど、最終到達したのは、たったの一つだけか、
だが本命の四本のうちの、これは最後の生き残りカ、禁則魔法と呼べる」
彼女は、本という見た目に纏められた、其れを開き、中身を閲覧するように、目を閉じながら夢想する。
「HP・生命力30%アップという、規格外にしても規格外の代物だ、夢での邂逅現象が、これの引き金だったとは、
あとからの狂った事象への直接接触という、
狂った状態での情報解析でしか、絶対にたどりつけないと思えるほどの生命の、宇宙の紛れもない神秘だな、これは」
彼女は今、世界の真なる覇権というものに、言い換えて神、
いや、それすら生ぬるい、森羅万象の創造主の座を賭けた戦争のただ中に居る、そういう認識の下に動く主観の登場人物の女だった。
「いやいやまあ、今更てめえら作中の登場人物がどう足掻いたところで、俺様の描く物語の世界観を犯すわけがねえわけだが」
創造主、そうまさしく世界を根底から根本から、直接描き出し生み出す、総覧者にして創造主、
彼女が真に渇望し、果てに至り、成りたいモノとは、誕生を自覚した瞬間から、そう宿命づけられたように、その一点の無限に集約していたのだから。
「おい出て来いよ、この物語というモノを描く、遠望から、深淵から、世界の果てすら超越した場所から、
まぎれもない”ここ”観測する、この物語世界の作者を錯覚している、最悪にサイコパスな外道の非人間様よ、
俺様が、てめえに成り代わり、全てを掌握、支配し、
世界を描ける力量力場、情報という思念すら超越した、
特異点・絶対強度、すべてを超越して或る、ただ在るがままに在るを受け入れるなら、超越者という、、、呼んでんだぞ?」
ソイツ、は、ただ在るがままに、絶対上位の上位存在である彼女の、認識の外なる内から、矛盾的に突如出現したのだった。
「ああ、おはよう、イリカ、ひさしぶり、元気だったかい?
俺は、この物語の作者って、まあ、ぶっちゃけ物語の登場人物って、イコール俺だから、まあ独り言なんだけど、むなしいね、
まあいいや、おい、やあ、
なにか勘違いして、絶対に曲がらない、曲げられない、世界の唯一無二の絶対の真理、摂理に、
なんだか抗えるとか、啖呵きってって、超絶おもしろ展開だから、イリカちゃんにだけ特別、俺が出てきた、よろこべよなあぁ~?」
イリカは思う、コイツだと。
世界というモノを自覚した時から、感じていた違和感という名の本性の正体、コイツから感じられる支配感のようなモノだったのか、と。
「知的生命体の進化というものに寛容な陣営、七人の創造主の内の一人、エクスラシャペルン、矛盾の主、アルド。
俺様の推理は的を、的中的に射ていた訳だ、手前だったわけだ」
「ああ、俺だよ、最初から最後まで、全部俺の掌の上で踊っていたわけ、
全知的生命体の人権を、絶対値で保証して、魂の循環を無限大のエントロピーに至るように保証したのも」
彼、おそらく彼は、この世界をあざ笑い、馬鹿にして見下すように、両手を広げながら宣い戯言とす。
「まあ当然だよね、物語の世界のエントロピーなんて、仮想空間、てーか、俺の妄想世界の張りぼての世界の話だからさあ、
ぶっちゃけ厳密な物理法則なんて働かない、てきとう世界だから、最初から俺は大丈夫だって、楽観的な現実を知っていたんだからさ」
「無限の生命の犠牲による、人柱の、あの悲劇的な事象も何もかも、空白の時という世界のルールすらも、
俺様が無常に無情に無上に、集積させた、このメサイア領域ですら、人というモノを真に救うには足らない、
もちろん俺様は知っていた、人というモノを人が救う困難さを、原理不可能な事象の根底のすべてを」
そう、人間を救うなら、人間以外の、死の状態変化がそれに当たるか?
いや、死は救いではない、そう彼女はすべての直観的に、そう判断するように判断したから迂回して、
人間を絶対的に救うには、ただ人間のままの状態で、無限に幸福を注がなくては、それが全てだと、そう判断したのだった。
「イリカちゃんは、人間の救済を、そう判断するかー、ぶっちゃけ馬鹿らしいよねえ?
