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コンバットスペースフェアリー-レベル二的な例のアレ


 

「レッツゴォーフィヴァターイムゥ~♪あふぁあ♪!!!」


 今日も今日とで田辺イリスは、滅茶苦茶にうるさい!うぜえ!


「死ねやぁ、ゴミ屑のあたまの可笑しいクソ電波クソ女が」


 俺は手元に拳銃を握って、眼前の憎い女を撃ち殺すように撃った、

 しかしバリアのようなモノに弾かれる、彼女のスキル、防御系であろう。


「酷いなぁー、どうしたんだい? 作者ちゃん?」


「テメエは言ったよな? この宇宙の世界を制覇すれば、無限の神に至れる、無限に商業ガンガンレベルの究極のラノベを創造できると」


「うんうん! 言った行った、早く制覇しよう!」


 この世界は、コンバットスペースフェアリーという、昔からあるオンラインVRゲームをやっている、というテイだ。


「それが、クソ無理ゲーなんだろうがよ、くだらねえだよ!」


 今はその宇宙戦艦の内部、沢山の用途の自販機が置いてある休憩上のような場所、

 そのベンチで俺は座り、イリスは眼前でリズム良くこぎみ良く刻み踊っている。


「確かに、何時までもイルミナード帝国に、媚びへつらっているのは、つまらないのかもしれないねえ」


「当然だろうがよ、イルミナード帝国に攻撃的に成れば、他の帝国とかに挟撃される、媚びてれば搾取されて、後発国を抜け出せない、一生クソゲーやれってか!」


「ううん? 一生中小国のままでも、それはそれで、ゲームとしては有りなレベルのクソゲー具合だと、イリスなんかは確信的に有りなんだけど?」


 そりゃそうだ、俺だって理解はしている。

 中小国は利点として、大国と違って小回りが利く、前線で活躍して武勲をあげて、大国に仕官する事もできる、

 国内ではライバルが少なくて、比較的に簡単に上に行ける、等々、当たり前だが政治経済の操作の負担も減る、CPU任せでもその辺はありだがな。


「いいじゃん!いいじゃん♪ 一生この! ゲームの世界で、イリスとイチャイチャ宇宙艦隊ゲームしながら、だらだら暮らそうよぉー!」


「くぅううう!

 そりゃ俺だって、そういう発想があった、、、二百年前まではなああああああああああああああ!!!!!!!!!」


 そうだ、全くいつもいつも綺麗だなぁ! イリスを見て胸がときめかない日は無い、掛け値なしの何もかもを超越する美少女だ。

 奴の緑髪と緑の爛々と輝く瞳はいつも俺を無限大に熱くさせる。

 なんだか電波な雰囲気をぎゅんぎゅん感じさせて、見てるだけで俺まで無限にテンションが上がって、

 毎日頑張ろうと生きようと、人生を楽しくする、奴風に言うなら無限の高次元ヴィジュアルグラフィック、神ゲー優秀なゲーム要素として機能しているのだ。


「イツキぃ!楽しいなぁ!どうよぉ!この最高なビートは!痺れるよぉ!!!♪」


「うっせええええええええええ!!死ねやあああああああああああああああ!」


 だが飽きたのだ! 飽きに飽きた! 


