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特異点ネットワーク‐冗長過ぎる、駄弁りや哲学話し


 


「うぅ、この世界は、詰まらな過ぎる」


「どうした? ナルディア、鬱ですか?」


 ナルコに頷いて応える、その通り、今の私は欝のモード、そういう時期だ、なのだ。


「そうだろう、それが当然なのだ、この世の真理と自覚し、無に帰れ、むしろ帰ろ」


 リリーが、平坦にそんな酷い暴言をくれる。


「辛辣だね、でもいいのさ、無に帰りたくなるほどには、詰まらなくもない」


「確かに、二流や三流、四流の、存在の上位20%以下は、大体お前達、混沌陣営に貪り搾られてるが、その内より秩序の力が増して、お前達が無に帰りたくなるほど、詰まらなくなる、その時を暫しまっておれ」


 リリーが胸を張って、意気揚々と活力高く発言していた。


「私は、特にそういう話に興味ありませんが、もっと豊かな世界には興味あります。

 もっともっと恵まれた世界を創造し形作り、今の下位世界から上位世界、超上位世界に、貴方達が導いてくれる事を願いますよ、少しでもね」


「ナルコ、貴方達の世界にも、期待しているからね」


「あまり過度な期待はしないでください。

 私の世界は、無限に広大な分、一極に色々と集中しない分、無限の開拓地、フロンティアに人材とか富とか、拡散する傾向があるのでね。

 だから、あんま高次元に面白くならない、そういう傾向が多少ありまして、、、。

 まあ、開拓が一通り済んで、富とか人材とか情報とか様々色々、集結する世界の発達の波を待つ必要が今しばらくあるでしょう」


「ふーん、幻想界は、あまりリアルタイムで情報が更新されないのは、そういう訳だったのでしょうね」


「リリー、君の世界はどう? 人材の精鋭化が進んで、対人口比に対する、一流や超一流の人材が多くなってるって聞くけど」


「まあ、ね。

 貴方の勢力の根本思想、破綻し破滅し崩壊的な発想に基づく生き方に端を発する天才、鬼才とも言える切れ者は少ないけど、確かに人材の平均点、安定性は高いわよ。

 でもやはり、使える人材が少ないのが痛いところよ。

 修羅場や灼熱の戦場を知らない、塗炭の日々を生き抜き、圧倒的に影のある存在じゃないと、どうしても、ねっ。

 並みの才能や天才なんて、あまり必要じゃないのよ、具体的で実践的な研究や開発においては、だから貴方達が羨ましい、と同時に憎らしいわ。

 恐るべき子供達計画を筆頭に、並大抵の非人道的な事はすべからくやっている、最悪を最大限極めて突き詰め、外道を突き進んだ果てにある栄光を掴んでるんでしょう?

 流石混沌陣営と、言われるだけの事あるって、貴方陣営が大々的に、自慢げに発表している、様々な成果報告から垣間見えたわ。

 こちらも、安定して輩出できる人材の質と量で対抗するつもりだけど、ちょっと苦しいわ。

 でも、まあ問題ないわよね、あなた達は結束やチームワークが緩そうだし、こっちの敵じゃないっぽい、いつか必ず完全に滅ぼすつもりだから、そのつもりでね」


「長々といろいろありがとう。 

 あと、まるで私達の勢力の根本思想が否定されてる、みたいだけど、どうなのかね? それ?

 どう考えても、一流や超一流を増やすのが正義でしょう? 二流以下なんて、そもそもがいらないし、リリーが言っている理由もあるしね。

 一流以上は、ありとあらゆる事を高次元に楽しめるんだよ、価値を大きく見出せる、特別な存在なのだよ。

 それは、さまざまな事に大きく感情を抱き動かせて、思い入れや、感情移入、共感や芸術創作等々、広く深く幅広くの有能性を発揮するための性能を持つ。

 つまり、それを所持しない二流以下は、薄情で無情で、思いやりがなく、大して優しくもない、純然に屑でしかない。

 二流を生産するくらいなら、一流を一人でも生み出せる事業に投資した方が良いってのが、私たちのやり方だよね。

 明確なラインは定めるべきだよ、人間と非人間のラインって言うと言い過ぎだけど、足きりのラインみたいなのはね。

 価値を見出せるか見出せないかは、十倍以上の価値があるか、ないか、それのみだよ。

 十倍以上の価値は、人間の認識限界が9である以上、十倍以上の価値は、”沢山”という倍数の価値として知性体には認識され、それ以上は絶対的価値として、それ以下は絶対的価値がない、となるのは真理だよ。

