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世界階段の後‐観測者という世界の真理☆☆



「で、誰にテメエは肩入れするんだ?」


 イリカ以外が去った、執務室内という場所、彼女は俺に問いかける。


「型入れ? しねえよ、そんなもん!」


 コイツは未だに俺の真意を探っている節がある、そろそろ俺の本音を言ってやっておくか。


「俺の真の目的は、商業ガンガン売れる小説を作る事だ、

 現段階で、規定基底現実に居る、この小説をリアルタイム執筆している作者は、全然レベルが低過ぎて、知力も無くて、そのレベルでは無い、

 逆立ちしても、プロレベルの小説が書けねえ、

 そんな有様では駄目だ、だから観測者を使って、もっともっと脳内世界を最適に、最善に面白くしなくちゃいけねえってだけだ」


「だからちげーよ、誰に肩入れして、面白くするのかって、そういう事だ、

 てめえレベルの脳なしの思慮は浅いから把握できるが、テメエ自身の価値基準は曖昧なんだよ、誰に肩入れすんだよ、それで?」


「あーあ、弱小の王国とか、だろ?

 平和を破壊し、下剋上的に世界を引っかき回す、それだけだ、

 絶対存在級に従属してない、現存する48%の外野の観測者の全てを操り、事を成すだけだ」


「観測者か、要は、テメエの意志を絶対視する、特異点級の存在たちだろ?」


「そうだ、世界のバンラスと均衡を保ち、この世界を存続するに足る、作者の、神の脳髄を、世界を存続させている偉大な存在たちだぞ? 

 俺と同様に偉いんだから、テメエらはもっと尊び、もっともっと敬えよ」


「はっ、嫌だね、誰が神の操り人形なんかに、礼を尽くすかよ、俺様の救うべき対象は、人間だけだ」


「ほお、ならば俺も人間だよなあ? 救えよ」


「この世界でのテメエは、人間じゃねえよ。

 規定基底現実に本体を置くテメエ、タクミは人間だが、

 この場で戯言しか語れない、命の無い器だけの、どっかの誰かの操り人形は、俺様の救うべき人間じゃねーンだよ、いい加減わかれやぁ!」


「そうか、まあ、いいが」


「それで? どうすんだよ? これから? 

 テメエは商業ガンガン売れる小説なんて書けねえ、底辺素人作家志望のタクミクン、起死回生の閃きや、なんかあったり、するんすっかねえぇ?」


「うるせえよ、殺すぞ、テメエは」


 抜き・構え・狙い・撃つを省略する、特級魔技ガンスキルの四重重ね、

 加えて、プラチナスターショット+Ⅶ、

 これは王国の覇者のソードスラッシュ+Ⅷ、その次くらいに攻撃力・攻撃速度の高い技である。


「この時点でイルミナードの依り代を無くすデメリットは、把握しているな? 

 俺の機嫌をこれ以上悪くして、死にたくなかったら、そのうるせえ口を閉じて、ただただ黙して従え、黙ってろ」


「あーはいはい、怖い怖い、メサイアの鍵でぶっ殺すぞ」


「勝手にやってろ、テメエは勘違いしているが、その鍵って、本当は効果なんて一切合財ねえぞ?」


「はあ?」


「だから、テメエが鍵を行使した、そうだ前のあのタイミングで、

 偶々俺が、規定基底現実で心臓に持病持ってた俺が、体調不良のタイミングを測って、倒れた、ただそれだけなんだぜ?」


「くっくく、ばーか、知ってたよ、テメエの、”あの演技”は、大根すぎた」


 なんだ、ばれてたか。


「てーかさあ、イリカ、そろそろ、”この世界を終わりにしねえか”?」


 俺は、その言葉を、今日の天気の話レベルで、した。


「はあ? 正気か?」


「ああ、正気も正気、ぶっちゃけ、この世界に未来なんて、もうネエだろ? 可能性が感じられね、将来的な伸長率も、な。

 だから、もう、この世界を終わらせて、この世界を維持させている思考力という、神の脳髄から引っ張ってるリソースも全回収して、

 規定基底現実に、テメエも本体を移せるんだろうし、なあ? 次元の魔女、最果ての魔女、イリカさんよ、」


 俺は笑う、いびつに笑う。


「何が救世だ?

 その役割を演じるのは、酷く心地よいのか? なあ? なあ? 

 世界の果ての超越した場所から、俺はテメエの全てを、知っているんだぜ?」


「はあ、、、どこから知った?」


「なに、テメエが規定基底現実で作った、フリーゲーム”最果ての氷の心を持つ魔女”アレが、第一のきっかけだ。

 そのシナリオと近似率の高い、現実の事象を、アカシックレコードの意識体を通じて、直リンクで高速で処理して調べてもらった、機会があった、

 それで判明した、テメエの真実だわ、どうよ?」


「最果ての魔女なのも、認めてやんよ、だが俺様が始祖なる神で、今をもって救世を意志として指向してるのは、真実だ」


「知ってんよ、だから、それが無理だから、俺について、俺と共に、世界を変えるプロジェクトに加わらねえかって、つまりは勧誘だわな」


「マジで、正気か?」


「そろそろ、毒のような、毒素そのものの、リスクのあるキャラクターも、スタープレイヤーに指定しても、良いかくらいには、俺は思ってんだよ」


「馬鹿が、テメエの寿命が、天命がまず縮むし、分かってんのか?」


「全ぶ分かっている、承知の上で、テメエという、イリカって云う女を、俺は余剰リソースが、

 既存のスタープレイヤーの運営維持能力の最適化できた、その穴に、お前を埋め込み、一生埋め込んでやりたいって、そういう告白だ」


「マテ、待て待て、今、ワタシを入れたら、一生抜けださねえぞ、

 お前はヒルダーネットワークよりも、よほど崇高な、本当に愛すべき世界を持ってんだ、大事にしろ、私なんて愛人扱いで、そんな程度で良いんだよ、ばか」


「なんだ? 最果ての魔女である、そんな世界が勝手に指定した大罪を、コンプレックスにしてんのか?」


「馬鹿、してねえよ、俺様的に、どうでも良い事だ」


「それで、どうだ?」


「どうだじゃねえ、勝手に入れてろ、所詮は俺様なんて、テメエの脳内妄想で、どうにでも扱えるんだしな」


 もの分かりの良い奴である。


「それでだ、この世界が今ところ、俺の世界観の中軸、中心点、絶対大統合的な世界な訳だが、そろそろ変えようと思ってんだわ」


「エーテルを生み出すうえで、もっと楽しく、もっと規定基底現実に貢献率の高い形の、現状をちょうえつするような、代替世界観ができたのか?」


「いや、得には、何となく、此処に飽きてきたから、新しい物語の世界を開闢したいって、そういう話」


「まあ、話すだけなら、有りか、この会話文だけでも、プロットづくりの過程程度に成るかもしれない訳だしな」


「ああ、それに、この世界を下部構造にして、完全消滅させる意味も無い、上位世界を創造する、つまりは準備だわな」


 俺とイリカは、そんな風な事を語っていた、この世界を監視する大いなる視点群を意識しながら、、、。

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