「そう、だったら、やめるよ」


 イリスはイキナリ真面目な顔で、端末を操作、室内に流れるBGMも消して、中空に立体ホログラムの映像を、宇宙座標、この辺りの周辺概況を映し出した。


「イルミナード帝国は、このイリス王国の近傍の辺境要塞だけでも、実戦配備が3043個分艦隊相当、居るね。

 僕たちの保有艦隊は、某協同条約で明記される制限ギリギリで845個分艦隊、

 これは最新鋭で、秘匿された機能も含めれば、この辺境要塞の艦隊群の三倍の勢力と言っていいね」


「強化人間だって、こちとら条約シカとで、非人道的に作りまくってんだ、艦隊操作では余り有意差で決まらないが、

 機動兵器オペレーターなら、十倍以上の戦力の増は見込める、そうだよなあ?」


「うん、そうだよ」


「だったら!」


 そこでイリスは俺を手で制して、立体図表にリアルタイムで、何事かを描画しだした、直接脳波で描く高次元な描画方法であろう、高速で展開されていく。


「確かに、この王国の全戦力で、この近傍要塞、つまり第一の関門は、敵の秘密兵器、大規模な伏せ札が無ければ、100%で攻略可能だよ」


「だろうがよ、そして次だ、第二の関門、辺境都市惑星群、ここに集積されている12315分艦隊を突破すれば、敵の敵、つまり味方と合流できる、そうだろう?」


 戦力的には十倍の差がある点は、現有戦力の賭けに強い特性からして、無視できないが、無視して猪突猛進の賭けを撃てる程度には良い戦力差だ。


「本国のイルミナード王国周辺は、某円形の包囲陣によって封鎖されてる、そうだよなあ? 援軍は期待できない!」


「まあね、でもそれって一応なんだよ?」


 イリスは立体映像を、辺境の辺境、青銅の種族が支配する、冗談や馬鹿のような辺境の辺境まで移動させる。


「青銅の種族の、穴熊戦法のような立地にもどづく、攻勢のことなんて考えない、重重防御陣形的な、ここを攻められたのは、どうしてかな?」


「ぐう、遊撃部隊だろ、おそらくはな」


「その他にも、成功しない理論なんて、無限に存在する、それくらいイルミナードを攻めるのは無茶・無謀なの、一生此処にいれば良いと、僕は思うよ」


「嫌だね、俺は攻める、全軍出撃だ、

 第一、俺は既に王国の美女達で、下半身大パーティーな一生を夢見て、もう止まれないんだ!」


「それじゃあ仕方ないね、僕は君に従うのみだよ」


 決戦の舞台は拓かれた。

 

