トランプの女王‐大深度の次元世界ゲーム
「eXステージも開始されたし、、。
ホント、少しでも、最小単位でも助けられただけで、助けただけで、私を含めて、みんな神格以上で一喜一憂するし。
掛け値なしで、みんな死力を尽くして一生懸命、世界は今日も神ゲーで糞ゲーでヌルゲーで鬼畜ゲーよねぇ~~」
ハートの王城、そのテラス空間。
初めから超大規模空間としてのステージ、そのようなゲーム可能領域を想定して作られているので。
ここは遥か先まで見通せない、地平線はない、地球でなく地平なのだ。
広大すぎて気色悪くなる、まるで前衛芸術の趣の巨大な城下を見下ろすように、見下しながら演説調で言う。
「おれぁ~、思うに、今はストリートファイターのボーナスステージみたいなモンだからぁな。
後の反動気にせずに、みんなゲームをプレイしてるんだと思うぜぇ」
「そんなこと、この場にいる俺も含めて全員知ってるだろ」
「おいおい釣れない事言ってやるなよぉ、そういう再認識は意外と重要って聞くぜぇオレはぁー」
exステージとイベント、立体端末で閲覧しつつ、後方の三人が何か喋っているのを何とはなしに聞く。
作戦Cパターンと、戦略小文字uか大文字T、そして戦術回路aは確実、、、。
あと、Bタイプの次世代兵器体系の移行を決定、Le系輸送船団を都市から各拠点に向わせて、とりあえずの戦準備は整う。
これら作戦草案をFiLeに纏めて、後方のナイト達の端末に一応送っておき、本命の参謀ジョーカ達に後詰めの練を任せる。
「はぁ、、攻める時に攻めきらないと、滅ぶくらいに思わないといけない、分かっているけど、ねぇ、、」
此処、階層0の王宮から、全ての指令を下している。
現在、既にリアルタイム進行形で、敵性勢力、スペード・ダイヤ・クローバに同時進攻を繰り返している。
しかし、自陣営ハートの勢力は、純粋戦力で他の三陣営の総合力を十倍以上で圧倒しているのが現状、なのだ。
ならばさっさと攻め滅ぼせ!、と思うだろうが。
敵の本家本元本部は、このトランプの次元世界での拠点だけは失えない純然な理由があるので。
いざ攻め滅ぼそうとすると、ギリギリ攻め滅ぼせない戦力を、別次元のゲーム世界から援軍を派兵するのだ。
「しかしね、今しか強くなれない、その厳然たる事実を、敵の指令は熟知しているのかしらね?
今、指令としてゲームをプレイニングできている幸運を、使い果たせば、一生、これ以上は上れない、強くなれない明日が待つだけ。
この世界でのゲームを優位に進めれば、さらに面白楽しい可笑しい、役所ってのを絶対に与えられるのよ」
私は今、ハートの女王である。
だが、こんな所で一切の満足を、少なくとも、するつもりはない。
厳密には今を幸福に感じないわけじゃないが、いや、今を一切幸福に感じない、そんな私の側面人格存在も内包し、あるのだが。
とかく、私は一切幸福を感じず、貪欲に上を目指し続ける、そういうプレイニングが好みなのだ。
「この世界の階層は開発し過ぎて、もう無限の隠し要素的、ある意味副次的なゲームの領域の開拓をするしかなくなってるし。
私のレベルにしても、もう有用なレベリングができる場所なんて、この世界には絶無に無い。
やっぱり、どう考えても、この世界を超越して、別次元か、あるいは根源的に上位世界の、別水準の世界に、一刻も早く行かなければ、羽ばたき飛ばなければ」
そも、本部司令の気紛れで、左遷されれば。
無上の、死んだ方が幾億兆京倍以上でマシな、塗炭の日々としかいいようがないゲームを、あるいは永遠、又はそれに限りなく近く、にさせられる羽目になる。
かも、しれないのだ、再教育・再訓練・再鍛錬とかの名目で。
「だから、こんなに、絶対に私は負けられない。
比喩抜きで、実際石に噛り付いてでも、勝利に対して、究極的なまでの其れに貪欲である、し、ありたい。
この熱望、灼熱に求めるがゆえ滾る欲望と渇望が。
常に、形振り構わず手段を選ばず、私を無上に捨て身にさせて、ただただ感情的に感動的にする、してくれる。
最大限の最善を尽くし尽くす事に、それこそ感情すら介在させない、神格の勇気を、私に与えてくれるのだろうかぁ、、」
いつの間にか、後方でくっちゃべっている三人が静かになっていた。
まあ大方、私の演説に聞き入っているのだろうな。
彼らは私を信奉しているし、私も彼らを尊敬し頼みとし、常に期待し、一定の以上の信用と信頼のもと、愛しているのだから。
カナデとゼロとカリンとナルア