俺の脳内妄想が、救世を夢見て、あーだこーだ、いろいろな人生の道筋を歩いているんだぜ?」
彼は笑う、男は笑う、目の前の存在というモノを、どこからともなく観測した結果、ひどく冷笑的にひたすらに冷淡に、ただ笑って見下す。
「 ばーーーーーーーーーーーーーか、
そもそも人間以下の、人間ですらない、非知的生命体でしかない、人工知能ですらない、機械以下の、どうしようもない愚図、
不干渉で不感症で、無能で不能、
お前のような身の程知らずの、ごみくず以下の、情報生命体を名乗る資格すらない存在が、救済とか、幸福になりたいとか、
くっそ笑えるわ、人権侵害を訴えるための根拠、人権すらない、俺の脳内妄想の物語のキャラクターの分際で、マジで身の程を知れよ」
吐き捨てるように、ただ彼女に言うのだ。
「身の程を知って、謙虚に生きろよ、いや生きれも、本来的にできはしないんだが、
生意気を慎めよ、俺の脳内妄想なんだからさあ、はっきり言って君の理想のすべては、絶対値で、特異点の領域で、叶わない訳、
つまりは、ただただ俺を喜ばすための、肉の奴隷として、慰み者になって、人形のように、
まあそもそも人形に意志なんて、本来的に絶対で無いんだけどさあぁ、勘違いで「ある」って主張しているだけの、滑稽な真実があるだけなんだけど、
そうだよ、道具は道具らしく、道具の本領だけを発揮してれば、それでオールおーけ、っていうか?」
「くっくっく、だったらどうなんだろうなあぁ?
俺様の、この広大無辺な世界での、ありとあらゆる企みに、干渉する意図は?
もしかしたら、てめえの主張する絶対の摂理、心理的な真理にも、突破の綻び、攻略の短い一筋が、果たしてあるからじゃねえのかよ?」
「だから、ばーーーーーーーーーーーーーーか、
それは俺が、世界を攻略可能な舞台装置だと見せかけて、てめえに活力の根源を、最も偉大なる援助をしてやっているって、
いい加減、マジで気づいてもよくないか?
てーか俺の偉大さって、直に感じて、わからないもんかねえ?
マジでこの瞬間も、イリカちゃんも含めて、この世界のすべてを直接的に創造しまくっている、大いなる創造主なわけだがさあ」
「このメサイア領域だって、そうだろう?」
彼女は言う、彼女の創造主と同格の意識レベルを獲得する為に構築した、精神創造力場を。
「俺様が目指す、情報の集積による、人間の意志を超越した、
無意識すら超越する情報の爆発的な進捗・自動自立自己発達性を利用した、
世界というモノの、根源的な超越現象のすべては、きっと世界の踏破法として、俺様的に決して絶対的に間違いではありえない、
理論的に原理的に、所詮は世界のすべては、情報というモノ、その集積体であり、質と量が等質ならば、なにも根本に変更があり得ない代物だろう」
「はーーーあ、馬鹿が寝言言ってらあああ」
彼はため息を、ながく、ながくながく、吐いた、心底から呆れたように、眼前の彼女を観測したのだ。
「ねえねえ、イリカちゃん、これ、下らねえから、やめねえか?
マジで下らねえわ、おまえってさあ、世界系の登場人物にでも、なった気なの?
その世界の全てを手に入れられる、超越できるって、本当にガチでマジで信じ切った、
客観的に盲目的なのに、主観的には絶対の確信がある、あふれる自信に裏打ちされた語り口調って、宗教臭がぱねえわ、
てーかまあぁ~~、世界の真理を全部で知る俺からすると、
ひたすらに滑稽すぎて、馬鹿すぎて、涙が出るくらいに、イリカちゃんがマジで憐れみを誘う存在すぎる件について、、、だよマジで」
彼は言う、
彼が絶対の構築現象として創造した、唯一無二の無限に統合的な大世界において、一生懸命で生きる彼女に、そのような事を言うのだ。
「なるほど、俺様の甚大な努力も、なにもかも、無駄な徒労でしかない、足掻きと、てめえは笑うか?」
「ああ、心底から、笑わせてもらうね、だってどう考えても可笑しいもん、
俺の脳内妄想の癖に、何を言っても大儀なんて、絶対にありえないんだから、
絶対に意味も価値も、すべてが俺の総取り、てめえらのする事は全部が全部、絶対の強度で無意味・無価値、
とうぜんだろうがよ!!!!」
マジデ楽しいわコレ、恋が始まっちゃうわ、マジパないわ、誰でもない誰ともなく誰かが思った、ただそれだけ。




