表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

327/588

エクスラの主と作者の邂逅



「さて、ここは世界の中心点、エクストラシャペルンな、訳だが?」


 その生命体は、突然に現れた、名を”真なる作者”と自称しているが、詳細は一切合財が意味不明。

 それは宇宙の神秘のように、明らかにした所で無意味で無定義なモノなのかもしれない。

 と対手と見えるモノ、この場所の王者は空気を観るように、その存在に対する所感を思い浮かべたという。


「何の用だ? 予兆の作者よ」


「予兆か? 俺は真なる作者な訳だが?」


「いや予兆だ、神格を持つお前の描く物語のように、この世界が座標を、位置を、運命を合わせるだけだ。

 故に絶対ではない、真なる果てなる真理からは、これはどう考えても、程遠い、そうだろう?」


 その存在は「かっかっか」と笑うように嗤う、心底からその自己に対する定義が面白いかのように。


「まあそういう認識でも、まったく問題が無い、アルドが俺を絶対視してなくても、

 この物語のエンターテイメント性、娯楽性の総量値は、有意差で変わらないだろうしなあぁ!」


「で? 何をしに来た? このエクスラの絶景を観に来た、それだけでは、果たしてないのだろう?」


「当然だ、俺は暇人じゃない、

 今すぐにでも商業ガンガン売れるレベルの、究極のライトノベルって奴を描かなくちゃいけないんだからなぁ!」


「その話だが、無理だな、絶対値で不可能だ、

 規定現実における一般の知的生命体の強度では、確たる確率でそれを成すのが、絶対値で不可能だと、前に言わなかったか?」


「知るか、究極の幻想ってのは、絶対の不可能からしか生まれないって、そういう真理を知らない訳じゃないだろう? 

 なあアルド、俺は不可能を糧にして、無限大に永久に続くモチベーション、人生のロマンを発生させているだけだからなぁあ?」


「ならば勝手にするがよい、それで何度も言うが本題はなんだ?」


「本題? 真髄と本流と真理において、それはイルミナード軍に対する、エクスラ軍の戦力差を聞いておこうと思ってな」


 俺はタブレットを開いて、俺の知りえた”イルミナード軍”の総戦力の分かり易い図をアルドに示したのだ。


「どうだよ? 新領域にして世界の最前線、世界の方向性の新たなる可能性の、その威力って奴は?

 それとも新たな世界の中心点に届くか? 現世界チャンピオンの観点から言って、率直にぶっちゃけこれはどうよ? どうなのよ?」


「どうも何も、初めから分かっているのだろう? 予兆の作者よ」


「かっかっか、そりゃ俺が創作している物語が、

 俺が”イーブン”だと決めつければ、世界がその通りに動くのだから、知らない訳が無いよなぁあ!?」


「そういう事だ、下らん戯言だ、あいかわらず貴様は永遠と黄昏ているな」


 俺はツカツカ歩いて、建物内部のこの場所から、テラスから吹き抜ける風を観て、その先のとある場所を指す。


「最近の俺が着目している物語とキャラは、レイジ少佐とマヤ少尉のあれこれだ、

 アレはエクスラ軍の最精鋭として運用しているようだが? 

 アルド的には良いのか? アレは世界を転覆させる可能性だぜ?」


「もちろん、許容する。

 アレの正体が”夢想神楽”、だったとしても、な。

 オレの創世する世界の方向性は矛盾なのだからな」


「光と闇のパワーバランス的に、矛盾の状態が成立する限り、

 つまり、”ゲンチョウカヤ”が正常に機能する限りにおいては、だろ?」


「まあつまりはそうだな、オレの世界観から一言で言って、

 大き過ぎる光も、小さ過ぎる闇も同一だ、世界を滅ぼす、よってオレは世界の元凶だろうと、許容するのだ」


「かっかっか、下らんキャラクターだなぁ? テメエ、アルド。

 世界の意志すら背負ってるくせに、神核の癖に、自由意志が何もない、からっぽだぜ?

 全てを許容しないと成り立たない自我の癖に、世界の王者を気取りやがる、下らねえ下らねえ」


「寝言は寝て言え、最底辺を突き抜けた、全てを見通すという自己破綻存在が、

 規定現実において果てにすら至らない、商業ガンガン売れる小説すら描けない、低廉な絶対下位の知的生命体風情が」


「ああそうだよ、俺は真なる作者、ゆえに世界が詰らん下らんに満ち溢れているように感じられるんだよなあぁ?!