 ゆえに、私たちは、二流を認めず、一流以上のみを、絶対的に優遇してるけど、これのどこが間違っているのかな?」


「なんか、わたしから聞いていると、お二人とも、何に必死になっているのか、わからないのですが?」


 ナルコが、不思議そうに言っていた。


「そりゃ、そうだよ、ナルコは無限大を尊ぶ勢力の存在じゃないか?」


「そうですけど、ね。

 私はだいたいですね、何かに熱意を持って生きる、それ自体に価値を認めないですしね。

 何かに絶対の、大きな価値や熱意を抱いて生きるのは、既存の価値をすべて壊すような、自己破壊的あり方ですと思いますし。

 だから、日々を平凡に平穏に、ただただ生きる為に必須な退屈を最低限満たすだけの、最低限の生き方ができれば、それで良しなのですよ。

 そして、平々凡々に生きる事が、高次元に生きる事に偶々値する人だけが、世界を引っ張れる側、支配者になればいい。

 無理に上位者を生み出す必要もなにもありません、そう思います、それが、それだけが絶対の価値観になりえると思うのです。

 私は無限大を望みますし、何かを強制されることも、誰にかに強制されることも認められない、いわゆる自由主義陣営っぽい考えを根本に持っていますから、貴方達二人の、そもそも誰かと敵対すること自体が、良くわからないのです。

 まあ、無限大を求める時点で、資本主義とか、無限大に拡大し続けるシステムとかを許容しますから、大きく矛盾を孕みますがね。

 それでも、その矛盾状態でも、最大限の自由や無限大に多様で縦横無尽、自由自在なあり方、ある種の適当さや平和や調和を望む傾向がある、私はそんな有様の私の世界が陣営が大好きなのですよ」


「それはそれで、ナルコの勢力は、美徳を確実に確かに持つと、私も思うし、すべての存在が持つと証明できると思う。

 けど、私はもっと突き抜けて、ずば抜けて、ぶっ飛んだ有様のほうが好き、ただそれだけの違いなんだろうね、感覚的に」


「平凡を望む存在に、価値がないとか言わないの? ナルディアは?」


「言わないよ。

 混沌の盟主として、そういう生き方が、他ならない”私”にとって有り得ない、認められないだけで、そういう存在を観測して価値が認めらない、とは直接的には結びつかない。

 私は、無限大階層段階的に、この世の全てを、ゲームとして感じられる全てを、無限大に最大限、面白いおかしい楽しい、さらに同時につまらない下らない退屈とか、思える存在だよ。

 だからこそ、無限大に上位を目指し続ける、そういう欲望や渇望や感情、ひたすらに生きる事に貪欲に有感情、感情的になれるだけ。

 逆に、無限大に娯楽的に下位の世界から、遠ざかるように生きたいとも思うわけだ。

 それはひとえに、私自身がどこまでも只管に、無限に近く、幸福も不幸も、人生における辛酸を知っていて、人間として駄目になるほど、全てを客観視できて、100%純粋な価値以外に興味がなくなっている。

 あいまいで、不確定未知数な、そういう根本的には価値がない、真成る価値以外に興味がなくなった、ある種、非人間的に神の領域、そういう視点でしか生きられなくなっているだけ。

 考えてみれば分かると思うけど、神は神以外の生き方ができないし、興味もないでしょう? 

 でも、神の視点から見て、人間たちに価値がない、一切認めらない無価値って、訳にもならないんだよ実際のところ。

 だって神は、ありとあらゆる全てという全て、森羅万象を無限大に楽しめる、同時に下らない、プラスにもマイナスにも捉えて感じることができる。

 つまりは全てを利用できる、ゲームを楽しむためのゲーム要素みたいな一つとして、価値とできるのだ、これって素晴らしい思えない?

 全てを愛する神である以上は、全てを混沌に見るのも当然、全ての価値を無価値として、全ての価値を肯定するってわけよ。

 ただただ、純粋なる価値を、無限大に求めるのみだよ、わたし達は。

 だって、価値なんて無限に上位概念がある、情報でしかないからね本質的には、私達は自分たちも含めて、無限に上位を目指し続けるだけで、別に無限に完成系が目指せる人間である以上は、無価値とは思えない。

 利用できるものは、最小単位でも有用に、私達の全能力を最大限発揮して、楽しめたり価値を見出せるものは、使い潰さずに、大事に大事に、無限大長期的に最大の娯楽総量に至るように、資源を使う。

 既存の価値を、上手くして、最大の何か価値ある総量に変換、置換、至る方法を模索してる、模索とかしたい。

 無限大に、最小単位の可能性や確立、チャンスや機会、将来性未来性を絶対に諦めない、からこそ、ちょっと破綻して見えるかもしれない、崩壊的で破滅的なまでの執着を全てに持ってる、だって愛しているからね、全てという全てを。

