規定基底現実の作者to
さて、俺が物語を書く、絶対の理由を、教えてやろうか?
「そうだよ、シャルロット、お前の描く物語に、確実な致命傷のレベルで、干渉したいからだよ、この紛れもない俺様がな」
眼前には、ただただ、只管に美麗という言葉以上の言葉が見つからない、幻想的なハイレベル金髪美少女が居た。
「はあ? わたしに? 死ぬほど関わりたいのは分かるけれど、無理ね、
貴方のような、絶対的な下位存在、レベルの低すぎる人間ではね、
物理的な接触ならば、物理的な分子の結合的に、不可能だけど、不可能な事象では無い、
だけど、わたしの描く至高の至宝の物語に干渉なんて、笑わせてくれるわね、無限にね、
精神的な、内面、わたしの脳内に、貴方では永久に干渉できない、なぜなら、
わたしが貴方を絶対に認めない、アウトオブ眼中、絶対に拒絶する、必要すらない、認識に値しない情報としてスルーするのだからね」
とある昼下がりの、どこかの場所で、そうやって話していたのだった。
「ああ? 俺の描く、”この物語小説”の、どこが不足してんだ? 言ってみろや、シャル」
「うーん、控え目に言って、全部かなぁー」
「全部言え、説明しろ」
「無理よ、貴方の描く、物語の小説の、全本文が、その証明で在り続けるのだから、原理的に不可能なのよ、
部分の不備を説明するのは可能だけど、全体の不備を説明するのは、どう考えても不可能なのよ、これがどういう事か分かる、全否定って事よ、存在の、
ねえ、ていうかさあ、いい加減、諦めれば?
貴方のような低ブレインの、後発組の、どうしようもない愚者、救いようがないレベルの劣等欠損欠落、
わたしと比較して、わたしの主観から観て、知的に障害があると疑うレベルなのよね?
とにかく貴方、作者はね、まあアレよ、建設的な話をした方が、この場合は、却ってよいのかしらね?」
「ああ、どんとこいやあ」
「現代の最先端を行く若者であり続ける事が寛容、と、言えるかもしれない。
出来る限り多くの若者に共感される作品を描くには、作者が上位互換に値する、尊敬される対象でないといけない。
そうだろう?
あと、過去出版された作品群との、共通性、類似性も重要だろう。
なぜなら一生モノの、すなわち価値ある作品とは、隔絶した個性を持つか。
あるいは、今までの読者の持つ全ての歴史を踏まえた、古典的かつ歴史的集大成のような、統合的な作品であるから」
「この物語小説が、それなんだろうが、一生見直せ」
「ふーん、それであんた、イツキはそういう作品描けるの?」
「はぁ? 今はそういう話はしてないし、関係ないだろう?」
「ああ、そうだった、うん、そうだね、続けて。
あとさっきの話で突っ込むけど、上位互換なだけじゃ駄目。
若者が普段摂取してる情報、それと近似性、相似性がないと真の共感は得られないし、印象も必然薄くなる話。
つまりは時勢や時流にのった、意気の良い作品を作れないと駄目なわけよ。
幾つか例を挙げるなら、最近の艦隊コレクターやモンスターハンマーやアイドルモノ等々。
そういった流行、風潮は当然として取り入れる、それに加えて読者に汎用的に伝わるネタも知って無いとね。
まあとにかく、誰よりも博識じゃないと、広く他人に読ませられるレベルなんて望めないわけね、さあ、どうぞ」
「何が、さあどうぞ、だよ! もうお前が語ればいいじゃないかぁ」
「ああごめんなさい、お株を奪っちゃった? 謝罪するわ。
まあそれはさておき、次は、どんな面白おかしい話をしてくれるの?
楽しみだわ、どきどきわくわく」
「うぜえ!
ハンいやだね、シャル、何か面白いこと話せよ、超面白くないと駄目だかんなぁ!」
「最近ジオフロントを作ってるのよ、幻聴蚊帳でね」
「ほおほお、どこでだ?」
「魔都東京に」
「はん、どうせ都合主義名オバーテクノロジーや、魔術的処置で、だろ?」
「いいや、そうでもない。
私はリアリスト、ジオフロントを造るのが、酷く非現実的って知ってるからね。
だから、納得できないやり口じゃ、ロマンがないことを熟知してるっつーの」
「へえ、それで、そのやり方、知ってる現実的な手法を言ってみな?、無理じゃねの?」
「現在、もう既に幻聴蚊帳で完成してるから。
主に地層、空間を支える岩盤の問題が難しかったけど、なんとかクリア。
まあ郊外っぽい場所、で、流石に首都圏は地価の問題と、地下が開発、開拓されすぎて無理だったわ。
もちろん、どうせ作るからには巨大にしたわ。
全長10キロメートル、高さ1キロ、よ?」
「はあ! マジかよ! 何時のまだよ!」
「金、資金にモノを言わせてね」
「散財してんじゃねーぞ、下層で貧乏暮らししてる俺の身になれやぁ!」
「いやよ、だいたい、都市開発だし、公共の利益にもなるってぇーの、よ。
そして何時の間にってのは、ゴリ押し突貫で、人海戦術と速成急造で作ったって話」
「欠陥住宅みたいに、変な風になってないだろうな、心配だぞ?」
「それは大丈夫、、、、多分ね」
「ふぅ、、で?