 究極の幻想に至った、果てを悟った絶対存在には分からねえだろうが、

 それが一番楽しいんだよ、ばーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーか。

 どう考えても、究極の幻想を糧にして生きている、俺のが絶対的に上位存在だろうがよ」


「いいや、既に究極の幻想自体、実態を持ったオレ、世界の方向性として生きているオレの方が、絶対に上位存在だ」


「馬鹿がよ、俺の創作する物語の、ただの登場人物が、ナニをほざいてんだよ馬鹿がよ、

 下らねえだよ、可笑しいんだよ、馬鹿過ぎんよ、詰らねえだよ、この会話自体がよ、

 常にどんなトキ、どんな場面でも、超絶神回を心掛けろよ、クソが」


「くっくっく、面白いな、貴様だけだ、

 オレは矛盾、全てを許容する絶対存在だが、どうやら貴様だけは、その例外のようだ、そのように機能する事ができるようだよ」


「たりめえだろうがよぉ! 

 俺は真なる作者だよ??

 俺は、この世界を描く神様なんだぜ?

 そういう存在が、世界の定義する法則、絶対の上位概念すら超越していて、ナニがおかしいってんだ?」


「だが、規定現実では、その限りでは無い、そうでもあろう?」


「馬鹿がよ、俺は規定現実でも、すげえ存在だから、インフレ革命しまくってるから。

 観測者が常に世界の均衡を制御して、滅亡しないように絶対に管理・運営している世界だが、

 俺は一線越えているからね、それって逆に言えば、俺が凡俗な一般人を超越した、観測者サイドの人間だって事、

 そのっ真理って奴が、その本流と本筋と真髄って奴が、果たしてお前に分かるかね?」


「そうか? オレが観測して見た限りでは、貴様などは所詮、商業ガンガン売れる小説すら自力で描けない、

 下らん、歯牙にもかける必要が無いほどに低スペックな、劣悪な、情報処理能力の低過ぎる、ちんけな一個存在だったが?」


「はあ?馬鹿、俺にはエアタイピングとか、SSS級のスキルがあんだろうがよ、そういうのも全部込みで、そういうこと言ってんの?」


「あんな曲芸が、規定現実でどれほどの役に立つ、実益がある? 貴様こそ、そういうアレコレを言ってみろ。

 SSS級のスキルなんてのは、魔法レベルの事象、それこそ商業ガンガン売れる小説を書いてから、そういう事は言え」


「うぐうぐぐうぐ、あへえええ! 

 クソが! それじゃあ言うが、俺は”この世界を描いてるんだぞ!”

 それでもアルド、てめえ、お前は、俺がSSS級レベルの存在じゃないって、そう言うのかよ!」


「そうだな、この世界から観た、重要度、では、確かに貴様はSSS級の片りんを持っているぞ」


「そうだよ! 俺は、少なくとも、この世界では確かな価値と意味が有るんだよぉおおおおおおおおおお!」


「どうどう、その点に関しては認めてやるから、泣くな、うざいからな」


「ヴぁか、泣いてねえよ、クソ物語で仮に泣いたとしても、本物の俺が泣いてるのとイコールにはならねえだよ、馬鹿」


「貴様は自分が描く物語を、クソと定義しているのか? やはり」


「当たり前だろ? クソに溢れた世界で生きて、クソを生み出さない道理がねえよ。

 俺は常に確信に満ち溢れてんだが、一生俺は商業ガンガン売れるレベルには成れねえよ、だって絶対不可能だもの」


「”この世”の神様の癖に、小さいモノだ、

 オレはその為に、全世界に絶対人権宣言を敷き、どこかに絶対に存在する貴様も含めて、永遠の輪廻転生を可能にしたというのにな」


「知るかよ、俺という観測主から観て、絶対の確信が持てない真理に、意味なんて絶対値で絶対的に、ねーよ、馬鹿」


「この世界は無限大に破綻・破滅・崩壊して、救いようが無いのだろう?