 でもね、それこそがゲームを最大限楽しむために、重要な要素だと思うから、そうしてるだけで、君達と根本は変わらない、方向性が違うだけで」


「長々と、演説ありがとう。

 私も、色々な事に対して、あまり大きく感情を動かせず、楽しむ力も、下らないとか思う、不の感情を見出す力の低い、無感情である事は望んでいない。

 できる限り、感情の有る状態、持つことができる事が最善っていうのは同意見だわ」


「そうですね。

 感情の限界総量値が高ければ高いほど、よりよいってのは、私も同意ではあります」


「だ・か・ら、大きく人生を楽しめて、苦しみも大きくする、一流や超一流が一線越えて、隔絶し画したレベルで、超重要なんだよねー。

 人間として、相対的に大きく思いやりがあり、他人に優しくできる、それこそが、わたしは人間の絶対的価値だと思うけどね。

 余裕って言う、人間として過剰で過度な力があって、それを持ってこそ、初めて人間は完成系に至るのだよ、きっとね絶対。

 優れていれば、優しいってのは真理、逆に優れていなければ、他人に優しくできないよ、これも絶対的に揺ぎ無い真理だね。

 だから、自分自身と同等で他人に優しくできる、自分に価値を見出すように、他人にも同じくらい価値を見出せる存在には絶対の価値があり。

 逆に、自分に価値を見出すように、他人に同じくらいの価値が見出せない、無能には絶対的に価値がない、相対的にね。

 独我論的に、世界を捉えて、全てのとのつながりを拒否したような存在に、世界は興味関心が一ミリたりとも持たない、価値も見出せないのは、当然だよね、そういう事だよ。

 究極的情報生命体システム的考えても、そういう存在はいらない、排斥されて当然、だって不必要で害悪なだけだしさ。

 こう考えれば、私の勢力の、一流以上以外はいらない、二流も三流も四流も、それ以下の害悪存在はいらないって価値観も、分かる気がするけど?

 価値って言うのは、相対的だけど、自分を愛するレベルで、他人を愛せない存在は、すべからく屑だ。

 そしてそれは、絶対に有能じゃないと成し得ない、奇跡的な有能さで能力だから、無能は全ていらない、必要ないの。

 根本的には、やっぱり精神世界が広大じゃないと話にならない。 

 だって、自分を愛し続けられる内で、その総量の限界値以下でしか、自分以外を愛することはできないしね。

 自分を含めた世界を、愛する総量が高ければ高いほど、確実に好ましいでしょう? 絶対的に。

 そして、愛をできる限り継続させて、増大増幅させるのは、資本主義のように、拡大再生産を続けるが如し、圧倒的な有能さが必要必須なのは言うまでもない。

 自然分かる結論として、やっぱり人間存在に、無能は不要、有能以外は、本当に掛け値なしに必要がないとしか思えないね。

 それに、価値を見出す能力が高ければ、絶対の価値に絶対の愛情を感じて、自分よりも世界に価値を見出し、自分の為に生きない、世界の為だけに100%生きる、そういう存在を量産できるのがいいね。

 私の手のひらの上で動かし操り、上手くやって捗るし、有能じゃないと、それができないから、やはりこう思うのだ」


「まあ、貴方の世界では、そういう話になっている、らしいわね」


「所詮は、弱肉強食で、混沌をつかさどる盟主、ナルディアらしい」


「リリーの、秩序はこの辺り、どうなってるぅ?」


「別に、秩序的に、全てを死守するために、初めから絶対の強度である秩序を、私達は守り通すために、生きてる、在るだけだけど?」


「詰まらないとは、思わないの?」


「それはそれで、ありだと思いますけど、わたしは」


「詰まらないなんて、そもそもが感じない、貴方達とは違うの、ナルディアとはね。

 ただ秩序を守れれば、それで良し。

 無限大に生きたいけれど、その無限大を絶対の強度で壊さない、節度ある在り方を絶対にするのが、わたしたち。

 貴方達のように、一時の感情や激情で、無限大に生きれる状況下を壊すような、危ない事をしない。

 本当に目障り、緩やかに幸福になることに我慢ならない、そんないらない強欲を宿す貴方達って」


「その、無限大に幸福になれて、無限大に生きれる状況下って言うのが、そもそも幻想かも、しれないんだよ?」


「仮にそうだったとしても、よ。

 安定を望まずに、不安定だったとしても、割に合わない事をするのが、私達は許せないだけ」


「それは私もだよ、不安定でも、安定に対して割が合うなら、ただしてるだけだし」


「駄目ね、絶対の理性よりも、歪なロマン、情熱や熱情を、最終的に優先するんでしょう?」


「当然だよ、感情的に生きるのが至高でしょう?」


「違う、理性的に生きるのが、至宝な在り方なのよ」


「ホント、分かってない、なんで感性で生きないの? 理性で生きても、損するばかりだよ?」


「こちらの台詞、直感や感性、そういう宇宙の根源法則よりも、現存知覚できる、上位概念法則のほうが、絶対的に信頼できるのに、なぜそれに従わないの?」


「もういいよ、そういう話は、どうせ価値観や好みの問題だろうし。

 私達は、感情のままに生きるのが気持ちい、君達は、理性ぶってインテリぶって、鼻持ちならない鼻つく感じで、何時までも悶々としてればいいんだっ!」


「それはそっちもでしょう?

 自分達が一番賢い、偉いんだって威張り散らして、見ていてホントムカつくっ!」


「うーん、客観的に見ると、どっちも五十歩百歩、さすが混沌と秩序っていう、対極ツイ存在であるだけは、あるのかなぁー、、、」

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