「新兵器、というより新艦首か?」


「うん♪、 強化人間レベルの技術スキルの振り分けが無いと、絶対に制御できない、騎馬突撃艦の異次元の高軌道だよ」


 戦列に一列に並んだ艦隊が、不規則に騎馬のように突撃する。

 そして敵の戦列を乱し、隙を見て集中砲火、そして集中突撃、

 戦場の数的有利も確保しつつの、ダイナミックな艦隊移動に艦隊攻撃であった。


「第一はクリアか、次は第二か」


 だが次の戦場で不測の事態が起こった。


「この程度が? 大観測者イリスの本気か?」


 件の遊撃艦隊、遠征軍の総指揮官、イルミナードの覇者イルミが戦場に現れたのだ。


「くっ、しかしたったの一騎だ、総攻撃で蹴散らすんだ!」


「まずい! ナニかくるよ!」


 敵の機体が光り輝き、必殺技が放たれたのだ。


「アレは、ギガアイスバースト! 緊急密集隊形に移行、防御陣形で複合防御魔法陣展開で防ぐ!」


 新型の機体が最高速で集まり、最新鋭の魔法陣描画能力で、宇宙空間に巨大過ぎる魔法陣を分散して描く。


「マジか、+補正レベル七の大魔法、どんだけスキルに振るポイントが余って、てか潤沢なんだよ」


「でも間に会ったよ! インペリアルガード+六が!」


 初撃は防いだ、だが突撃してくる隊長機の切り込み、それがイリスの機体をバッサリ切り咲いたのだ。


「うが、やられたよぉ!」


「て、撤退だ!」


 俺はイリス、ほぼ全ての戦況を左右する頭脳を失って、ほうほうのテイで、イリスの機体を背負う形で後退する。


「ふっ、逃げるのなら、おわん、一生を辺境で、搾取され続ければなあぁ!!!」


 そんな通信を最後に、二回目の戦いは幕を閉じた。



「はぁ、、はぁ、、、本当は、お嫁さんにしてあげても、良かったんだ」


 騎馬突撃艦隊、そのほとんどが既にない、敵の追撃を、しかも隊長の指示は撤退を許す形だった、

 それでも撤退を許さないのが軍隊なのだろう、隊長の指示を絶対にしない、おそらく遊撃艦隊以外の部隊が追ってきたのだ。

 それに向かって仲間が突撃、というより時間稼ぎの足止めをしてくれて、ほぼ全滅したというわけだ。  


「意味分からんが、なんだ?」


 奴にだけ電波な何かが宇宙のどこかから送信されているのだろうか?俺には受け取れないのが心底残念無念で何やらかんやら。


「君は野心が強いから、どうせ、そう、どうせ、僕との一生に殉じてくれないって、分かってたから、、、ごほぉ!!」


 背中の機体に居るイリス、俺は既に気づいていた、奴の機体内の様子をモニターできていたから、

 その画面内では、イリスが下半身を失い、応急治療で凍結させた姿、その余波で顔も霜で覆われて、酷く寒そうだった、声は震えてないのだが。


「どうした?イリス?お前電波受けてるなぁ!」


「うん♪今日は凄いよぉー!てか!なんでイツキはBGMオフにしてんのぉ!!ありえないでしょうがぁ!オンにしてよ!!はやくぅ!!」


 そう言って、なんか電波受信中奴は、拙い声で歌った。

 俺は涙を流し続けた。


「あは、、、あっはっは、それじゃあね、そろそろ命が続かないから、死ぬとするよ」


 それだけ言って、イリスは通信を閉じてしまった。 



「本国に帰ってきたか」


 俺は久々の王国の風景を眺めつつ、ある場所に向かう。


「禁忌の技術だな、同名プレイヤーの同時存在が不可能だからと、無茶苦茶だ」


 沈黙を保ち、俺の隣には新しいイリス、その怖い人はベンチに座る俺に勢い良く飛び掛ってきた。


「たぁ!!なんだぁ!!!」

 そのままくるくるベンチから転げ落ちて、俺はイリスと揉みくちゃになって固い床に腰を打ちつけ仰向けに倒れる、

 イリスは俺を下敷きにする形で全くの無傷、俺の胸ポケットの端末を弄くっている。

 

「はぁ、なんだ、生きていたじゃないか、心配だったんだよ?」


 肉体的コミュニケーションは餓鬼の内は他人との心の交流を真に近づける為とかで絶対必須だぁあ!!

 とか凄い剣幕で学校の熱血先生が言っていた気がするが、こいつは今だにそういうのが抜群で必要な精神的に幼稚でしかたない。

 というよりも、精神年齢が12,3歳で止まった、というよりもいつまでも子供でいたい痛い奴何だわ、たぶんな。

 嫌いじゃないがこういう実害を与えてくる所は玉に瑕だ。

 まあ美少女にこういう肉体コミュニケーションされるのは嫌じゃないが、もっと優しく痛くない感じにして欲しい。大事な腰が使い物にならなくなったら困るのだ、いろいろな意味で。


「よぉっ~し♪これで準備完了!おどるぅかぁ!イツキ!!」


 胸の端末を俺の胸ポケットに戻すイリス。なんだか耳に直接響くような電波の過ぎるソング、うわぁ頭が侵食されるぅ!!

 BGMがオンにされ、宇宙の何処にもない音源から歌が流れ出す。

 更にイリスはムードとかテンションを上げる為に、壁面の端末を操作し部屋を薄暗くからちょっと明るくする。

 これはあれだよ。

 昼も夜もない宇宙を照明効果によって演出しようとする、昼は明るく夜は薄暗く、ちなみに今はリアルの時間帯で深夜な、ちょっと眠たくもあるのにこんなテンションに付き合いきれるかダボハゼがぁ!