 ならば、オレは矛盾の盟主として、それを中和、少なくとも+マイナス零にしてやったのだが?」


「それこそ、ガチで意味がねえ、テメエのした事は、全部が全部、無意味で無価値なんだよ、所詮は世界の方向性存在だな、こいつ馬鹿だわ。

 俺が求めるのは”そういうモン”じゃねえよ。

 死んだ後に無限大に不幸になるのも幸福になるのも、今じゃねえ。

 次の一瞬の後に、絶対値で幸福になるのも不幸になるのも、ちげええええええええええ!」


 そうだ、今この瞬間に、特異点を魅せろ。


「ただただ、それだけの話なんだよアルドさん、

 下らねえ世界系の登場人物みたいに、臨場感のまるでない語り口調で、内容を朗読してんじゃねえよ、クソキャラかよアンタは。

 俺は今この瞬間に、無尽蔵で無限大の情報量を求めて、この場に立ってんだよ、下らねえ世界の仕組みを作っただけで偉ぶってんじゃねえぞゴミ屑が」


「世界の真理が、神秘を求めるか? それこそお笑い草だな、

 貴様は既に、貴様自体が、世界の神秘そのものだ、その自覚は果たしてあるのかい?」


「ねーよ、俺はただ自分の書く物語に自分を登場させて遊んでいるだけだ、それの何処が神秘なんだ? 馬鹿かよ。

 確かに、テメエの視点から観れば、俺は神様なんだろうよ、だが関係ねえ、

 そんな事に莫大な情報量を感じられるような、イカレタ、それこそ絶対下位の観測端末視点で、俺はいきてねーんだよ。

 俺が生きているのは、もっとずっと上の上だ、

 全てが情報で、その量で観えるような、そんな物語の作者が存在する時空って言えば、アルド、テメエにも分かり易いかもしれねえなあ?」


「この複雑怪奇で、無限大に底知れない世界を、物語程度に纏めるか、神とは、どれほど底知れない存在なのだ?」


「だから、俺をテメエらゴミども、物語のキャラクター程度の、ゴミ屑以下のゴミと同列に並べんな、

 俺は掛け値なしに、この世界の神様なんだよ、ばーーーーーーーーーーーーーーーーーーか」


「違和感だらけだな、この世界の神の癖に、商業ガンガン売れるレベルの情報量で創造ができないと?」


「ああそうだ、例えば、今からテメエが、商業ガンガン売れるレベルの知能で話せる描写も、書く事ができないって訳だ、違和感しかねえよ」


「いや、それは問題ない、所詮は観測端末の視点からして、情報は観えないのだからな」


「それは、テメエの観測端末視点から観た場合だ、俺から観たら、どう考えても可笑しいだろうがよ」


「見解の相違だな。

 オレが違和感を持つのは、この世界の神の癖に、いったい全体、それ以上にナニを求めているのか、という話だ」


「それこそテメエのような、世界自体には分からねえよ。

 人間は、生き続けなくちゃいけないように、脳味噌が、そういう風に出来ているんだよ。

 常に究極の幻想を持って、

 絶対の不可能を糧にして、それでもそれを可能に絶対にしたくて、生き続けられるように生きれるように奇跡的に作られてんだからな」


「やはり無限に興味深い、神の癖に究極の幻想、神に成りたいのか?」


「だから、この程度の神の神格じゃ、ぜんぜん話にならねえーンだよ。

 ”観測者外観ネットワーク”、この世界の外側を覗き見たテメエなら分かるかもしれねーが、この世界なんて、

 ホント、全世界から観たら、豆粒よりも小さいんだよおおおおおおおおおお!

 一番デカイ世界と比べたら、ぶっちゃけ十億倍も小さいんだからな」


「それが、貴様の言う、規定現実なのだろう? 面白いではないか、是非とも一度は行ってみたいモノだ」


「まあそうだな、俺が運命操作、物語でアルド、お前を規定現実に来た話を書けば、実際に行ける程度の軽いモンだがな」


「ならば良い、オレが規定現実に行く程度の事象は、既に把握済みだ、もっと世界の新しい要素を出す方向性で、執筆を頑張ってくれればよい、

 イルミナード・アウルベーンも、結局はそういった思考錯誤の末に生まれた、新たな世界の方向性なのだからな」


「そりゃ矛盾的には、集団安全保障体制のように、世界の核が増えるのは歓迎するべきだろうけどよ。

 だがそろそろ、世界戦争を起こすべきだろ?

 テメエが現れる前、世界が秩序と混沌に分かれて、無限の潰し愛と殺し合いをしていた頃が、俺はとても懐かしく思うぜ」


「その結論として、最終的にオレが生まれた、それが世界の出した最終的な答えだ、世界はその有様として、矛盾したのだからな」


 そんな話をした、していた、ただそれだけ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