首都なら当然、スマイルゴットチャンネル電波完備で、ウィッチガーデン範囲内なんだろうな?
そんな地下ジオフロントに、超一流優良企業が参入してくれたのか?」
「多少いろいろ不便かもしれないけど、最初だけよ、開発して人が増えれば採算がとれるもの」
「その最初で頓挫するのが普通なんだがねぇ」
「まあ、そこは金の力で無双よ」
「そこまでする事かね」
「地下ジオフロントはロマンよ。
だいたい首都に一個くらい大規模な奴がないのが、私には信じられなかったわよ」
「首都ととかで、地方でもやるとしたら、お前くらいだろうよ。
普通なら地方あたりでもないと、土台無理だ。
そうじゃないと資金的にもきついだろうしな」
「地方に作って、どうするの? そんなの、ジオフロント(笑)よ。
それに都市だと、いろいろ捗る事も多いの。
地方だと、割と簡単に地盤が破壊される、いわゆる事故が起こるじゃない?」
「事故つぅーより、闘争というか、、、戦争?」
「まあ、そう、都市なら、上空0.9kmにエネルギー中和フィールドが常備されてるし。
他にも、戦域レベルの防衛システム、迎撃設備があるからね。
つまり防衛費を、全て国が負担してくれるようなモンなの、凄くいろいろ捗るわよね」
「いろいろ捗るって、うっせぇーぞ。
てか、直径数キロ規模だと、地圧とかあーだこーだあれやこれやで、空間的に潰れねーのかね?」
「潰れますよ、普通はね。
最低でも地下二キロまで潜らないと、強固な地盤は見つからない」
「おい、この規格書類を見ると、地下200メートルに作られてんぞ?」
「はぁ? 馬鹿ね、それは機密書類。
公表は地下一千メートルの第二層、そこで巨大空間を支える強靭強固な岩盤が見つかった、てことにしてね」
「おいおい、そこまで、する必要が、果たしてあったのか?」
「あったわよ、分かって無いわね。
いつ潰れるか分からない地盤の下、だからこそ実感できるリアリティーがあるのよ、じゃないと萌えないわ」
「分からないな。
だいたいこの、直径十キロってのが嘘くさい話だぜ。
せいぜい数キロ単位の直径にしておけよな」
「それなんて無理、私って大きい事は良いことだって信奉者だから。
貴方だって思うでしょ? 大きければ大きいほど良いって思わない(意味深)?」
「つっこまねえぞ」
「だいたい、なんでオーバーテクノロジーがあるのに、使わない道理があるの?
わざわざ設定作りとか、面倒くさい!!」
「おめぇーが拘ってたんだろうがぁ!」
「地下数十キロの岩盤は,平均的なコンクリの十倍以上の硬度があるんだけどさ。
それでも、わざわざそこまで潜る?
あんたどんだけジオフロントが好きなんだと、小一時間問い詰めた「黙れ!!!」だまるぅ」
「それで、地下二百メートルにどうやって作ったんだ?」
「ロマンを追い求めなければ、世界はとても容易い、簡単な話よ。
地盤の変りに、可変稼働ガジェットで、縦横の振動にも対応する形で、完全完璧。
わざわざ純軍事的に言うなら、鉄壁、なほど、補強しているからよろしく。
考えどころは、もしコレがバレタとき、どういう現実的な設定にするかかが考えどころね。
貴方、何か良い案思いつかない、つまらないアイディアでも無いよりマシなの」
「知るか、何がどうか分からん。
てかな、さっき話した事にも微妙に突っ込みどころあるんだが?
地下10キロだと、深くなった分だけ、上に積み重なった土の重みがあるだろうが。
それに加えて、発電できるレベルで地熱もあがるだろうしな、どうなんだよ、そこらへん」
「知らないわよ! こまかい男ねぇ、しっ死ね!!」
「おい、、、まあいい、すまんかったな」
「分かればいいのよ。
だいたい破滅的なテクノロジーがあるのに、前時代的な設定に拘るなんて馬鹿のすることなの」
「それも、お前が、、」
「煩い煩いやかましいわぁ!!」
「あ、そういえば、公表の数千メートルってあるけど、そのレベルの掘削機ってぇ、、」
「つーん。」
「微妙な話が突き詰められて無いな。
計画的にどうのか、という話になるが……うーん」




