全世界覇権闘争戦記-矛盾勢力
「ふっふ、俺は新世界の神になる」
「なれるモノなら、まあ、なってみてください」
新たなる神の選定選抜の季が近づいていた。
この世界には七つの巨大な存在が居て、その下に集う膨大な配下、勢力がある。
絶対の無から宇宙空間開闢の瞬間に必然として発生した世界の根源七要素。
それは全てという全てを司り、有という状態を継続させる為にある、神に限りなく近い人格存在。
絶対の、世界に比する規模と能力を有する万能の存在であるソレラは、対立する存在として常に敵対している。
世界の根源七要素、その方向性は常に解析されており、絶対存在達は既に単独で世界を存続、有で在りさせ続けることが出来た。
だから、彼らは唯一の絶対存在として全世界に君臨することを望み、世界を巻き込む戦争を起こした。
しかし、誰よりも賢い知的生命体である彼ら絶対存在達は、その戦争の果ての結末を容易に予知した。
その結末とは破滅、破綻し完全崩壊した世界は完全で絶対成る無に逆戻りしてしまうのである。
「だから、一定のルールで争われる、世界の覇権を賭けたゲームが編み出されたのだ」
「そうですね」
「俺が、なぜ一人でに語ってるのかが大いなる謎だろう?」
「別に」
そのゲームとは、この世に溢れる神器の争奪戦である。
神器とは、この世界の一定のテリトリー内から発生する様々なエネルギーにより創造される力の偏在集結点である。
神器さえあれば、領地がゼロでも領地があるかのように、神的存在は力を行使できる。
ゲームとは、これら神器の力の総量を競うのである、観測者達がゲームを監視運営することになっている。
しかし、絶対存在が所有するランク∞(無限大)の神器はそれらを全て無価値にするので、これらだけはカウントしない。
ルール違反はありえない、ルールを遵守するからこそゲームが成立し、脈々と続けることが可能になるのだ。
ちなみに観測者達とは、絶対存在達が信仰する神だ。
”上位の世界に存在するはずの、絶対存在が唯一心の底から信仰できる存在達”である。
その存在理由は、絶対存在を永遠に存続させること、信仰される神とは無我なので私利私欲に走る心配はない、純粋成るシステムとして機能する。
「さて、俺には色素と鉱物種族の大部分が味方に付いていない、やはり矛盾を全て内包する勢力というのは嫌われるものだな」
「敵対関係の融和が前提ですからね、私達はとても特殊な立場で上手く立ち回らなければいけませんよ」
「ああ、しかし、純粋すぎて、自分以外を求めずにはいられない、そんな始祖級の存在には好かれてるじゃないか」
「まあ、そうですね」
世界の覇権を狙う彼は、自らの陣営の、全ての融和という主義主張、その象徴たる世界を眺める。
「混沌も秩序も幻想も絶対も虚無も絶無も、俺達全てを内包しようとする絶対の矛盾より、素晴らしいとは思えないだろう?」
「ええ、それにはだいたい同意、賛成ですよ」
「そうだろそうだろ。
さて、世界に散らばる敵味方問わず、盤上の駒達の配置は、どうせ観測者達の干渉もあるだろうし、所詮は全てがイーブンだ」
「平等なのは、この際、嬉しがるべきなのでしょうか?」
「分からんなぁ、まあ、絶対に優れると信ずる俺達を優遇しろとは思うがな」
「ならば、それこそが真ならば、運の要素がイーブンでも、私達が実力で勝るのは絶対の道理ですね」
「おお、そうだな。
だが実の話、実力も拮抗気味なのが苦しいところだ」
「ならば、やはり運こそが全てを決定付ける、そしてその運すらも平等にされていると」
「はっは、そうだなこのゲームは始まる前から結果が決まっているともいえようぉ!
だがなぁ! 運こそが全てを決定付けるという、純然たる事実があろうと、意志在る俺達は戦略と戦術を全力で編み、このゲームを必死にプレイする以外ありえないわけだがなぁ」
「そうでしょお、意志で運を引き寄せられると信じないと、まったくやってられない話ですが」
「意志か、志ってのがあるとすれば、それが一番高いのが俺達、故に最も運を引き寄せられるだろうよ。
これを信仰するならば、なんだってできるだろう、後の勝利で得られるのは無上の栄光と定まってんだからよ」
信仰と希望と、なにより世界に対する愛情。
夢を見、理想の為に突き進む。
願望を叶える為に、何もしなくても滾る欲望をさらに刺激し、渇望する灼熱の存在達が、彼らを含めて世界には満ちていた。




