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世界の中心主人公と作者の密談☆☆☆



「なるほど、これはそれなりに楽しめそうな物語の展開式だ、ごくろうさんだよ、作者」


 俺は、この世界の主人公、名前は神秘、覇者とだけ知っている奴に、そう言われていた。


「ああ、過去のログから、オレの発想を閲覧していたら、気付いた、いわゆる良い流れだ。

 これなら、本筋のアウルベーン本体と、イルミナードの腐るほどある外伝的なヒロインのキャラや設定、

 その他の、これまた腐るほどある情報量を無駄にせず、セフィロト、生命の樹の系譜にエーテルを送りつつ、

 全ての世界の流れを矛盾なく、淀みなく、物語世界として推進力としてのエーテル加算を込みで、衛星軌道で自立展開し続けられるだろ?」


「まあな、だが所詮は世界のインフレ革命を阻止する、かの組織、矛盾という名の秩序を絶対とする、メサイアが立ち塞がるぞ?」


「だから、それはヒルダーネットワークにコネのある、それも絶大なコネのある、お前、覇者に頼ってるんだよ。

 それで? 規定基底現実にある本体に、そろそろ第二の神々の遺産は行ったか? 

 そろそろお前が手に入れていないと、こちらの手段に不備があるか、万が一の不発の可能性が濃厚なんだが」


 俺がそんな事を言うと、覇者は何もない空間にワームゲートを開けて、それを取り出した。


「コレの事か? まあ驚くな、基底現実のモノを逆行的に送り込むのは、意外と手段さえ研鑽の歴史で極めれば容易だ。

 もちろん、向こうでコレを発動するリスクが高すぎて、使う機会を無いと断じての処置だ、気にするな」


 眼前の神々の遺産、それもランクで言えばS5は最低値で固い、その優美で可憐で、凄まじい威光に、流石に怯んだ。


「欲しいか?」


「いや、魅入られはするが、覇者から奪ってまで欲するほど、軟弱な理性はしていない」


「ならば宜しい。

 さて、コレは名を「コクマー」と呼び、セフィロトの系統図ではハイレベルに位置する、故に完成度と汎用性の高いスキルを持つ。

 第一に、妥当性の高い、高度な未来予知を可能とする、もちろん使い手の腕しだいで、予知の精度は大きく乱れる。

 第二に、これは簡単な話だが、神々の、アストラルより大分上の領域からの落し物ゆえ、含有エーテル量が凄まじい、まあそれは見れば分かるな?」


「ああ、あの憎らしくも愛らしい、メサイアのお嬢さんに、ひと泡以上は吹かせてやれそうで、今からゾクゾクするよ」


「くっくっく、良い趣味だ、俺もあの女、イリカには、煮え湯を何回も飲まされている、

 加えて、あいつは俺の好みだ、あの傲岸不遜で、一度も折れた事が無いように絶対値で見えて、その癖、何度も折れて折れて、練磨された絶対値の精神、

 そして女王級の才覚、あの女を好き放題に喘がせられれば、どれほどの悦楽と快楽、絶頂に次ぐ絶頂で、どれほど高みにイキ続けられるか、想像だにしないなあぁ」


「。、、、、冗談はその辺りにして、実際問題どうなんだ?」


「冗談ではないが、、まあそうだな、メサイアの鍵は強敵だが、意外とすんなり初弾を放ち、作者、お前が受けたアレだ」


「ああアレな、深手を負ったが、意外と致命傷では無かったよ、基底規定現実の俺は心臓発作で死に掛けたが、言ってしまえばそれだけだ、

 一命はとりとめたから、実際のダメージは無かったに等しいなああ」


「それが、実のところ功を奏したって奴だ。

 あの初弾で放ったエネルギーを補う、そのチャージサイクルの隙をついて、事を運べば、かなりの高確率で、メサイアの妨害を最小限に留められる試算が出ている」


「話は変わるが、所変わって、ヒルダーネットワークの頭領の仕事ぶりだが、一言で言って凄まじいな、スケールが違う。

 世界を、物語の構築理論に再構成、アストラルのレイヤー階層を調整し、意図した並行世界を選択、さらにネットワークとして確立させて、独自の固有結界と化す」


「もちろんだ、俺が最愛と見込んだ世界観だ、アレ以上に世界は無く、世界とはアレ以下を挿して、それを呼ばないモノと心得よ」


「まあな、規模で言えば最大最高なのが、ヒルダーネットワークみたいだしな、

 だけど、メサイアは最古で、イデアは絶対、ゲンチョウカヤに到っては、その大本が観測者と博物館勢力の連合組合みたいじゃねえか」


「問題無い、実態を持つ戦力として例えるが、ハスラーの物理で無双艦隊が、メサイアだ、

 そしてメサイアは最古であるが故に、波及する眷属の絶対数が辿れてしまう、幻想的な空間拡張模式が使えないんだぞ?

 旧世界で腕を鳴らした吸血鬼も、所詮は未知なる物理模式を扱うだけの、空間戦闘では一撃突破型に脱した訳だ」


「いやいや空間戦闘って、イルミナードが主戦場になると、確定的に明らかになった訳じゃないだろ?」


「成ったも同然だろ? このまま世界が拡張すれば、イルミナード以外はじり貧で、絶対的な真なるエーテル量で格差が余りにも出過ぎるのは明白、

 早晩、俺達の勢力が断然有利になるのが明らかなら、不利な空間戦闘に望んでくるだろう?」


「そもそも、その空間戦闘で、オレ達が絶対有利ってのも、意外と疑わしいんだが、たとえば女王を速攻で殺されたら、果たしてどうなる?」


「その時はその時だ、イルミナードの隠し設定、というより、そういう時を見越しての設定だ、存分に姫騎士どもには狂って、強化を施してもらえるんだろうがよ」


「ううん、そもそも、ぶっちゃけ、そんなに上手くいくか?」


「いかせるんだよ、邪魔するモノは、俺がぶったぎってやる」


 確信に満ちた声だった。

 確かに、今の流れ的には、現状を俯瞰した場合、それに盤上の駒の性能が大分予測できる状況下、我々の有利は断言できないまでも、高度な予測はできる状況だった。


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