「無理だ!俺には無理じゃ!踊れるわけないだろぉ!やめろぉーー!!!」


 イリスは無理矢理俺の両腕を引っつかみ立たせて、そのまま振り回すようにフォークダンスらしき変な真似をさせる。


「なんだぁ!イツキ!元気ないなぁ!体力つけようよぉ!もっと私と肩を並べる遊びマスタぁーになるんだぁ!」


 そんな意味の掴みかねる事を言う。

 大抵常軌を逸した奴は変態的な能力を所持し、更に電波なコイツは周囲をそれに合わせようとする。

 更に言うと俺にだけはその傾向に容赦も拍車もない、子供のようにいつもいつもあそんでぇあそんでぇ!!とせがみまくってくる。

 俺も出来るだけコイツに合わせてやりたいし、合わせると常軌を逸して楽しいんだが。残念ながら俺は常人を逸することが困難な凡夫。

 とてもじゃないが常時こいつとフィバァー出来ない、もう昼からずっとこの調子で遊んでんだ、そろそろ俺の疲れとかその他もろもろ察して欲しい。


「何をしけた顔してるんだい?元気出して行こうよぉ!」


 てかこいつ、踊りながらゲームやってらぁマジでスゲエなぁ!!

 しかもそれこのゲームの操作端末じゃんかぁ!

 更に言うならこの戦艦を単独で操作し、周辺の護衛艦とかも独立AI簡易操作で支持を出してるし、

 戦場の重要な戦線を片手間に引き受けてんじゃねぇ。そして俺がそれら全て知らないようにやる意味は何だと問いたい、小一時間問い詰めたい。


 そういうあれころを端末のBGMをオフにする過程で知った。


「ちょっとぉ♪なんて顔してるのさぁ!♪まだまだ夜はこれからだぜぇ!!フィーヴァ~タァーイムゥ!!♪」


 そんな事いいながらも裏で何かやっているようだ、踊りながら話しながらする事じゃないだろコレぇ。

 端末の画面では、この王国の戦艦が運用する最新兵器、28の四連装主砲の超光速の紅の火線が敵に全てクリティカルする、

 つまり全て弱点箇所に必中、しかも命中精度が異常に高すぎる。

 そして敵からの応射は全て某弾幕シューティングゲームのように避けきる。

 断続的なら何発受けようが、表面の対エネルギー防御フィールドで平気な攻撃だが一発たりとも当たってやる気はないらしい。


「あれ?気づいちゃった?しくったなぁ~♪イツキに知られずゲームしながら戯れる魂胆がごわさんだぁ~♪」


 そんな事いいながら全然落胆の色を見せない、いつまでも嬉しそうに、どこまでも能天気に楽しそうに今も踊り続ける。

 その舞は戦艦の挙動のように、どこまでも流麗で華麗だ、一流のダンサーよりもよっぽど機敏で芸術的な動作を目の前で演出し続ける。


「よっしゃぁ!!こちらに向かってた煩いハエは全員撃退だぁ!」


 機雷戦は、とりあえずこの戦艦を指向してた奴は全部落としたらしい。

 全弾の30%を利用してたところを見るに、俺達の一応所持扱いになってるっぽい国家からの支給品である護衛艦群も含めて守ったらしい。

 戦いが終れば無料で支給されるらしいから見捨てるのかと思っていたのだが。割と義理堅い所もあるらしいね。

 全体的な被害もこちらの方が少ないな、第四艦隊総体は錬度も高いので機雷戦でもその真価を発揮してるようだ。


「よっし!♪それじゃイツキ!!今日で私達で要塞を落とせるように頑張ろう!!イツキはその為の温存だよぉ♪!」


 なるほど、俺に戦いすら気づかせないようにしていた意図はそこか。俺に注意力を一切働かせず精神をすり減らさせない為の処置。

 ちなみに俺は艦隊操作はできるはできるが、イリスのような戦艦を一人で十全に動かせるような規格外の天才ではない。

 そう、ただの機動兵器乗り。

 分かりやすく言えば、アニメのスーパーロボット大戦で活躍する人型機動兵器、そういうのの一オペレーターでしかない。

 まあただちょっとだけ操縦が上手いから、周囲の見立てではスーパーエースとか言われるが。全体として見たら大したことじゃない。と、一応謙虚に言っときますかね。

 

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